新人教育はどのように進める?目的や効果を出すポイント、具体的な手法をご紹介
目次[非表示]
- 1.新人教育の目的・重要性とは
- 2.企業が新人教育の実施で得られるメリット
- 2.1.新人の生産性を向上できる
- 2.2.新人の早期離職を防止できる
- 2.3.教育担当者のスキルアップができる
- 2.4.新人が会社の未来を作る
- 3.新人教育におけるよくある失敗例
- 3.1.スキルのみを育成しようとしている
- 3.2.コミュニケーションが少ない
- 3.3.心理的安全性が担保されていない
- 3.4.新人の価値観やビジョンを聞き出していない
- 4.新人教育で即戦力・離職防止を図るためのポイント
- 4.1.新入社員が安心して働ける環境を作る
- 4.2.業務の意義ややりがいを伝える
- 4.3.業務の目的・背景を理解してもらう
- 4.4.新入社員の目的や価値観を把握する
- 4.5.社員の特性に合わせて柔軟に行動する
- 4.6.「できていたこと」を評価する
- 4.7.チェックシートなどで振り返りと改善を行う
- 5.新人教育で活用される代表的な手法
- 6.法人研修のことならリンクアカデミー
- 7.新人教育に関するよくある質問
- 8.まとめ
新しいメンバーを迎える際には、十分な教育を行うことが重要です。新人教育は、新入社員が職場で必要とされるスキルを身につけ、効率的に業務に取り組めるようにするために欠かせません。また、十分な新人教育を行うことで、組織に適応するのを助け、長期的にチームの生産性や成果を向上させることができます。この記事では、そんな新人教育について、その目的や効果を出すポイントについてご紹介します。
新人教育の目的・重要性とは
新人教育とは、入社して間もない新入社員に対して行う教育のことを指します。多くの企業が、「新人の即戦力化」や「新人の早期離職の防止」を課題として抱えています。そういった課題に対する解決策の1つとなるのが、新人教育の充実です。
新人教育を行う際の大切な考え方として、「体系的で効果的な人材育成を行う」といったことが挙げられます。新人教育というと、「ビジネスマナーを身につける」、「業務の全体像を知る」、「コミュニケーションスキルを向上する」というように様々なテーマがあり、どれから手をつけるべきか迷うことがあります。
これらをまとめて整理し、体系的な新人教育を行うことで、即戦力化や早期離職の防止につながります。では、「体系的」とはどのような意味なのでしょうか。
ここで、弊社が経済産業省より受託した平成17年度「社会人基礎力に関する調査」として、社会人に求められる基礎力に関する調査を行った結果を通して作成した、「人材要件フレーム」をご紹介します。ビジネスパーソンに求められる能力や資質として、以下のように分類することができます。
(参考:人材要件フレーム)
この人材要件フレームに沿ってスキルアップやスタンスの向上などを行うことで、体系的かつ効果的な新人教育を行うことができます。
(こちらもチェック:「人材育成とは?人材育成の目標・考え方・設計方法を解説」)
企業が新人教育の実施で得られるメリット
新人教育は、企業にとってパワーや時間がかかるものです。しかし、新人教育を行うことで、企業は大きなメリットを得ることができます。ここでは、企業が新人教育を行うことで得られるメリットについて、代表的なものをいくつかご紹介します。
新人の生産性を向上できる
新人教育を実施することで得られるメリットとして、新人の生産性を向上することができることが挙げられます。新人教育を体系的に行うことで、新人は抜け漏れなく網羅的にスタンスの向上や業務知識・スキルの習得を行うことができます。
新人教育を実施していない場合には、新人は新しい仕事に直面する度にその都度対応をすることになります。ベースとなる姿勢や知識を習得していない場合には、バラバラに学習を行うことになるため、効果的なスキルアップを実現することが難しくなります。また、周囲の先輩社員や教育担当者にとっても、新人それぞれに1から教育を行うことになるため、自分の業務を行っている中では負担が大きくなります。
新人教育では、ベースとして持つべきスタンスやスキルを体系的に学んでもらうことができます。そのため、新人教育を行うことで、新人はある程度網羅的に業務の内容や、業務に向き合う姿勢を学ぶことができるため、結果として仕事の生産性を向上することができるでしょう。
新人の早期離職を防止できる
新人教育を行うことで、新人の早期離職を防止できるということも、メリットとして挙げられます。新人が3年以内に離職する割合は、厚生労働省の調査によると過去10年間で高卒は40%程度、大卒は30%程度で推移していると分かっています。
(出典:厚生労働省「新規学卒者就職率と就職後3年以内離職率」)
早期離職は恒常的な企業の課題であり、早期離職の防止は企業の人事戦略における大きなテーマであると言えます。早期離職が生じた場合には、採用や育成にかけた時間的、金銭的なコストが無駄になってしまいます。新しく社員を採用したとしても、風土に馴染んだり仕事を覚えたりといった過程がやり直しになってしまうため、経営・現場ともに負担が大きくなるでしょう。
新人教育を行うことで、新人は仕事を覚えて自分の成長を感じられるとともに、コミュニケーションの中で会社に対する帰属意識が高まることになります。その結果、その会社で働き続けて成長することへの意欲を高めることができるため、早期離職を防ぎ、長い期間で活躍してもらいやすくなることが期待できます。一方、仕事のやり方やそのためのスキルがないまま現場に配属されると、新人はできないことに対する罪悪感やモチベーションの低下で、組織に対して孤独感を感じてしまいます。できることを少しでも増やすことでコミュニケーションも取りやすくなるのです。
教育担当者のスキルアップができる
新人教育を実施することで、新人のスタンスの向上やスキルアップといったメリットを得られるだけではなく、新人の教育担当者もスキルアップをすることができます。新人教育担当者は、新人がしっかりと成長して活躍できるように、知識やスキルの提供とともにコミュニケーションの中で精神的な支援などを行うことになります。
その中で、人に教えることの難しさや人を動かすために必要なことを学ぶことになります。このような壁や課題にぶつかりながらも、新人と一緒に乗り越えていくことで、人間的に大きく成長することがで期待できます。また、人に教えることで自分の中でも知識やスキルを再確認して、自身の業務のパフォーマンスも向上することができます。
新人教育の担当者であるといった自負や周囲からの期待から、責任感も大きくなり、よりビジネスパーソンとしての立ち振る舞いが洗練されていくでしょう。
新人教育担当者に対してもしっかりと周囲からのサポート体制を充実させることで、新人と教育担当者どちらもより活躍できる機会を提供することができます。
新人が会社の未来を作る
経営戦略の観点でいくと、企業の5〜10年後は新卒採用のレベルによって決まるといわれています。数年後の会社のリーダー層や次世代経営者を担う人材育成の第一歩として、新人教育は非常に影響力のあるテーマです。そのため、新人教育には人事部だけでなく、経営層も含めて企業側が主体となって育成マップを描いていくべきです。
新人教育におけるよくある失敗例
新人教育を行うことで、企業は多くのメリットを得られることをご紹介しました。しかし、新人教育で失敗をしてしまうと、その効果を発揮することができずに、メリットも得ることができません。ここでご紹介するよくある失敗例を確認しておき、事前に失敗を防ぐことができるようにしましょう。
スキルのみを育成しようとしている
新人教育でよくある失敗として、「スキルのみを育成しようとしている」といったことが挙げられます。「スキルを向上させるのが新人研修」といったイメージもあるため、意外かもしれません。しかし、先述した人材要件フレームでは業務上で必要な専門知識やスキル(テクニカルスキル)は、ピラミッドの中で上位に位置しています。
(参考:人材要件フレーム)
その下にはリテラシーやポータブルスキル(業界や業種を問わず必要とされるスキル)、そしてスタンス、ポテンシャルがあります。下に位置しているものが上位のスキルを支えている構造になるため、スタンスなどを育成していない場合には、知識やスキルのみを提供しても受け皿がない状態になりやすい傾向があります。
そのため、スキルだけではなくスタンスについてもしっかりと育成することで、より効果的な新人教育を実施できます。
また、テクニカルスキルやリテラシーを向上させる際に大事な観点として、「知っている」と「できる」は違うということが言えます。知識を知っていることに加え、現場に配属された際の業務にどのように接続されるかという、アウトプットイメージを持ちながら研修を行うことで、スキルの定着度は大きく変わってきます。
コミュニケーションが少ない
新人教育でよくある失敗として、「コミュニケーションが少ない」といったことも挙げられます。新人教育でスキルのみを育成しようとしている場合にはよく見られるケースなのですが、課題やタスクを出した後にその間のコミュニケーションが少ない、または無い場合には注意が必要です。
新人教育では、スキルのみを向上するのではなく、会社に対する帰属意識や、「ここで頑張りたい」といったモチベーションも向上する必要があります。モチベーションが高まらない場合には、会社にいる意味を感じづらくなり、その後活躍しづらくなったり、早期に離職したりといった状況に陥りやすくなります。
新人教育を実施する中では、仕事に関することだけではなく、雑談などのコミュニケーションを多く取ることで、その効果を高めることができます。
心理的安全性が担保されていない
心理的安全性が担保されていないといったことも、新人教育でよくある失敗であると言えます。心理的安全性とは、組織の中で自分の意見や考えが受け入れられると感じているかどうかを示す言葉です。心理的安全性がない場合には、新人は「自分の発言は間違っているのではないか」「自分が話しても意味がないのではないか」といった考えが大きくなり、積極的な発言や提案がしにくくなります。
その結果、能動的な活動をすることができずに、新人教育の効果が高まりきらないことがあります。どのような意見でも受け入れられる風土を伝えることで、心理的安全性を感じられるようにしましょう。
新人の価値観やビジョンを聞き出していない
新人教育でよくある失敗として、新人の価値観やビジョンを聞き出していないといったことも挙げられます。新人教育では、「教える」「伝える」といったことを重視しがちですが、しっかりと「聞く」「理解する」といったことも、新人教育の効果を高めるためには大切です。
特に、新人がどのようなキャリアイメージや夢を持っているのかについて把握しておくことで、教育の中でのコミュニケーションの取り方や、教育後の配属を工夫することができます。新人にとっても、自身のビジョンや価値観を聞いてもらい、理解してもらえることで、「自分の考えを大切にしてくれる」といった意識が芽生えやすくなります。
新人の価値観やビジョンを把握するためには、以下のように「やりたいこと」と「やるべきこと」、「やれること」の3つを中心に情報収集と整理をすることで、網羅的に確認することができます。
(参考:新人のビジョンを整理する3つの輪)
新人教育で即戦力・離職防止を図るためのポイント
新人教育を実施して、新人の即戦力化や離職防止を図るためには、いくつかのポイントがあります。ここでは、そのポイントについて代表的なものをご紹介します。
新入社員が安心して働ける環境を作る
新人教育の効果を高めるポイントとして、新人が安心して働ける環境をつくるといったことが挙げられます。新人は、新しい環境に入ってきている中で初めて会う人たちと、初めての仕事を経験することになります。そのため、新人は他の人には分かりづらい心配や不安を抱えていると言えます。
「忙しそうだからわからないことを聞けない」、「同じことを質問したら怒られるかもしれない」といった不安を抱えて行動ができないままでは、新人は自分の能力や才能を発揮することが難しくなります。そうなると、新人教育自体の効果も高まりきらなくなる可能性があります。
新人が安心して疑問や懸念を解決できるように、普段からコミュニケーションの機会を増やしておき、オープンでフランクな姿勢を意識しておきましょう。そうすることで、新人は職場の人たちと関わりやすくなり、安心して働くことができるようになります。
業務の意義ややりがいを伝える
新人教育の効果を高めるためには、業務の意義ややりがいを伝えることもポイントです。業務の意義ややりがいを感じることができない場合には、新人は自分がなぜ仕事をしているのかといった意味を感じることができなくなり、仕事に対するモチベーションも低下してしまいます。
業務の意義ややりがいを伝えるためには、以下のように「ラダー効果」を活用すると良いでしょう。ラダー効果とは、「抽象のハシゴ」とも呼ばれており、仕事を手段・目的・意義の段階で抽象度を上げていく手法です。
(参考:モチベーションを高める「ラダー効果」)
ラダー効果を活用して、仕事の手段だけではなく、その意義まで整理して伝えることで、仕事に対するモチベーションを高めることができるでしょう。
業務の目的・背景を理解してもらう
業務の目的・背景を理解してもらうことも、新人教育の効果を高めるためのポイントです。新人は初めての仕事に取り組む中では、その目的や背景が理解し切れないことがあります。仕事の目的・背景が理解できていないままでいると、「何のためにこの仕事があるのか」が分からずに、期待していたものとは違う方向性で業務を遂行することになります。
そのため、新人教育をする中では、業務の1つ1つでその目的・背景を共有して、理解・納得してもらう必要があります。工数がかかるように感じるかもしれませんが、目的に立ちかえることができるようになると、結果として業務の効率や生産性が向上し、チーム全体のメリットとなります。
(参考:目的に立ちかえることの重要性)
新入社員の目的や価値観を把握する
先述した新人教育のよくある失敗の中でも、「新人の価値観やビジョンを理解していない」と、新人教育の効果が高まらないということをお伝えしました。逆にいうと、新人の価値観やビジョン、目的などを把握することで、新人教育の効果を高めることができます。
新人教育では、教育側が知識やスキルを提供する、「伝える」場面が多くなりますが、これと同じレベルで、新人の考えや価値観を「聞く」ことも重要です。新人の目的や価値観を理解しないままに仕事を教えていると、「この人たちは自分のことを分かってくれていない」といった気持ちを抱えることになり、その後の注意や指導なども受け入れづらくなる可能性があります。
そのため、新人の目的や価値観を聞くことは、「面倒なこと」ではなく、良好な関係性を築いてお互いに成長できる土台をつくるための「必要なこと」であることを意識しておきましょう。
社員の特性に合わせて柔軟に行動する
新人の特性に合わせて柔軟に行動することも、新人教育の効果を高めるためには大切です。新人の特性やタイプを把握して、それに沿った関わり方やコミュニケーションの取り方をすることで、より新人が自分の能力を発揮しやすい環境をつくることができます。
新人の特性に合わせずに画一的な指導やコミュニケーションの取り方をしていると、ある程度の知識やスキルは身につくかもしれませんが、採用の時点で期待していたであろう個性や能力の発揮はしづらくなる可能性があります。
新人の特性を把握するためには、以下のようなモチベーションのタイプの観点を活用することをおすすめします。
(参考:モチベーションタイプ)
人のモチベーションのタイプは、「アタック」「レシーブ」「シンキング」「フィーリング」の4つのタイプに分けることができます。アタックタイプは自分の力で新しい物事に挑戦していく気質であり、レシーブタイプは周囲の期待に応えてサポートをする気質です。また、シンキングタイプは合理的な判断を好み、フィーリングタイプは感覚的な判断を好みます。
新人がどのタイプの傾向が強いのかを把握しておくことで、関わり方を工夫して、より新人教育の効果を高めることができます。
また、スタンス面だけではなく、リテラシースキルやテクニカルスキルについても、新人によって入社時の現状には個人差があります。こういったスキル差に合わせて新人教育のレベルを分けることも、より教育の効果を増加させることにつながります。
「できていたこと」を評価する
新人教育の効果を高めるためには、「できていないこと」のみにフォーカスするのではなく、「できていること」を評価することが大切です。しばしば、「フィードバックは欠点を指摘するものである」といったイメージを持っている人がいます。しかし、もともとフィードバックは評価やアドバイスをすることを指しているため、注意や指導をするだけがフィードバックではありません。
ただでさえ新人はできないことが多い状態であるため、それのみを指摘されると仕事へのモチベーションが低下してしまいます。そのため、できるようになったこと、できていたことにもしっかりと評価や賞賛を与えることで、新人教育の効果を高めることができます。
(こちらもチェック:「フィードバックとは?本来の意味や目的は?効果的な方法も解説」)
チェックシートなどで振り返りと改善を行う
効果的な新人教育を行うためには、振り返りと改善のサイクルを回すことが大切です。そもそも、効果的な活動には「診断」と「変革」のステップを繰り返しているといった特徴があります。診断とは、現状がどのような状態であるのかといったことを明らかにすることを指します。そして、変革とは、診断で発見した課題に取り組んで変化を生み出すことを指します。
この診断と変革のサイクルを回していくことで、より良い方向へ新人教育を進めていくことができます。そのため、まずは新人として身につけてほしい姿勢やスキルを項目としたチェックシートなどを準備して診断を行い、教育担当者とともにどのような変革を行っていくのかを決定することで、新人教育の効果を高めることができます。
この際には、アナログな管理方法ではなくデジタル技術を活用した管理方法を採用することで、振り返りやアクションの進捗管理などをタイムリーかつ効率的に行うことができるでしょう。
(こちらもチェック:「DX人材の育成方法 成功に必要な役割とスキルを徹底解説」)
新人教育で活用される代表的な手法
新人教育には様々な手法が活用されています。新人教育の効果を高めるためには、先述したポイントをおさえるとともに、自社に適した方法を組み合わせて実施することが大切です。ここでは、新人教育で活用されている手法について、代表的なものをご紹介します。
①Off-JT
Off-JTとは、「Off-the-Job Training」を略したものであり、普段の職場から離れて教育・訓練を行うことを指します。Off-JTを行うことで、現場での指導ではバラついてしまう知識やスキルの提供を、ある程度体系的に行うことができます。Off-JTは研修やセミナーのようなものもあれば、eラーニングのようなものもあるため、自社に合ったものを選びましょう。
(こちらもチェック:「Off-JTとは?OJTとの違いや必要性・使い分け方について解説」)
②OJT
OJTは「On the Job Training」を略したものであり、通常の業務を通じて先輩社員や上司から指導を行う育成方法のことを指します。OJTは一般的な「教育」としてよくイメージされており、活用している企業も多く見受けられます。OJTを実施することで、新人に対して密なコミュニケーションの中で指導を直接行うことができます。
(こちらもチェック:「OJTとは?目的・メリット・デメリットとOFF-JTとの違いを解説」)
(こちらもチェック:「OJT研修とは?概要や目的、効果を高めるポイントをわかりやすく解説」)
③集合研修
集合研修とは、同じ場所に講師や研修受講者を集めて対面形式で実施する研修の形態のことを指します。新型コロナウイルスが蔓延した昨今では、非接触での研修を実現するためにオンライン研修の実施も増えています。集合研修をすることで、普段の業務で必要な知識やスキルを体系的に学ぶことができるとともに、講師や他の受講者との議論も活発に行うことができるため、学習効果を高めることができます。
(こちらもチェック:「集合研修とは?オンライン研修との比較や、メリット・デメリットを徹底解説」)
④メンター制
メンターとは、「指導者」や「助言者」といった意味で使われている言葉です。ビジネスシーンでもよく用いられている言葉であり、メンターは担当するメンティー(指導を受ける人)がキャリア形成の中で生じる課題や問題を乗り越えられるようなサポート、アドバイスを行います。メンターはメンティーの成長を促進する役割であり、メンターの存在によりメンティーは精神的・心理的な安心感を得ることができます。
メンターは一般的にはある程度社会人経験や勤続年数が長い人が担当することが多いため、4年目〜10年目の従業員がメンターとして活動することが多いです。メンター制では、メンティーとのコミュニケーションを密に行うことが多いため、精神的な支援をメンティーが受けることができるといったメリットがよく注目されていますが、メンター自身もメンティーとの関わりの中で成長することができるといった点も重要です。
そのため、企業によってはメンターとしての成長を見込んで、若手社員が新人のメンターを行う場合もあります。自社の状況に応じて、メンターにする人を選定すると良いでしょう。
(こちらもチェック:「メンターとは?意味や役割、導入効果やポイントを徹底解説」)
法人研修のことならリンクアカデミー
新人教育は、企業の人材育成マップを描いていく上でも重要な要素であるとともに、その企業を選択した新人にとっても、働いていくための基盤作りになります。企業側がしっかりと教育を設計し、主体的に考えていくことで、長期的に組織エンゲージメントを向上していくことにもつながります。
また、昨今のDX化の潮流の中で、個人のITリテラシーの底上げが急務とされる中、経営層が主体となって人材育成の方向性を描いていくことによってDXが実現され、企業の競合優位性を持つことができます。
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新人教育に関するよくある質問
Q1:新人教育とは?
A1:新人教育とは、新しく会社に入社した社員に対して行う教育のことを指します。一口に新人教育と言っても、業務に必要な知識やスキルを提供するのではなく、より汎用的に使えるポータブルスキルを身につけてもらったり、仕事をする上で大切なスタンス・姿勢を習得してもらったりと、その育成対象は様々です。体系的な新人教育を行うことで、より新人の即戦力化を望めるとともに、早期離職を防止することができるようになります。
Q2:新人教育を行うメリットは?
A2:新人教育を行うメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
■新人の生産性を高めることができる
新人教育では、ベースとして持つべきスタンスやスキルを体系的に学んでもらうことができます。そのため、新人教育を行うことで、新人はある程度網羅的に業務の内容や、業務に向き合う姿勢を学ぶことができるため、結果として仕事の生産性を向上することができるでしょう。
■新人の早期離職を防止できる
新人教育を行うことで、新人は仕事を覚えて自分の成長を感じられるとともに、コミュニケーションの中で会社に対する帰属意識が高まることになります。その結果、その会社で働き続けて成長することへの意欲を高めることができるため、早期離職を防ぎ、長い期間で活躍してもらいやすくなることが期待できます。
■教育担当者のスキルアップが期待できる
新人の教育担当者は、人に教えることの難しさや人を動かすために必要なことを学ぶことになります。新人と一緒に乗り越えていくことで、人間的に大きく成長することがで期待できます。また、人に教えることで自分の中でも知識やスキルを再確認して、自身の業務のパフォーマンスも向上することができます。
Q3:新人教育を進めるポイントは?
A3:新人教育を進めるためには、まずは新人に教育の後にどのような状態になってほしいのかといったゴールを明確にすることが大切です。その上で、どのようなカリキュラムが必要であるのかを検討して、OJTやOff-JTといった手法を組み合わせて実施します。また、定期的に効果検証を行うことで、新人教育の効果をより高めるための軌道修正を行うことができます。
まとめ
新人教育は多くの企業が取り組んでいるものであり、また多くの企業が頭を悩ませながら実施をしているものです。新人教育の効果を高めることで、新人の即戦力化や早期離職防止を実現することができます。新人教育で大切なのは、新人にどのような状態になってほしいのかといったゴールを明確にするとともに、スキルやスタンスについて体系的な教育を実施することです。新人教育は手段先行にならずに、しっかりと新人に寄り添って実施することで、結果としてその効果を高めることができます。