
Excel関数の基本と活用方法|業務に必須の代表的な関数を徹底解説
目次[非表示]
- 1.Excel関数とは?
- 2.【全22選】よく使う基本のExcel関数一覧
- 2.1.①SUM関数:数値を合計する
- 2.2.②MAX関数:最大値を求める
- 2.3.③MIN関数:最小値を求める
- 2.4.④AVERAGE関数:数値を平均する
- 2.5.⑤PRODUCT関数:数値を掛け算する
- 2.6.⑥QUOTIENT関数:数値を割り算する
- 2.7.⑦COUNT関数:セルの数を数える
- 2.8.⑧MEDIAN関数:中央値を求める
- 2.9.⑨ROUND関数:数値を四捨五入する
- 2.10.⑩IF関数・IFS関数:条件を指定する
- 2.11.⑪COUNTIF関数:条件を満たすセルの数を合計する
- 2.12.⑫SUMIF関数:条件を満たす数値を合計する
- 2.13.⑬IFERROR関数:エラー時の表示を指定する
- 2.14.⑭AND関数:全ての条件を満たすか調べる
- 2.15.⑮OR関数:いずれかの条件を満たすか調べる
- 2.16.⑯VLOOKUP関数:指定の範囲から値を検索する
- 2.17.⑰LEN関数:文字数を数える
- 2.18.⑱ROW関数:行番号を表示する
- 2.19.⑲TEXT関数:数値の書式を変更する
- 2.20.⑳DATE関数:指定の日付を表示する
- 2.21.㉑TODAY関数:今日の日付を表示する
- 2.22.㉒EOMON関数:月末の日付を表示する
- 3.エラーが出たときの原因と解決方法
- 4.使用する関数がわからないときの解決方法
- 5.まとめ
エクセルは、日常業務やデータ処理に欠かせないツールです。セルに関数を入力すれば簡単に自動計算が行えますが、どの関数を使えばよいか迷う方も多いでしょう。
今回は、初心者がまず覚えておくべき基本のExcel関数を、用途ごとにわかりやすく解説します。業務効率を向上させるために、Excel関数の基礎を押さえましょう。
Excel関数とは?
Excel関数は、セル内で四則演算・統計処理・条件判定などの計算を行える機能です。セルに特定の関数を入力することで、複雑な計算を手入力や手計算なしで瞬時に処理でき、業務効率を大幅に高めることができます。
昨今ではエクセルを使う上で関数の理解は必須ともいわれており、目的に応じた適切な関数をすぐに引き出せるように習得しておくことが重要です。
【全22選】よく使う基本のExcel関数一覧
さっそく、Excel関数で特によく使われる数式22種類を紹介します。
①SUM関数:数値を合計する
SUM関数は、指定した範囲内の数値を合計する関数です。たとえば「=SUM(A1:A10)」と入力すれば、A1~A10のセルの合計値が表示されます。売上や点数などを集計する際に広く利用される、エクセルでの計算作業の基本の関数といえます。
・基本の数式:=SUM(セルの範囲)
②MAX関数:最大値を求める
MAX関数は、指定範囲内の数値の最大値を返す関数です。「=MAX(A1:A10)」のように入力すれば、その範囲のデータのなかで最大の値を瞬時に把握できます。売上の最高額や最高点を確認する際など、数値の分析で役立ちます。
・基本の数式:=MAX(セルの範囲)
③MIN関数:最小値を求める
MIN関数は、指定範囲内の数値の最小値を返す関数で、「=MIN(A1:A10)」のように入力します。売上の最小額や最少点などのデータ上の最低値を簡単に確認でき、異常値の特定や統計分析に役立ちます。
・基本の数式:=MIN(セルの範囲)
④AVERAGE関数:数値を平均する
AVERAGE関数は、指定範囲の数値の平均値を計算する関数です。「=AVERAGE(A1:A10)」と入力すれば、指定範囲内の数値の平均値が表示されます。集計やデータの比較の際によく使用されます。
・基本の数式:=AVERAGE(セルの範囲)
⑤PRODUCT関数:数値を掛け算する
PRODUCT関数は、指定された範囲の数値を全て掛け合わせた積を返す関数で、「=PRODUCT(A1:A10)」のように入力します。掛け算の結果をすぐに表示でき、複数の要素の相乗効果や総掛け率を計算したいときに便利です。
・基本の数式:=PRODUCT(セルの範囲)
⑥QUOTIENT関数:数値を割り算する
QUOTIENT関数は、数値の割り算の結果、整数部分だけを返す関数です。たとえば「=QUOTIENT(10,3)」と入力した場合、結果は3になります。余りを無視して整数結果だけを知りたいときに役立ちます。
・基本の数式:=QUOTIENT(数値,数値)
⑦COUNT関数:セルの数を数える
COUNT関数は、指定範囲内の数値が入っているセルの個数を数える関数で、「=COUNT(A1:A10)」のように入力します。入力データの件数確認などでよく使用されます。
・基本の数式:=COUNT(セルの範囲)
⑧MEDIAN関数:中央値を求める
MEDIAN関数は、数値を昇順に並べたときの中央値を返す関数です。平均値ではなく中央値でデータ傾向をとらえたいときに有効で、外れ値に影響されにくい分析にも利用されます。
・基本の数式:=MEDIAN(セルの範囲)
⑨ROUND関数:数値を四捨五入する
ROUND関数は、小数点以下を指定した桁数で丸める関数です。たとえば「=ROUND(A1,1)」と入力すれば、セルの値を小数第一位までに丸めて表示できます。金額や統計値の表示精度を整える際に利用されます。
・基本の数式:=ROUND(数値, 桁数)
⑩IF関数・IFS関数:条件を指定する
IF関数は、指定した条件式の値が真なら指定値、偽なら別の値を返す関数です。たとえば、「=IF(A1>10,"大","小")」のように使用します。IFS関数は複数の条件を指定でき、条件分岐した処理をセル内で完結できます。
・基本の数式:=IF(条件, 真の場合の値, 偽の場合の値) / IFS(条件1, 値1, 条件2, 値2, 条件3, 値3, …)
⑪COUNTIF関数:条件を満たすセルの数を合計する
COUNTIF関数は、指定した条件を満たすセルの個数を返す関数です。たとえば「=COUNTIF(A1:A10,">5")」と入力すると、5より大きい数が入ったセル数を数えられます。条件に応じた件数の集計に便利です。
・基本の数式:=COUNTIF(セルの範囲,条件)
⑫SUMIF関数:条件を満たす数値を合計する
SUMIF関数は、指定条件を満たすセルの値だけを合計する関数です。「=SUMIF(A1:A10,">5",B1:B10)」のように入力すれば、異なる範囲の合計も可能です。
・基本の数式:SUMIF(セルの範囲, 条件,合計範囲)
⑬IFERROR関数:エラー時の表示を指定する
IFERROR関数は、数式の値がエラーになった場合に代替の値を表示するための関数です。この関数を使えば、0や参照エラーが発生しても、指定したメッセージや別の値に置き換えられます。
・基本の数式:=IFERROR(値, エラー時の値)
⑭AND関数:全ての条件を満たすか調べる
AND関数は、複数の条件を全て満たしているかを判定する関数です。全ての条件が「TRUE」の場合のみTRUEを返し、1つでも条件がFALSEなら結果はFALSEになります。IF関数と組み合わせることで、より複雑な条件分岐も可能です。
・基本の数式:=AND(条件1, 条件2, ...)
⑮OR関数:いずれかの条件を満たすか調べる
OR関数は、指定した複数の条件のうち、1つでも満たせばTRUEを返す関数です。AND関数と異なり、全ての条件がFALSEの場合のみFALSEになります。
・基本の数式:=OR(条件1, 条件2, …)
⑯VLOOKUP関数:指定の範囲から値を検索する
VLOOKUP関数は、指定したキーをもとに表の縦方向から該当する値を取得する関数です。商品名や従業員情報など、エクセル表のなかから対応する値を検索・抽出するのに適しています。
・基本の数式:=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方式)
⑰LEN関数:文字数を数える
LEN関数はセル内の文字数をカウントする関数で、データの長さチェックに便利です。スペースや記号も1文字としてカウントされます。
・基本の数式:=LEN(セル)
⑱ROW関数:行番号を表示する
ROW関数は、指定したセルの行番号を返す関数です。引数なしで使用すると、その関数が入力されているセルの行番号が表示されます。連番の生成や行番号を使った計算をする際に便利です。
・基本の数式:=ROW() / =ROW(セルの範囲)
⑲TEXT関数:数値の書式を変更する
TEXT関数は、数値や日付を指定の形式の文字列で表示する関数です。「=TEXT(A1,"yyyy/mm/dd")」で日付の形式を整えたり、「¥#,##0」で金額表示を整えたりします。
・基本の数式:=TEXT(セル,表示形式)
⑳DATE関数:指定の日付を表示する
DATE関数は、年・月・日を指定して日付を生成する関数で、数値から日付形式に変換する際に使用されます。たとえば「=DATE(2025, 12, 25)」と入力したら、「2025/12/25」という日付が表示されます。
・基本の数式:=DATE(yyyy,mm,dd)
㉑TODAY関数:今日の日付を表示する
TODAY関数は、今日の日付を表示する関数です。基本構文は=TODAY()で、毎日自動的に数値が更新されます。請求書の日付や締切日までの日数カウントなどに便利です。
・基本の数式:=TODAY()
㉒EOMON関数:月末の日付を表示する
EOMONTH関数は、指定した日付から数えた指定月数前後の月末日を返す関数です。たとえば、「=EOMONTH(TODAY(),0)」と入力したら、当月末の日付が表示されます。締切日や月末処理の計算に便利な関数です。
・基本の数式:=EOMONTH(開始日, 月数)
エラーが出たときの原因と解決方法
Excel関数では、正しい数式を入力しないとセル上にエラーが表示されてしまいます。エラー表示の意味と原因を理解し、適切に修正しましょう。
#VALUE!
「#VALUE!」は、セル上に数値ではなく文字が入力されているなど、データの型が適合しない場合に表示されます。文字列のズレや空白入力なども原因となるため、指定のセルの確認が必要です。
DIV/0!
「DIV/0!」は、0で割り算を行おうとしたときに表示されます。分母に空白や0が入っていないかを確認し、0がある場合はIF関数などを活用して回避しましょう。
#REF!
「#REF!」は、参照していたセルが削除または移動された場合に表示されるエラーです。参照先のセルを修正することで、エラーを解消できます。
#N/A
「#N/A」は、参照する値が見つからない場合に表示されるエラーで、おもにVLOOKUP関数で発生します。参照値を修正するか、IFERROR関数でエラー時の代替表示を設定するなどして対応しましょう。
#NAME?
「#NAME?」は、関数名やセル名が正しく認識されなかった場合に発生します。関数のスペルミスや無駄な空白がないかどうかを確認しましょう。
使用する関数がわからないときの解決方法
使用する関数の種類や正しい関数の数式がわからないときは、エクセル内の「関数の挿入」機能や「関数ライブラリ」機能を活用しましょう。これらの機能にはその関数の使用方法や基本の数式が載っており、選択するだけでセルに書式が自動入力されます。
また、専門サイトや書籍から関数を調べるのも方法の1つです。入力エラーを避けるためにも、関数を忘れてしまったときは、曖昧なまま入力するのではなく正しい数式を調べてから入力することが大切です。
まとめ
Excel関数を使いこなせるようになると、業務効率と正確性が大幅に向上します。今回ご紹介した基本の関数を習得すれば、エクセルにおけるデータ処理や表計算がよりスムーズに行えるようになるでしょう。
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