コーチングとは?意味やメリット・デメリット、学び方を解説
目次[非表示]
- 1.コーチングの意味や役割とは?
- 1.1.コーチングが活用できる場面
- 2.コーチングと「カウンセリング」「ティーチング」の違い
- 2.1.コーチングとカウンセリングの違い
- 2.2.コーチングとティーチングの違い
- 3.企業におけるコーチングの必要性
- 4.コーチングのメリット・デメリットについて
- 4.1.コーチングのメリットや効果
- 4.2.コーチングのデメリット
- 5.コーチングを行うコーチ・トレーナーの役割とは
- 6.コーチングに必要なコーチ認定資格について
- 6.1.一般財団法人生涯学習開発財団認定資格
- 6.2.国際コーチング連盟認定資格
- 7.コーチングの学び方・身に付け方
- 7.1.①継続的に学ぶ
- 7.2.②実践して学ぶ
- 7.3.③コーチングを受ける立場になる
- 7.4.④資格を取得する
- 8.法人研修のことならリンクアカデミー
- 9.リンクアカデミーの研修導入事例
- 10.コーチングに関するよくある質問
- 11.まとめ
昨今では、目標達成や人材育成の手段としてコーチングを導入する企業が増えています。従来のティーチングによる指示や命令だけではなく、コーチングによる自発的な行動の促進などを行うことで、より企業や個人の価値発揮につなげることができます。
一方で、コーチングとカウンセリングの違いが曖昧であったり、具体的なコーチングの方法などの理解がなされていなかったりと、コーチングに対する知識に個々でバラつきがあるのが現状です。本記事では、コーチングの意味やメリット・デメリットなどをご紹介します。
コーチングの意味や役割とは?
コーチングとは、相手に対して正解を提示するのではなく、話に耳を傾けて必要に応じて質問や提案などを行い、相手がより良い行動ができるサポートを行うことを指します。元々、コーチングは「馬車」の意味を持つ「coach」という言葉から派生してできた言葉です。馬車は人や物を目的地まで送り届けることを目的として利用されてきた物であるため、コーチングにおいても相手が望んでいる目的や目標の達成を支援することをゴールとしています。
コーチングでは、主に相手の話を傾聴して相手の中にある答えを引き出すことを目的として行われます。その過程の中で、新しい気づきや視点をもたらしたり、考え方の選択肢を増やしたりといったことを行います。結果、双方向のコミュニケーションの中で、相手は自分なりに答えを出して行動を変えることができます。
コーチングが活用できる場面
コーチングは様々な場面で活用することができます。主にコーチングを活用することができる場面として、以下のようなシーンが挙げられます。
■キャリア形成
どのようなキャリア形成を行うのかについて考える際には、コーチングを活用することができます。個人としてどのようなビジョンを持っているかについてや、どのようなことに楽しみを感じるのか等について対話の中で確かめることで、相手の希望を整理をすることができます。
この点において重要なことは、あくまで相手の希望がゴールの大前提になるという点です。そのため、当人の顕在的に見える希望だけではなく、表面には出てきていない潜在的なニーズについても掴む必要があります。
■チームビルディング
コーチングはチームビルディングにも活用することができます。システムコーチングのように、2人以上の関係性や組織力を向上し、仕事での目標達成や環境変化への対応などを行う方法も現在注目されています。
■フィードバック
フィードバックを行うタイミングでも、双方向的なコーチングの実施が効果的です。一方的に問題を指摘するのではなく、相手から話や意見を引き出すことで行動変化につながりやすくなります。
(こちらもチェック:「フィードバックとは?本来の意味や目的は?効果的な方法も解説」)
コーチングと「カウンセリング」「ティーチング」の違い
コーチングとカウンセリングの違い
コーチングと似ているコミュニケーションスキルとして、「カウンセリング」が挙げられます。同様の意味に感じる両者ですが、その目的に違いがあります。
カウンセリングは、心理学でのアプローチやセラピーなどで実施されることが多いですが、その目的は基本的に「現在抱えている問題を解決し、マイナスをゼロにすること」です。カウンセラーは相手の心理状態や認識などについて様々な質問を行うことで理解して、過去の体験との紐付けからその解決方針を導きます。
一方で、コーチングは「未来に向けて相手の行動を変化させること」を目的として行われます。相手がどのような状態を目指しており、そのためにはどのような行動をするのが望ましいのかについて、相手が回答を出すことを支援します。
コーチングとティーチングの違い
コーチングとともに人材育成などでよく用いられている手法として、「ティーチング」があります。ティーチングは従来のマネジメントや人材育成の方法として、多くの企業が取り入れてきました。一般的に、ティーチングは上司や先輩が部下や後輩に対して業務のコツや内容を伝えて、知識やスキルの習得を促します。
そのため、ティーチングでは相手から答えを引き出すというようなアプローチよりも、答えを相手に教える一方向的な関わり方が多くなります。一方で、コーチングは相手に対して答えを与えるのではなく、相手に回答の選び方を委ねることになり、より長期的な成長を促すことに繋がります。
コーチングとティーチングは、どちらが良いというものではなく、状況に応じて使い分けることでそれぞれの効果を高めることができます。
企業におけるコーチングの必要性
スポーツやキャリア形成の分野で多く用いられているコーチングですが、企業においてもコーチングを活用することが求められています。その理由として、企業を取り巻く環境が大きく変化していることがあります。
従来は企業が企業が提供する商品・サービスがヒットすれば、長い期間でそれが売れ続けていたため、トップダウン型の経営で効率良く生産・提供を行うことが重要視されてきました。しかし、近年では消費者のニーズの多様化や情報化社会の発展により、企業に求められることの不確定性や流動性が高まっています。
そのため、経営や上司が一方的に指示をするのではなく、ボトムアップ型で現場メンバーからの意見やアイデアを引き出すコーチングのアプローチにより、変化する環境に対応できる組織づくりが必要となっています。
新しいマネジメント手法として注目されている
コーチングは、新しいマネジメント手法としても注目されています。管理職は業務スキルの高さだけではなく、人材育成や部下のモチベーション向上を行うスキルも求められます。業務スキルの高さだけに頼ったマネジメントを行ってしまうと、部下のモチベーションが高まりづらくなり、チームとしてのまとまりがなくなってしまう可能性があります。
加えて、近年は従業員のモチベーションや意欲の源泉となるものが変わっています。これまでは終身雇用・年功序列の雇用形態の影響もあり、お金やポストによる魅力付けが主に行われてきました。しかし、現在は働きがいや自己実現といったものを仕事のモチベーションとしている人が多くなっています。モチベーションは実際に目に見えるものではなく、その観測や判断には工夫が必要です。
部下のモチベーションの源泉に対する変化に対応し、良い組織づくりを行うためにも、一方向的な指示・命令のマネジメントではなく、双方向的なコーチングを織り交ぜたマネジメントが求められています。
コーチングのメリット・デメリットについて
ここまで、コーチングの意味やその必要性についてご紹介してきました。では、実際にコーチングを実施することでどのようなメリットや効果、そしてデメリットがあるのでしょうか。ここでは、代表的なものをご紹介します。
コーチングのメリットや効果
コーチングを行うことで得られるメリットや効果として、以下のようなものが挙げられます。
■自発性や主体性を育むことができる
コーチングを行うことで、相手に答えを教えるのではなく、どのように考えているのかを引き出すことができます。そのため、自分で考えて行動を決める習慣が身につき、自発性や主体性を発揮しやすくなるというメリットが生まれます。
■個性や特性を活かすことができる
コーチングはその人の個性や特性を加味した関わり方を行うため、その人らしい考えや行動を促進することができます。個性や特性を活かした行動をとることができると、新しいアイデアが生まれたり、これまでとは違う成果を創出したりといった効果が期待できます。
コーチングのデメリット
対して、コーチングを行うことで得られるデメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
■効果が出るまでに時間がかかることがある
コーチングによるアプローチでは、相手にじっくり考えてもらうことになる場合があります。その際には、何度かにわたって同じテーマについてコーチングを実施することになるため、行動が大きく変わるまでに時間がかかることがあります。
■相手の知識や能力によっては効果が出ないことがある
コーチングは相手の考えを引き出し、自分で答えを決めてもらうことができる反面、知識や能力のレベルによっては効果が出ないことがあります。その場合は、コーチングよりもティーチングによる知識提供を行うことを優先することで、コーチングの効果を高めることができるようになるでしょう。中でも、テーマをある程度昨今のトレンドに関連したものにすることで、相手の興味関心が高まります。近年においては、業務の効率化に重点を置いたDXなどに軸を絞ってみるのも効果的な手段です。
コーチングを行うコーチ・トレーナーの役割とは
コーチングを行う人のことを、「コーチ」や「トレーナー」と呼びます。コーチングにおけるコーチ・トレーナーの役割として、以下のようなものが挙げられます。
■相手の自発的な考えや意見を促す
コーチ・トレーナーは、あくまで相手の考えや意見を引き出す役割を担います。答えだと思うことが浮かんでいても、それを押し付けるのではなく、感想や提案などを駆使して相手の自発性を損なわないようにします。
■相手の能力や個性を引き出す
コーチ・トレーナーは、相手の能力や個性の可能性を信じて、それを発揮できる支援を行います。相手の志向性や特性に対する理解を深めて、自信を持って能力を発揮できるような関わり方を行います。
■行動を促進する
コーチ・トレーナーは、相手が具体的に行動することを目指します。その場だけでの会話ではなく、その後の行動が変わるための工夫を行うことで、コーチングの効果が高まります。
コーチングに必要なコーチ認定資格について
コーチングのスキルを証明できるものとして、コーチ認定資格があります。コーチ認定資格とは、コーチとしてトレーニングを行った実績や、経験、習得しているスキルを証明するものです。
一般財団法人生涯学習開発財団認定資格
一般財団法人生涯学習開発財団認定資格の認可を受けたコーチ資格として、生涯学習開発財団認定コーチ資格があります。この資格では、国内でこれまで7,500人以上のコーチが認定されており、規模が大きいコーチ資格であると言えます。
資格を取得した人の中には、組織で働きながらチームリーダーや社内のコーチとして活躍している人や、社外の経営コーチなどを行っている人など、幅広い活動をしている人がいます。
また、コーチング型のマネジメントをすることができることを証明する資格でもあるため、コーチングを受ける部下やクライアントなどに対して、安心感を提供することができます。
国際コーチング連盟認定資格
世界基準のコーチ資格として、国際コーチング連盟認定資格があります。国際コーチング連盟(ICF)は、世界150ヵ国の国と地域で、50,000人以上の会員が登録している世界最大規模のコーチ連盟です。
国際コーチング連盟認定資格は、ICFによりコーチ育成の基準を満たしているコーチ育成プログラムとして、「ACTP(Accredited Coach Training Program)」に認定されています。認定されているプログラムを受講することで、国際コーチング連盟認定資格を受験するためのトレーニング基準を満たすことができます。
コーチングの学び方・身に付け方
コーチングを学んで、実際にそのスキルを身につけるためには、インプットとアウトプットのバランスに注意することが大切です。コーチングは、相手とのコミュニケーションの中で答えを引き出していくものであるため、書籍や講座でのインプットだけに偏ってしまうと、実践的なスキルを身につけることができずに、コーチング自体の効果を高めることが難しくなります。
一方で、実際に練習や実践といったアウトプットを行なった後には、そこで生じた疑問や懸念などを解消するために、体系的にインプットを行うことも重要です。知識やノウハウがないままにしておくと、そもそも実践ができないだけではなく、実践の中で学ぶための観点が身につかないことになります。
インプットは怠らずに、積極的にアウトプットを行い、適宜振り返りや学び直しを行うというサイクルを意識することで、スキルを身につけることができるでしょう。
①継続的に学ぶ
コーチングは一度学んだり、実践すればできるようになるものではありません。先述したように、インプットとアウトプットのバランスやサイクルに気をつけながら、継続的に学び続けることが重要です。
②実践して学ぶ
コーチングのスキルを身につけ、自分の意志で使えるようにするためには、実践の中で学ぶことが大切です。実際にコーチングをやってみながら、その効果を体感することで、更に理解を深めることができるでしょう。
③コーチングを受ける立場になる
コーチングのスキルを向上するためには、自分がコーチングを受けてみることも有効です。実際にコーチングを受ける立場となって、その効果を実感することで、自分なりの目標を立てたり、気になるところの抽出をしたりといったことができるようになります。
④資格を取得する
コーチングの資格を取得することは、コーチとしての証明を得るだけではなく、スキルを向上することにもつながります。コーチング資格を取得するために、体系的に学習をすることで知識を深めることができるとともに、資格を活用してより多くのクライアントと関わることができます。
法人研修のことならリンクアカデミー
本記事のテーマであるコーチングは、相手の本心に耳を傾けることで、長期的な成長を促進したり、画期的なアイデアを引き出すサポート方法です。コーチングを人材育成に組み込むことで、個人のモチベーションが向上し、組織の活性化に繋がることが見込まれます。
昨今の流れでは、先述したように個人のモチベーションが重要視されており、そこには自己実現が要素として含まれています。コーチングの中で引き出した、従業員の期待しているキャリアやスキル、または課題感を実際の施策に連結させることで、組織の拡大が可能となります。
リンクアカデミーは「あなたのキャリアに、本気のパートナーを」をミッションに掲げて個人が「学び」を通じ自らのキャリアを磨き上げられる場を目指しています。
そのために
・㈱アビバが提供してきたパソコンスキルの講座提供
・大栄教育システム㈱が提供してきた資格取得を支援する講座
・ディーンモルガン㈱が提供してきた「ロゼッタストーン・ラーニングセンター」のマンツーマン英会話レッスン
といったキャリアアップに関するサービスをフルラインナップで展開してきました。
また、リンクアカデミーでは個人のモチベーションを数値に落とし込むことで可視化し、実際の施策に生かす取り組みを導入しており
この実績と経験を活かして、
・内定者・新入社員の育成
・生産性向上
・営業力強化
・DX推進
といった幅広い課題に対してもソリューションを提供しています。
リンクアカデミーの研修導入事例
・ネットワンシステムズ株式会社様
・東京建物株式会社様
・株式会社フロム・エージャパン様
・株式会社トーコン様
コーチングに関するよくある質問
Q1:コーチングとは
A1:コーチングとは、相手に対して正解を提示するのではなく、話に耳を傾けて必要に応じて質問や提案などを行い、相手がより良い行動ができるサポートを行うことを指します。元々、コーチングは「馬車」の意味を持つ「coach」という言葉から派生してできた言葉です。馬車は人や物を目的地まで送り届けることを目的として利用されてきた物であるため、コーチングにおいても相手が望んでいる目的や目標の達成を支援することをゴールとしています。
コーチングでは、主に相手の話を傾聴して相手の中にある答えを引き出すことを目的として行われます。その過程の中で、新しい気づきや視点をもたらしたり、考え方の選択肢を増やしたりといったことを行います。双方向のコミュニケーションの中で、相手は自分なりに答えを出して行動を変えることができます。
Q2:コーチングの必要性
A2:スポーツやキャリア形成の分野で多く用いられているコーチングですが、企業においてもコーチングを活用することが求められています。その理由として、企業を取り巻く環境が大きく変化していることがあります。
従来は企業が企業が提供する商品・サービスがヒットすれば、長い期間でそれが売れ続けていたため、トップダウン型の経営で効率良く生産・提供を行うことが重要視されてきました。しかし、近年では消費者のニーズの多様化や情報化社会の発展により、企業に求められることの不確定性や流動性が高まっています。
そのため、経営や上司が一方的に指示をするのではなく、現場のメンバーからの意見やアイデアを引き出すコーチングのアプローチにより、変化する環境に対応できる組織づくりが必要となっています。
Q3:コーチングの学び方
A3:コーチングを学んで、実際にそのスキルを身につけるためには、インプットとアウトプットのバランスに注意することが大切です。コーチングは、相手とのコミュニケーションの中で答えを引き出していくものであるため、書籍や講座でのインプットだけに偏ってしまうと、実践的なスキルを身につけることができずに、コーチング自体の効果を高めることが難しくなります。
一方で、実際に練習や実践といったアウトプットを行なった後には、そこで生じた疑問や懸念などを解消するために、体系的にインプットを行うことも重要です。知識やノウハウがないままにしておくと、そもそも実践ができないだけではなく、実践の中で学ぶための観点が身につかないことになります。
インプットとアウトプットのサイクルを意識するとともに、以下のようなポイントで学習を進めることをおすすめします。
■継続的に学ぶ
■実践して学ぶ
■コーチングを受ける立場になる
■資格を取得する
まとめ
ティーチングやカウンセリングとともに、人材育成やキャリア形成など幅広い分野で活用することができるコミュニケーションスキルが、コーチングです。環境変化が激しいビジネスの世界においても、コーチングにより多様な意見や考えを引き出すマネジメント方法を採用することは、企業価値を高めるためにも有効です。コーチングを学んで、スキルを身につけるためにはインプットとアウトプットをバランスよく実施することが大切です。