Off-JTとは?OJTとの違いや必要性・使い分け方について解説
目次[非表示]
- 1.Off-JTとは?OJTとの違いは?
- 1.1.Off-JTの意味
- 1.2.Off-JTとOJTの違い
- 1.3.Off-JTとSDSとの違いは?
- 2.Off-JTの必要性とは
- 2.1.理由①:企業の世代交代への適応
- 2.2.理由②:VUCA時代への適応
- 3.Off-JTの活用シーンは?
- 4.Off-JTのメリット・デメリット
- 4.1.Off-JTのメリット
- 4.2.Off-JTのデメリット
- 5.Off-JTの効果を高めるには?
- 5.1.研修内容を充実させる
- 5.2.従業員のニーズに合わせた研修を設計する
- 6.OJTとOff-JTの使い分け方
- 6.1.OJTとOff-JTは組み合わせて実施する
- 6.2.サポート体制づくり
- 7.Off-JTがうまくいかない理由は?
- 8.従業員研修ならリンクアカデミー
- 9.リンクアカデミーの研修導入事例
- 10.記事まとめ
- 11.Off-JTに関するよくある質問
企業において従業員の育成は商品・サービスのクオリティを向上し、顧客から選ばれるためにも必要不可欠なものです。その従業員の育成施策にまつわる言葉として、OJTと共にOff-JTというワードもよく耳にするのではないでしょうか。OJTとOff-JTにはそれぞれ特徴があり、両方を活用することで育成効果は高まります。本記事ではOJTとOff-JTそれぞれの特徴や使い方、組み合わせ方をご紹介します。
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Off-JTとは?OJTとの違いは?
Off-JTの意味
Off-JTとは、「Off-the-Job Training」を略したものであり、普段の職場から離れて教育・訓練を行うことを意味します。Off-JTの内容としてよくイメージされるものは講師を招いた研修やセミナーですが、通信教育やeラーニングを活用した学習も含まれます。
主に業務で必要な知識や社会人としてのマナーなどを学ぶことを目的として、基本的には企業が費用を負担して実施されます。厚生労働省が発表した「能力開発基本調査」によると、例年調査対象企業の50%程度がOff-JTに費用を支出しており、従業員1人あたりの平均額は1万円〜2万円程度だと分かっています。
(参考:OFF-JTに費用支出した企業割合の推移、 出典:厚生労働省 能力開発基本調査)
Off-JTとOJTの違い
OJTは「On the Job Training」を略したもので、普段の職場で行う教育・訓練を指します。Off-JTが研修やセミナー、学習プログラムを通じて実施されるのに対して、先輩や上司が実際の業務を通じて必要なスキルや知識を向上させる育成方法です。
OJTとOff-JTには主に「目的」「育成する内容」「方法」「場所」「期間」で違いがあるため、簡単に表で確認してみましょう。
項目 |
OJT |
Off-JT |
目的 |
アウトプット中心 |
体形的なインプット |
育成する内容 |
・特定の業務に対する知識やノウハウ ・特定の顧客との関わり方 |
・業務全般に対して 必要な知識やノウハウ ・業界の基本的な情報や最新の動向 ・ビジネス上で基本的なマナー ・マネジメントスキル ・コミュニケーションスキル |
方法 |
職場の先輩や上司からの指導 |
・集合型/個別研修 ・セミナー ・通信教育 ・eラーニング |
場所 |
職場内 |
職場外 |
期間 |
・3〜6ヶ月程度 ・必要に応じて延長 |
・1〜3日間程度 ・企業の定めるタイミングで実施 |
新型コロナウイルスの流行後には特に「場所」はオンラインも活用されるようになっています。
▼OJT研修について詳しくはこちら:「OJT研修とは?概要や目的、効果を高めるポイントをわかりやすく解説」
Off-JTとSDSとの違いは?
SDS(Self Development System)とは、自己啓発システムのことです。自己啓発は、自分自身の能力を高め、自分自身を成長させることを目的としています。
SDSは、自己啓発のための学習プログラムであり、自己啓発に必要な様々なスキルや知識を身につけることができます。
SDSはあくまで自己啓発であり、自発的に取り組むものですが、Off-JTは多くの場合会社側から機会が提供されるものです。
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Off-JTの必要性とは
「能力開発基本調査」では下のグラフのように、例年70%程度の事業所が正社員に対してOff-JTを実施していることが示されています。
(参考:正社員に対してOFF-JTを実施した事業所割合の推移、出典:厚生労働省 能力開発基本調査)
このように多くの企業が実施しているOff-JTには、どのような必要性があるのかを見ていきましょう。
理由①:企業の世代交代への適応
2021年版「中小企業白書」では、2000年に経営者年齢のピーク(最も多い層)が「50歳~54歳」であったのに対して、2015年には経営者年齢のピークは「65歳~69歳」となっており、経営者年齢の高齢化が進んできたことが示されています。
これに伴い事業承継が2025年問題に対する大きなテーマと言われており、経営者や経営幹部の世代交代が必要になっています。
(出典:年代別に見た中小企業の経営者年齢の分布)
世代交代の候補になる中堅社員に対してOJTのみでは十分に経験をしきれないため、Off-JTによる体系的な育成の必要性が高まっています。
理由②:VUCA時代への適応
加えて、昨今はテクノロジーの発達により社会やビジネスなどあらゆるものを取り巻く環境が変化しています。VUCAとは「Volatility:変動性」「Uncertainty:不確実性」「Complexity:複雑性」「Ambiguity:曖昧性」の4つの頭文字をとったものであり、将来の予測が困難になっている状況のことを意味する造語です。(参考:「VUCA(ブーカ)とは?生き抜く方法と必要なスキルを解説」)
VUCAの時代に適応するためによりスピーディーで効果的な人材育成が必要となっており、その背景からOff-JTは求められています。
Off-JTの活用シーンは?
新入社員研修
Off-JTは新入社員に対する研修でも実施されています。Off-JTを活用することで、普段の業務の中で意識することが大切な企業理念やビジョン、基本的なマナーやコミュニケーションスキルを身につけることができます。
職場内での業務に集中することができるよう、外部の研修施設で研修を行うことが多く、集中して学ぶことができます。
リーダー研修
Off-JTは、リーダーとしてのマネジメントスキルを高めるためにも有効です。特に、職場内での研修では学びにくい他企業の事例や、別の業界の知識を学ぶことができます。また、職場外での研修は、日常業務では得られない刺激を与えてくれることもあります。
たとえば、Off-JTでの研修を通じて、リーダーシップの様々な側面について学ぶことができ、多角的な視点からメンバーマネジメントなどを実施することができます。
技術研修
Off-JTは、技術研修の場合にも有効です。例えば、新しいソフトウェアやツールの導入に伴って、グループで新しいスキルを身につけるための研修を実施することができます。また、新しい技術や知識を導入するための研修も、外部の専門機関や研究機関でのOff-JTが有効です。
また、Off-JTによって、従業員は新しいスキルを身につけるだけでなく、自分たちのアイデアや知識を共有する機会を得ることができます。
Off-JTのメリット・デメリット
Off-JTのメリット
・習得する知識やスキルのばらつきを低減できる
OJTのみによる教育・訓練では教える人によって持っている知識やスキル、教え方などに違いが生じます。その結果教育される側の従業員も人によって習得する知識やスキルに差が出てしまい、全体としての生産性も低下してしまうリスクがあります。
Off-JTでは対象となる従業員が同じプログラムを通じて教育されるので、習得する知識やスキルが従業員によってばらつく可能性を抑えることが期待できます。
・定期的な学習機会を生み出せる
日常の業務をしている中では、個々人でスキルアップの機会を作り続けることが難しくなる場合もあります。企業側からOff-JTによる教育を行うことで、定期的に学習できる機会を生み出すことができ、継続的なスキルアップを促すことが期待できます。
特に、昨今のDX化推進に伴う事業戦略の変更への対応が求められる中では、会社全体を上げての ITスキルの強化の必要性が高まってきています。しかし、ITスキルは日進月歩で変化・進化をしていくため、自社内での育成は困難なケースが多いのが実情です。そのためOff-JTの効果が最大化されます。
Off-JTのデメリット
Off-JTのデメリットとしては、「実際の業務に活かすためには工夫が必要になる」ことが挙げられます。Off-JTでは基本的に汎用的な知識・スキルを教えることになりますが、実際の業務シーンでは状況によってそのまま適用できない場合が多くあります。
業務においてOff-JTで学んだことを活用できる場面が出てきた時には、周囲から活用を促したり、業務の振り返りをOff-JTで学んだ内容を元に行ったりすることが大切です。
▼OJTのメリット・デメリットについて詳しくはこちら:「OJTとは?目的・メリット・デメリットとOFF-JTとの違いを解説」
Off-JTの効果を高めるには?
研修内容を充実させる
Off-JTの研修内容は、従業員のスキルアップに直結するものであることが重要です。そのため、従業員が必要とするスキルや知識を網羅した内容にすることが求められます。また、研修内容には、実践的な内容を取り入れることも重要です。
例えば、ワークショップ形式での研修や実際のプロジェクトに取り組むことで、スキルの習得のみならず、実践的な経験を積むことができます。
従業員のニーズに合わせた研修を設計する
Off-JTの研修計画では、従業員のニーズに合わせた研修プログラムを策定することが重要です。先に記載の通り、研修プログラムは、従業員のスキルアップや成長に直結するものでなければなりません。そのため、従業員の実際の業務内容やキャリアプランに合わせたプログラムを用意することが求められます。
特に昨今では、個人が自身の働き方・キャリアを重要視する風潮が高まりつつあります。
また、従業員からのフィードバックを積極的に取り入れることで、研修計画の改善につなげることができます。
OJTとOff-JTの使い分け方
ここまでOJT、Off-JTそれぞれの特徴についてご紹介してきましたが、それぞれにメリット・デメリットがあることが分かったかと思います。そのため、OJTとOff-JTの特徴を加味した上で望ましい育成体系の実現に向けてそれぞれの活用を検討・実施することが大切です。
OJTとOff-JTは組み合わせて実施する
OJTとOff-JTは組み合わせることでそれぞれの効果を高めることができ、結果として従業員が身につける知識やスキルを効果的に高めることができます。基本的な組み合わせ方は下記のように「OJTとOff-JTを交互で繰り返す」形が多く見受けられます。
①Off-JTによる基本的な知識やスキルの習得
②現場での実践とOJTによるフィードバック
③業務やOJTでフィードバックされたことをOff-JTで振り返り、改善方法を体系的に学ぶ
④現場での実践とOJTによるフィードバック
この場合はOff-JTからスタートしていますが、「OJTで指導されたことをOff-JTで定期的に体系化や他の従業員とシェアをする」というようなOJTからスタートするパターンも有効です。
サポート体制づくり
OJTとOff-JTを組み合わせて育成効果を高めるためには、企業側からのサポート体制が不可欠です。企業側からのサポート体制としては、下記のようなものが挙げられます。
・Off-JTでインプットした内容を上司や先輩に共有し、育成のポイントをすり合わせる
・OJTでの学びもストックしてOff-JTで振り返る材料をつくるように促す
・学習したことを定着させるために、eラーニングを活用して日常的に学び直しができる仕組みをつくる
Off-JTがうまくいかない理由は?
Off-JTがうまくいかない原因には、次のようなものがあります。
1.研修内容が実用的ではない
Off-JTの研修内容が、従業員の実際の業務に直結していない場合、従業員は研修内容を無価値だと感じるかもしれません。
2.研修プログラムが従業員に合わない
Off-JTの研修プログラムが、従業員のニーズやレベルに合わない場合、従業員は研修内容を理解できず、研修効果が得られないかもしれません。
3.研修方法が従業員に合わない
Off-JTの研修方法が、従業員の学習スタイルに合わない場合、従業員は研修内容を理解できず、研修効果が得られないかもしれません。
4.研修プログラムの評価が不十分
Off-JTの研修プログラムの評価が不十分な場合、研修プログラムの改善点を見逃すことがあります。
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リンクアカデミーは「あなたのキャリアに、本気のパートナーを」をミッションに掲げて個人が「学び」を通じ自らのキャリアを磨き上げられる場を目指しています。
そのために
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・ネットワンシステムズ株式会社様
・東京建物株式会社様
・株式会社フロム・エージャパン様
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記事まとめ
Off-JTは、企業を取り巻く環境の変化に適応するためにその必要性が高まっています。また、OJTとOff-JTにはそれぞれメリット・デメリットがあり、効果的な人材育成のためには2つの特徴をしっかりと理解した上で組み合わせることが大切です。組み合わせたことで構築した育成体系を運用するためには、企業側からのサポートが不可欠です。更なる企業成長のために本記事でご紹介したことをご参考に育成体系をご検討ください。
Off-JTに関するよくある質問
Q. Off-JTの研修期間はどのくらいですか?
A. 研修期間は、プログラムや内容によって異なります。短いものであれば1日から、長いものでは数週間程度の期間を要することがあります。短期間の研修は、短時間で集中してスキルを身につけることができますが、長期間の研修はより多くの学習を行うことができます。
Q. Off-JTの研修費用はどのくらいですか?
A. 研修費用は、研修プログラムや研修施設によって異なります。一般的には、数万円から数十万円程度の費用がかかることが多いです。研修費用は、研修プログラムの内容や期間、参加者数によって異なるため、事前に確認することが重要です。
Q. Off-JTの研修は、どのような形式で行われますか?
A. Off-JTの研修は、講義、ワークショップ、グループディスカッション、模擬演習、実地訪問など、多様な形式で行われます。それぞれの方法でメリット・デメリットがあるため、Off-JT研修の目的に合わせて適切な形式を選ぶことが大切です。
Q. Off-JTの研修は、どのようなスキルを身につけることができますか?
A. Off-JTの研修は、リーダーシップスキルやコミュニケーションスキル、プロジェクトマネジメントスキルなど、職場で必要とされるスキルを身につけることができます。また、新しい技術や知識を習得することもできます。研修の内容によって異なりますが、ビジネススキルやマネジメントスキル、コンピュータースキル、語学スキルなど、職場で役立つ様々なスキルを身につけることができます。これらのスキルを身につけることで、自己成長につながり、仕事の幅を広げることができます。