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内定者フォローとは?内定辞退を防ぐポイントや具体的なイベント例、注意点を解説

目次[非表示]

  1. 1.内定者フォローとはどういう意味か?
  2. 2.内定者フォローが重要視されている背景
    1. 2.1.採用競争の激化
    2. 2.2.学生が主導権を握る時代
  3. 3.内定者フォローの目的や必要性
    1. 3.1.内定辞退を防止する
    2. 3.2.早期離職を防止する
  4. 4.内定者が内定者フォローを求める理由・心理
    1. 4.1.不安を払拭したい
    2. 4.2.会社の雰囲気を知りたい
    3. 4.3.同期のことを知りたい
    4. 4.4.具体的にどう働くのかを知りたい
    5. 4.5.本当に入社して良いのかを知りたい
  5. 5.内定辞退を防ぐために企業が取るべき対策
    1. 5.1.入社後のキャリアプランを考えてもらう
    2. 5.2.内定者同士のコミュニケーションを増やす
    3. 5.3.従業員との接点を増やす
    4. 5.4.定期的な接触機会を設ける
  6. 6.内定者フォローの具体例と実施のポイント
    1. 6.1.①座談会
    2. 6.2.②内定者懇談会
    3. 6.3.③学生と面談の設定
    4. 6.4.④内定者研修
    5. 6.5.⑤社内イベント
    6. 6.6.⑥自社選考の振り返り
    7. 6.7.⑦社内報送付
    8. 6.8.⑧職場見学
    9. 6.9.⑨アルバイト
    10. 6.10.⑩通信教育
    11. 6.11.⑪合宿研修
  7. 7.内定者フォローを行う際の注意点
    1. 7.1.手段先行にならない
    2. 7.2.定期的な接触機会を設ける
    3. 7.3.時には決意を固められるようにする
  8. 8.法人研修のことならリンクアカデミー
  9. 9.内定者フォローに関するよくある質問
  10. 10.まとめ


  内定者フォローは、企業が内定者とのコミュニケーションを継続し、入社までの期間をサポートするための重要な取り組みです。内定者フォローを行うことで、内定者の不安や疑問を解消し、入社前からモチベーションを高く保つことができます。本記事では、内定者フォローの必要性や内定辞退を防ぐポイント、内定者フォローの具体的な取り組みについて解説します。


内定者フォローとはどういう意味か?

 内定者フォローとは、企業が採用した応募者が実際に入社してくれるようにフォローやサポートを行うことを指します。リクルートの就職みらい研究所が実施した調査である「採用活動中間調査就職活動状況調査データ集 2023年卒」では、「メール・電話による定期連絡をする」「内定者懇親会へ招待する」などの内定者フォローを実施している企業が多くあることが分かっています

(出典:就職みらい研究所 採用活動中間調査就職活動状況調査データ集 2023年卒「内定者フォローの実施(予定)割合 2023年卒(2023年卒採用実施企業/複数回答)」)


内定者フォローが重要視されている背景

 では、なぜ内定者フォローが重要視されており、取り組む企業が多いのでしょうか。ここでは、企業にとって内定者フォローが重要視されている背景について、代表的なものをご紹介します。

採用競争の激化

 内定者フォローが重要視されている背景として、「採用競争が激化している」ということが挙げられます。独立行政法人労働政策研究・研修機構が公表している「完全失業率、有効求人倍率」では、ここ数年は有効求人倍率が高い水準で推移していることが分かっています。

(出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「完全失業率、有効求人倍率」)

 有効求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合のことで、雇用動向を示す重要指標の1つです。有効求人倍率は、有効求人数を有効求職者数で割って算出しており、倍率が1を上回れば、求職者の数よりも企業の求人数が多い「売り手市場」となります。倍率が1を下回れば、求職者の数の方が多い「買い手市場」となります。

 現在は買い手市場が続いているため、複数の企業が1人の応募者を取り合う構図になっており、より内定者に入社してもらうための工夫が必要となっています。

学生が主導権を握る時代

 現在の採用シーンでは、企業が主導権を握るのではなく、学生・応募者が主導権を握る割合が多くなっています。高度経済成長期の時点では、終身雇用・年功序列の雇用形態が当たり前であり、企業と個人がお互いに束縛する関係性であったと言うことができます。その中では、企業は個人に対して優位な立場であり、主導権は企業側にある状況がありました。

 しかし、現在は売り手市場であることに加えて、個人は自由に企業を選んで、転職や独立が当たり前の時代になっています。そのため、応募者に「この会社で働きたい」という意識を芽生えさせることが重要になってきています。企業は応募者から選ばれる存在であるために工夫をすることが求められている時代であるため、内定者フォローを通じて自社の魅力を感じ続けてもらうことが大切になっています。


内定者フォローの目的や必要性

 その重要性が注目されている内定者フォローですが、実際にはどのような目的で実施されているのでしょうか。内定者フォローが実施される主な目的として、「内定辞退を防止する」「早期離職を防止する」といったことが挙げられます。ここでは、それぞれの内容についてご紹介します。

内定辞退を防止する

 内定者フォローを行う大きな目的として、内定辞退を防止するといったことが挙げられます。リクルートの就職みらい研究所が公表している就職プロセス調査(2024年卒)「2023年2月1日時点内定状況」では、就職活動期間が過ぎていく中で内定辞退率は上昇しており、64%程度まで達するといったことが調査から分かっています。

(出典:就職みらい研究所 就職プロセス調査(2024年卒)2023年2月1日時点 内定状況「就職内定辞退率」)

 内定辞退が発生すると、採用で投じた時間やコストといったものが無駄になってしまいます。企業は内定者がしっかりと入社して活躍してくれるフォローを行うために、内定者フォローを積極的に行う必要があると言えます。

早期離職を防止する

 内定者フォローは内定から入社までの辞退を防止するだけではなく、入社後の早期離職を防止するためにも実施されています。まず、新入社員が3年以内に離職する割合は、厚生労働省の調査によると過去10年間で高卒は40%程度、大卒は30%程度で推移していると分かっています。

(出典:厚生労働省「新規学卒者就職率と就職後3年以内離職率」)

 変動はないですが、言い換えると企業にとって早期離職の防止は恒常的な課題であると言うことができます。早期離職が発生すると、それまで採用や育成に費やした時間や労力、お金が無駄になってしまうため、企業としては避けたいものです。

 内定者フォローを実施することで、会社に対する帰属意識や愛着心、モチベーションが高まることが期待できるため、早期離職を防止するためにも内定者フォローは有効であると言えます。


内定者が内定者フォローを求める理由・心理

 多くの内定者は、内定までのフォローを必要としています。内定者が実際にどのような理由で内定者フォローを求めているのかを把握することで、効果的なフォローを実施することができます。ここでは、内定者が内定者フォローを求める理由や心理について、代表的なものをご紹介します。

不安を払拭したい

 多くの場合、内定者はそれまで「お金を払って勉強する立場」から「お金を貰って仕事をする立場」へと変化することに大きな不安を抱えています。これまでとは違った環境である「社会」に出ることは、時として大きなストレスとなります。

 そのため、内定者は内定者フォローを通じて、どのような心持ちで入社をすれば良いのか、どのような行動をすれば良いのかについて知りたいと感じています。内定者フォローにより、そのような不安を払拭できると、内定者は安心するでしょう。

会社の雰囲気を知りたい

 内定者が内定者フォローを求めている理由として、「会社の雰囲気を知りたい」といったことも挙げられます。内定者は選考過程で面接官やリクルーター、先輩社員とコミュニケーションを取る機会はありますが、選考中は内定をもらいたいといった気持ちが強いため、具体的にどのような雰囲気であるのかを察知しにくい環境があることが多いでしょう。

 そのため内定者フォローで更に従業員との親睦を図ったり、会社のことを知ったりすることで、会社の雰囲気をより詳しく知りたいと思っています。内定者フォローで会社の雰囲気を伝えられる施策を実行することで、会社の雰囲気をより感じてもらうことができます。

同期のことを知りたい

 内定者が内定者フォローを求める理由として、「同期のことを知りたい」といったことも挙げられます。内定者にとって、一緒に働くことになる同期の存在は大きく、入社後にはお互いに切磋琢磨をしたり支え合ったりすることになります。そのため、内定者は先輩社員と同様に同期がどんな人であるのかを知りたいと感じる傾向があります。

 同期のことを深く知ることで、内定者は入社後にどのような人と働くのかについてのイメージを膨らませることができるため、同期同士の交流機会を設けることは、企業側にも大きなメリットとなります。

具体的にどう働くのかを知りたい

 「入社後に具体的にどう働くのかを知りたい」と思うことも、内定者が内定者フォローを求める理由の1つです。会社説明会や面接の中で、働き方や福利厚生などについて確認することはできますが、実際はどうなのかを知りたいと感じているのが事実です。

 仕事にはどのようなやりがいがあるのか、先輩社員は実際にどのように働いているのかといった情報を内定者は求めています。それを内定者フォローで伝えることは、内定辞退を防止して、入社後のギャップを小さくするためには有効です。

本当に入社して良いのかを知りたい

 内定者が内定者フォローを求める理由として、「本当に入社していいのかを知りたい」といった気持ちがあることも考えられます。内定者は内定をもらった後にも、「本当にこの決断は正しいのだろうか」といった不安を抱え続けています。特に、現在は自分の友達や知り合い、SNSからの情報を得やすい時代であるため、他の人のことを見ていると不安は大きくなりやすいものです。

 そのため、内定者フォローでその不安を払拭しつつ、時にはその決断の背中を押すことに取り組むことで、内定者は少しずつ自分の選択を正解にする姿勢を得ることができます。


内定辞退を防ぐために企業が取るべき対策

 内定者の内定辞退を防ぐための対策には、いくつか有効なものがあります。内定辞退を防ぐ方法を知っておくことで、入社の決意を固めてもらい、入社後の活躍を期待することができます。ここでは、内定辞退を防ぐために企業が取るべき対策について、代表的なものをご紹介します。

入社後のキャリアプランを考えてもらう

 内定辞退を防ぐためには、入社後のキャリアプランを考えてもらうことが有効です。内定者は入社後に自分がどう活躍して、どのように成長していくのかについて不安に思っています。言い換えると、入社した後にどのようなキャリアステップを踏んでいくことができるのかを明確にできると、入社が楽しみになると言えます。

 そのため、自社にはどのようなキャリアステップがあり、そのためには今の強みをどう伸ばして、逆に弱みをどのように克服するのかを考えてもらうと良いでしょう。

内定者同士のコミュニケーションを増やす

 内定辞退を防ぐためには、従業員とのコミュニケーションだけではなく、内定者同士のコミュニケーションを促進することも大切です。内定者同士のコミュニケーション機会を増やすためには、内定者がチームとして取り組むプロジェクトを企画したり、内定者同士での懇親会を実施したりといった形があります。お互いのことを深く知ることができると、同期の間での信頼関係が構築されて、お互いに支え合う関係性をつくることができます。

従業員との接点を増やす

 内定辞退を防ぐためには、内定者と従業員の間での接点を増やすことが大切です。内定が出てから入社までの間に、内定者と従業員で座談会や懇親会などを通じてコミュニケーション機会を増やすことができると、従業員との間での信頼関係が生まれやすくなります。

 従業員との間でつながりを感じることができるようになると、会社にいる人に対して魅力を感じやすくなり、自分も一緒に働いているイメージが湧きやすくなります。

定期的な接触機会を設ける

 内定者と定期的な接触機会を設けることも、内定辞退を防止するためには大切です。従業員とのコミュニケーション機会も、内定者同士のコミュニケーション機会も、1度実施するだけでは不十分であると言えます。

 基本的に、人のモチベーションは放置していると低下していくと言われています。そのため、「イベントフォーカスマネジメント」という、要所要所でモチベーションを高める「きっかけ」をつくるといった考え方に沿って、内定者との接触機会を定期的に設けることが大切です。

(参考:イベントフォーカスマネジメント)


内定者フォローの具体例と実施のポイント

 では、内定者フォローを行う際には具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか。ここでは、内定者フォローの具体例と、その実施のポイントについてご紹介します。

①座談会

 内定者フォローとして、内定者と従業員の座談会を実施している企業は多いでしょう。座談会を実施することで、内定者は従業員とのつながりを感じることができ、職場の雰囲気を実際に働いている人から聞くことができます。座談会を通して様々な情報を得ることができると、内定者は自分が会社の中で働くことのイメージが湧きやすくなるため、入社への意欲が高まりやすくなります。

 座談会を実施する際には、若手の従業員だけではなく、ベテラン社員や管理職とも交流の機会を設けることで、幅広い役割の人がどのように働いているのかや、どのような人がいるのかについて、より具体的に把握することができるようになります。

 また、座談会で注意する点では、コミュニケーションを従業員任せにしないということがあります。特に学生と社会人では見ている視界や観点が異なるため、放置しておくとミスコミュニケーションが発生する原因となります。

 ある程度目的やテーマ、話してほしい内容について事前に共有しておくことで、座談会の効果を高めることができるでしょう。

②内定者懇談会

 内定者懇親会も、内定者フォローの方法としてはメジャーなものです。内定者懇親会とは、内定者同士で交流する場を設けることを指しています。内定者懇親会を実施することで、入社後に同期となる内定者同士でコミュニケーションを取る機会をつくることができ、お互いのことを深く知ることができるようになります。

 内定者懇親会では、内定者同士がお互いのパーソナリティを把握して信頼関係を築くことが目的となるため、落ち着いて話すことができる環境を整えることが大切です。必要に応じて「学生時代に頑張ったこと」「入社した後にどのようなことをしたいか」といったテーマを与えることで、コミュニケーションを活発にすることができます。

③学生と面談の設定

 内定者フォローの手段として、学生(内定者)との面談を設定・実施することも有効です。面談では、基本的に先輩社員と内定者が一対一で話すことになります。座談会や懇親会では複数人でコミュニケーションを取ることになります。積極的な内定者は自分から話をすることができますが、全員が積極的に話すことができるということは少なく、人見知りをする内定者も一定数いるでしょう。

 そのため、落ち着いて話すことができる面談を実施することで、大人数の前ではうまく話すことができない内定者の話もしっかりと聞くことができます。イベントフォーカスマネジメントの考え方に沿うと、面談も一度だけ実施するのではなく、定期的に実施することで内定者から深い話を聞くことができるようになり、会社と内定者の間での信頼関係を強めることが期待できます。

④内定者研修

 内定者研修とは、内定者を対象にして実施する研修のことを指します。内定者研修は内定者に課題やテーマを与えて取り組んでもらう形式が多く、取り組みを通じて会社への理解を深めたり、内定者同士でのコミュニケーションを活性化したりすることができます。

 最初は難しい課題ではなく、楽しみながら取り組むことができるものを用意することで、内定者が会社に入ることを楽しみであると感じやすくなるでしょう。

 また、入社前は内定者のスキルにはバラツキがあり、特に、昨今のDX化に伴い、個人のもつITスキルには偏りがあります。内定者研修を通じて、知識やスタンスに加えたITスキルの向上により、実際の業務に接続されるような研修を行うことで、内定者も入社後にギャップを感じることなく業務に順応していくことができます。企業側も、入社前にそれぞれのスキルや特性を可視化しておくことで、よりスムーズに配属を行うことができます。

(こちらもチェック:「内定者研修とは?目的や成功させるポイント、おすすめの方法などをご紹介」)
(こちらもチェック:「社内研修の内容はどうする?種類や面白いネタ、効果的な設計方法までご紹介」)

⑤社内イベント

 社内イベントに参加してもらうことも、内定者フォローの方法の1つです。社内イベントに参加してもらうことで、内定者は実際に働いている人はどのような働き方をしているのかや、どういう視点を持って仕事をしているのかについて知ることができます。

 社内イベントは部署での納会や全体ミーティングなど様々なものがありますが、できるだけ会社や部署の方針に触れて、どういう所を目指しているのかについて触れることができるものが望ましいでしょう。また、社内イベントに参加した感想を内定者からもらうことで、疑問の解消や社内イベント自体の見直しなどを行うことができます。

⑥自社選考の振り返り

 自社選考の振り返りとは、内定者と一緒に実際の選考過程を振り返って、その見直しを行うことを指します。実際に選考を体験した内定者と一緒に振り返ることで、タイムリーに課題の発見や改善点の検討を行うことができ、次年度以降の採用活動に活かすことができます。

 また、内定者も自分の選考を振り返ることで、「なぜこの会社を志望したのか」といったことを思い出すことになります。改めて志望動機を思い出すことで、会社に入ってやりたいことを再確認することができ、入社に対するモチベーションを高めることができるでしょう。

⑦社内報送付

 内定者フォローの一環として、社内報を内定者にも送付する企業が増えています。社内報を送付することで、内定者はより多くの会社の情報に触れることができ、その理念や事業内容などへの理解を深めることができるようになります。

 内定者にとっては見慣れないワードが多くなるかもしれませんが、それに対する回答を行うことで、入社前から共通言語をつくってコミュニケーションコストを下げることができるといったメリットもあります。

⑧職場見学

 インターンシップや会社セミナーといった選考段階でも活用されることが多い職場見学ですが、内定者フォローの手段としても活用することができます。職場見学では、実際に働くことになる職場に出向いて、働いている人の様子を見たり、話を聞いたりすることができるため、より具体的に働くイメージを湧かせることができます。

 職場見学をした後には、学んだことの振り返りや質問などをする機会を設けることで、より学びを定着させ、入社後の育成にも活用することができます。

⑨アルバイト

 実際にアルバイトとして採用して、働いてもらうことも内定者フォローとして有効です。学生と会社といった関係に留まるのではなく、従業員として実際の業務を行ってもらうことで、仕事の楽しさや難しさなどを感じてもらうことができます。アルバイトは給与が発生するため、内定者自身も責任感が芽生えてより積極的に仕事に取り組むことができるようになります。

 内定者アルバイトを実施する際には、単純作業をこなしてもらうだけではなく、仕事の全体像を感じてもらえるような役割も与えることで、自分が働くことへのイメージを湧かせやすくなります。また、従業員をメンターとして付けることで、コミュニケーションの量を増やすことができ、会社との間の信頼関係を築けるようになるでしょう。

⑩通信教育

 内定者フォローの方法として、通信教育を活用する場合もあります。入社後に必要となるビジネスマナーや基本的なビジネスの知識を通信教育で学んでもらうことで、入社後の戦力化を早めることができるようになります。内定者自身も、入社していきなりビジネスパーソンとしての基準を求められるのではなく、事前に準備することができると不安を軽減することができます。

 ビジネスマナーやビジネス知識などの学習機会を提供している外部の研修サービス事業者に委託するとともに、eラーニングによる学習なども実施することができます。他の内定者フォローと組み合わせて実施することで、学習効果をより高めることができるでしょう。

 一方で、こういった通信型での教育を取り入れる際には、実際にどれくらい進捗が進んでいるかやスキルが身についているかは、定期的にモニタリングや、内定者とコミュニケーションを取る事が必要です。

⑪合宿研修

 内定者フォローとして、合宿研修を実施している企業もあります。合宿研修とは、宿泊を伴う内定者研修のことを指しており、ビジネスマナーや基本的な業務知識の習得を促進するものです。合宿研修は普段とは異なる環境で研修を行うことになるため、内定者の大きな意識変革や行動変化につながりやすいといったメリットがあります。

 一方で、合宿研修はコストや労力がかかるものであるため、しっかりと計画や準備を行う必要があります。合宿研修を通して、どのような状態になってほしいのか、どのようなことを伝えたいのかといったことを明確にしておきましょう。


内定者フォローを行う際の注意点

 内定者フォローを行う際には、いくつか注意するべきポイントがあります。内定者フォローで注意するべき点について理解しておくことで、内定者フォローの効果を高めることができます。ここでは、その注意点について代表的なものをご紹介します。

手段先行にならない

 内定者フォローの手段は様々なものがありますが、何を実施するにしろ手段先行にならないことが大切です。懇親会や座談会、面談なども、それを通じて内定者にどのような状態になってほしいのかといったゴールを明確にすることが大切です。ゴールや目的を明確にしないと、「実施したはいいが効果はなかった」といった状態になりやすくなるため、人事やフォロー担当者などがゴールに対する共通認識を持っておくことが重要です。

定期的な接触機会を設ける

 内定辞退を防ぐために企業が取るべき対策についてご紹介する中で、イベントフォーカスマネジメントの考え方をお伝えしましたが、定期的な接触機会を設けることは内定者フォローにおいて非常に重要です。多くの場合が一度施策を実施して満足して、その後放置してしまっています。

 しかし、内定から入社までは長い時間が空くことが多いため、その間に内定者の気持ちが変わってしまう可能性が高いことに注意が必要です。入社までしっかりと会社の魅力を感じてもらい、入社後の活躍を見越すためには、定期的に内定者と接触する機会を設けることが大切です。

時には決意を固められるようにする

 内定者フォローは、しばしば「内定者のご機嫌をとること」といったイメージをされることがありますが、時には内定者に入社の決意を問うコミュニケーションをすることも大切です。多くの内定者は、入社後にどのような働き方ができるのか、自分は活躍できるのかを不安に思っています。

 内定者に寄り添いながらサポートすることも大切ですが、しっかりと内定者が自分の決断に自信を持てるように、その背中を押す関わり方をすることで、内定者は自分で決断したことに責任を持てるようになります。


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 これまで、会社と個人の関係は、お互いを拘束し合う相互選択の時代にありました。しかし最近は、お互いが選び、選ばれる相互選択の時代となっております。採用の形の変化や、働き方の多様化、転職を行う人の数が増えてきました。以前よりも自由に選択できるようになった一方、選ばれる会社・個人になるために、企業が主導し従業員の育成を行うことや、個人が主体的に世の中の変化に対応した、学び直しをする必要性が急速に広まっています。

 こういった背景を鑑みると、優秀な人材を採用し入社まで導くためには、内定者が入社後にギャップを感じないようなフォローをしていくことは必須です。

 弊社リンクアカデミーは「あなたのキャリアに、本気のパートナーを」をミッションに掲げて個人が「学び」を通じ自らのキャリアを磨き上げられるようなソリューションを展開しております。自らのキャリアを考え入社を選択した内定者や新入社員の方が、企業の中で働きがいを感じ、貢献できる人材になるための、内定者研修や新入社員研修などを提供しております。

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内定者フォローに関するよくある質問

Q1:内定者フォローとは?

A1:内定者フォローとは、企業が採用した応募者が実際に入社してくれるようにフォローやサポートを行うことを指します。リクルートの就職みらい研究所が実施した調査では、「メール・電話による定期連絡をする」「内定者懇親会へ招待する」などの内定者フォローを実施している企業が多くあることが分かっています。内定者フォローを実施することで、内定辞退を防止するとともに入社後の早期離職も防止することができます。

Q2:内定者フォローを実施する際のポイントは?

A2:内定者フォローの効果を高めるためには、「イベントフォーカスマネジメント」の考え方を意識すると良いでしょう。イベントフォーカスマネジメントとは、人のモチベーションは放置しておくと低下していくため、定期的にモチベーションを高めるきっかけを与える必要があるといった考え方です。内定者研修や面談、懇親会なども一度実施するだけではなく定期的な接触機会を設けることを念頭に置いて設計することが大切です。


まとめ

 いかがでしたでしょうか。採用活動は企業の10年後の未来をつくる取り組みとも言われています。そのため、内定者がしっかりと入社の意思を固めて、会社で活躍できるような内定者フォローを行うことは、企業にとって重要なテーマであると言えます。内定者フォローは内定者の目線に立ってサポートするとともに、時にはその決意を固めるためにリードすることも必要です。本記事での情報もご参考に、自社に合った内定者フォローをご検討ください。

稲冨 健太
稲冨 健太
佐賀県出身。名古屋大学理学研究科にて物理を専攻。「伝統工芸」や「ものづくり」を応援したいという想いで、組織コンサルティング会社に就職し理念浸透・人事制度設計・人材育成・マネジメントなどに従事。独立後、中小・ベンチャー企業へのコンサルティングや商品開発の経験を基に精力的にライティング活動を実施。

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