スキルマップとは?目的・項目例・作り方について解説
目次[非表示]
- 1.スキルマップとは
- 2.スキルマップの目的とそのメリット
- 2.1.従業員ごとのスキルレベルを見える化する
- 2.2.従業員のスキルアップを実現できる
- 2.3.業務を改善するための対策を明確にする
- 2.4.適切な人材マネジメントができる
- 2.5.組織のリスクマネジメントができる
- 2.6.従業員のモチベーションを向上できる
- 3.スキルマップの注意点は
- 3.1.スキルマップ作成・活用の目的を明確にする
- 3.2.従業員のモチベーション向上に活用する
- 3.3.定期的に従業員のスキルを把握する
- 4.スキルマップ導入が進んでいる業界
- 5.スキルマップの活用方法
- 6.スキルマップの導入事例
- 6.1.株式会社富士通マーケティング
- 6.2.株式会社三井不動産ホテルマネジメント
- 7.今後のスキルマップ浸透の見立て
- 8.スキルマップの作成のポイント
- 8.1.スキルの全体像を把握できる人が作る
- 8.2.スキルの分類を考える
- 8.3.どのように評価するのかを考える
- 8.4.管理の仕方を決める
- 8.5.修正のタイミングを設ける
- 9.スキルマップのテンプレート(厚生労働省)
- 10.職種別のスキルマップ作成例
- 10.1.営業職のスキルマップ
- 10.2.技術職のスキルマップ
- 10.3.事務職のスキルマップ
- 11.法人研修のことならリンクアカデミー
- 12.リンクアカデミーの研修導入事例
- 13.スキルマップに関するよくある質問
- 14.まとめ
多くの企業では、人材育成の課題を抱えています。OJTやOff-JTのような様々な育成方法がある中で、注目されている育成方法がスキルマップによる育成です。スキルマップを活用することで、育成効果を向上するとともに、効果的な組織改善を行うことができます。本記事では、そんなスキルマップについて、目的や項目例、作り方などについてご紹介します。
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スキルマップとは
スキルマップとは、業務を遂行する上で必要なスキルを整理してマッピングしたものを指します。スキルマップを活用することで、従業員が身につけるべきスキルを可視化するとともに、人材育成を効果的に行うことができるようになります。
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スキルマップの目的とそのメリット
スキルマップを作成・活用することで、多くのメリットを得ることができます。ここでは、主なスキルマップの目的やメリットについてご紹介します。
従業員ごとのスキルレベルを見える化する
スキルマップを活用することで、従業員ごとのスキルレベルを見える化することができます。スキルマップの内容に沿って、どの部分ができているかや、どこまで身につけているのかについて確認することで、その従業員がどのようなスキルを獲得しているのかが分かりやすくなります。
従業員のスキルレベルが見えるようになると、どのような仕事を任せることができるかの判断や、今後の育成の方向性を決定することなどが可能となるでしょう。また、スキルの見える化ができることで、何か課題が生じた時に誰に相談すれば良いのかが従業員としても分かるようになります。
従業員のスキルアップを実現できる
スキルマップ作成は、従業員のスキルや知識を明確にし、必要なスキルや知識を特定することができます。加えて、スキルマップ作成によって得られる情報は、従業員のスキルアップに限定されません。例えば、スキルマップ作成によって、従業員の強みや弱みを把握することができ、その情報を活用して、従業員にとって適切なプロジェクトや職務を割り当てることができます。
効果的なプロジェクトや職務の割り当てを行うことで、それぞれの強みを活かした業務推進を実現しやすくなるでしょう。
業務を改善するための対策を明確にする
スキルマップを活用することで、業務を改善するための対策を明確にすることができます。スキルマップは作成するだけではなく、活用することで、業務の中でつまづいていることに対してどのようなスキルが不足しているのかについて把握することができます。上司と部下の間でスキルマップを活用して、業務上の課題とその解決に必要なスキルを確かめることで、どのような道筋で課題を解決するのかについて話し合うことができるでしょう。
また、スキルマップで明確にしているスキルを身につけたとしても業務の課題が解決できない場合には、スキルマップの見直しや業務のやり方や仕組み自体の確認を検討することで改善の糸口を見つけることができます。
適切な人材マネジメントができる
スキルマップ作成により、従業員のスキルや知識を把握することができます。そのため、組織の戦略に合わせた人材配置が可能になります。組織が目指す方向性に合わせた人材配置を行うことで、組織の成長につながります。
また、スキルマップ作成により、従業員のスキルや知識を一元的に管理できます。そのため、人材の配置や採用、評価などの人材マネジメント業務が効率化されます。従業員のスキルや知識を正確に把握し、最適な人材配置を行うことができます。
組織のリスクマネジメントができる
スキルマップ作成により、従業員のスキルや知識を可視化することができます。そのため、組織のリスクマネジメントがしやすくなります。従業員のスキルや知識に偏りがないか、必要なスキルや知識を持っているかなどを把握することができます。
また、スキルマップ作成を通じて、従業員のスキルや知識のレベルを把握することができます。これは、従業員の強みや弱みを見極めることができるため、組織のリスクマネジメントに役立ちます。
従業員のモチベーションを向上できる
スキルマップ作成により、従業員は自身のスキルアップやキャリアアップに向けて、主体的に取り組むことができます。スキルマップには、従業員が持っているスキルや知識だけでなく、習得したいスキルやキャリアパスに関する情報も含まれます。
これにより、従業員は自身のキャリアについて考え、将来のキャリアプランを立てることができます。こうした取り組みは、組織全体のスキル向上につながるだけでなく、従業員のモチベーション向上にもつながります。
スキルマップの注意点は
スキルマップを作成・活用する際にはいくつか注意するべき点があります。ここでは、スキルマップの注意点についてご紹介します。
スキルマップ作成・活用の目的を明確にする
スキルマップを作成・活用する際には、その目的を明確にすることが大切です。目的が不明瞭なままスキルマップを作ってしまうと、その内容の妥当性が曖昧になってしまうだけではなく、適切な活用ができなくなってしまう可能性があります。
何のためにスキルマップを作成して活用するのかといった目的を明確にした上で、その実現のために必要な内容やプロセスを決定することで、スキルマップの効果を高めることができます。この際、経営陣や人事だけではなく、現場の従業員に対してもスキルマップの目的を共有するようにしましょう。
従業員のモチベーション向上に活用する
スキルマップを作成することは重要ですが、それだけでは不十分です。スキルマップに記載された情報を活用するための仕組みを導入することで、従業員のスキルアップやモチベーション向上に貢献することができます。
例えば、従業員のスキルマップと業務フローをマッチングすることで、従業員がスキルを活かせるように業務を設計することができます。また、スキルマップをもとに、従業員のキャリアアッププランを策定することもできます。
定期的に従業員のスキルを把握する
従業員に必要なスキルや知識は日々変化していきます。そのため、スキルマップの更新を継続的に行うことが重要です。スキルマップを定期的にブラッシュアップすることで、正確な情報を把握し、最適な更新を行うことができます。
しかしスキルマップを精緻に描きすぎてしまうと、昨今のような変化の激しい時代では、逆に世の中の変化に対応できなくなってしまう恐れがあるため、注意が必要です。
一方で、従業員のスキルを把握する際には、従業員との面談を行い、スキルや知識の変化を把握することが望ましいです。面談では、従業員が得意なことや興味を持っていること、今後身につけたいスキルや知識などを聞き出し、スキルマップに反映させることができます。
スキルマップ導入が進んでいる業界
スキルマップの導入が進んでいる業界にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、現在スキルマップ導入が進んでいる業界について代表的なものをご紹介します。
製造業界
スキルマップの導入が進んでいる業界として、製造業が代表的です。製造業界では開発力が重視されることが多く、小規模でもより良い商品を作り出すためにスキルマップを活用して全体のスキルアップに努めてきました。また、業務における抜け漏れが起こらないようにするためにも、スキルマップによる確認が行われています。
IT業界
IT業界においても、スキルマップの導入が進んでいます。IT業界ではトレンドの移り変わりが激しいといった特徴がありますが、それに対応するためには基本的に必要なスキルをしっかりと身につけておく必要があります。そのためには、スキルマップを活用することで、技術を獲得できる組織づくりが行われています。
建築業界
スキルマップの導入が進んでいる業界として、建築業界も挙げられます。建設業界では、製造業と同様に高い専門性と技術力が必要とされます。高い専門性と技術力を身につけるためには、OJTのような人が人に教えるとともに、スキルマップを作成してそもそもどのようなスキルが必要であるのかを把握することが重要です。
スキルマップの活用方法
スキルマップは、様々な組織改善に活用することができます。スキルマップは、従業員の能力向上だけではなく、人材配置の参考にしたり、人事評価の基準にしたりといったことについても対応することができます。ここでは、スキルマップの活用方法について、いくつか例をご紹介します。
従業員の能力の向上
スキルマップを活用することで、従業員の能力を向上することができます。スキルマップを用いて、従業員それぞれがどのようなスキルを身につけており、今後どのようなスキルが必要になるのかを把握することで、今後の成長の方向性を検討することができます。また、業務で生じている課題についてもスキルマップで解決の方向性を考えることができるでしょう。
人材育成の効率化
スキルマップを活用することで、人材育成を効率化することができます。人が人に対して、その場で考えて知識やスキルを指導する場合は、人によって教えることの偏りが生じるため、全体の育成内容でムラが生じる可能性が高まります。スキルマップを作成して、スキルの全体像について共通認識をつくることで、アドバイスやフィードバックの方向性を揃えて、人材育成を効率化することができます。
適切な人材配置
適切な人材配置を検討する際にも、スキルマップを活用することができます。スキルマップは従業員それぞれのスキルの獲得状況を確認することができるツールであるため、例えば新しい部署を立ち上げる際には、必要なスキルを持っている人材を確認して配置することができます。また、人事異動を行う際にはそれぞれの部署でスキルの偏りがないかについても確認することができるでしょう。
業務効率化
スキルマップを活用して、人材育成や人材配置を行うことで、業務を効率化することができます。適切なタイミングや方法での人材育成や人材配置を行うと、業務で生じていたムリ・ムダ・ムラを解消することができるため、全体の効率を向上することが期待できます。新入社員が入って来たタイミングでも、スキルマップを使用して育成を行うことで、戦力化を早めることができるでしょう。
納得感のある評価
スキルマップを活用することで、納得感のある人事評価を行うことができます。基本的に、従業員の能力を評価することは難しいものです。何らかの基準がない場合には、スキルや能力に対しての評価が曖昧になり、結果として評価に対する不納得感を生み出す原因になります。スキルマップでスキルの要件を明確にすることで、人事評価の基準をつくることができるでしょう。
モチベーションの向上
スキルマップの活用は、従業員のモチベーションの向上にも役立ちます。スキルマップを作成することで、従業員は自分が現在どのレベルに位置しており、今後どのようなスキルを身につければ良いのかが分かりやすくなります。できていることに対しては適切に評価をするとともに、目標を明確に立てることができると、従業員はモチベーションが向上しやすくなるでしょう。
スキルマップの導入事例
ここまで、スキルマップの作成のポイントや注意点、活用の方法についてご紹介してきました。ここでは、実際にスキルマップを作成して、導入している企業の事例についてご紹介します。実際の導入事例を参考にして、自社での活用イメージを固めてみてください。
株式会社富士通マーケティング
株式会社富士通マーケティングは、コンサルティングや機器販売、ソフトウェア開発など一貫したサービスを行なっている企業です。同社では、ネットワーク施工や無線伝送工事を担っているコンストラクション事業本部で社員を評価する視点が「公的資格・ベンター資格」の取得に偏ってしまう傾向があるといった課題がありました。
教育担当者を置いて、技能向上に向けた取り組みを行なってはいましたが、技術の幅が広い上に専門性が高い業務であることから、経験や習熟度に対する評価が疎かになっているのではないかといった懸念があり、スキルマップの運用を始めました。
コンストラクション事業本部では、厚生労働省の職業能力評価シートを加圧要して、事業本部全体の技能レベルを把握するところから始めました。更に、レーダーチャートでスキルの総括を行い、本人の強みと弱み、今後の課題について上司との間で話し合う機会を設けました。
結果として、適切なスキル状態のチェックを行うことができ、育成強化のポイントを明確にすることができました。
(参考:厚生労働省「株式会社富士通マーケティング 事業本部の技能レベルの把握」)
株式会社三井不動産ホテルマネジメント
株式会社三井不動産ホテルマネジメントは、宿泊部門、レストラン部門からなるデザインホテルを運営している企業です。同社では、宿泊部門の約40名中20名の有期雇用契約のキャストにおいて、特に社歴が浅い層のスキルにバラつきがあることが問題視されていました。
そこで、同社では厚生労働省の職業能力評価シートによるスキルのチェックを行うことにしました。チェックをするにあたり、入社後半年間の担当業務をもとに、職業能力評価シートの統合を実施しました。それを用いて、上司が網羅的にスキルチェックを行い、結果の分析を行いました。
分析結果をもとにして、OJTでのスキルアップ目標の設定やスキルアップのコミュニケーションを行いました。その結果、従業員の仕事を振り返りつつ、今後強みにしていきたいスキルをスムーズに検討できるようになりました。
(参考:厚生労働省「株式会社三井不動産ホテルマネジメント(三井ガーデンホテル銀座プレミア) キャストの早期戦力化 」)
今後のスキルマップ浸透の見立て
近年は人工知能やその他のIT技術の発達により、業務の自動化や機械化といったことが進んでいくことが考えられます。特に、メーカーでは現在もオートメーションの導入が進んでいるため、人間が身につけるべきスキルについても変化していくことでしょう。
また、高度経済成長期以降は産業のソフト化として、小売業やサービス業といった第三次産業の割合が上昇しています。その中では、これまでの技術職中心のスキルマップの活用ではなく、サービス業や小売業といった分野でもスキルマップの活用が進んでいくことが予測されます。
スキルマップの作成のポイント
実際にスキルマップを作成する際には、いくつかのポイントがあります。ここでは、スキルマップを作成する際におさえておくべきポイントについてご紹介します。
スキルの全体像を把握できる人が作る
スキルマップを作成する際には、スキルの全体像を把握できる人が作成に入ることが必要です。スキルの全体像が分からないままでは、適切なスキルマップを作ることができません。ある程度経験やスキルを持っている管理職以上の人が作成チームの中に入ることで、必要なスキルについて網羅的に整理をすることができます。
昨今でいうと、業界・会社規模問わず、データ・デジタル技術を活用するためのスキル開発の動きが加速しています。会社に必要なスキルの全体像を把握すると共に、2022年12月に経済産業省から発表された「デジタルスキル標準(DSS)」など、変化の激しい現在において必要とされているスキルは何なのか、日々最新の情報をキャッチアップする必要があります。
スキルの分類を考える
スキルマップを作成する際には、スキルをどのように分類するのかを考えることが大切です。分類することが目的ではありませんが、スキルの羅列だけになると全体像を把握しづらくなるとともに、網羅性が失われる可能性が高まります。まずはどのような種類のスキルが必要であるのかを確認するとともに、スキルごとに分類を考えましょう。
例えば、先述した「デジタルスキル標準(DSS)」は、ビジネスパーソン全体がDXに関する基礎的な知識やスキル・マインドを身につけるための指針である「DXリテラシー標準」、及び、企業がDXを推進する専門性を持った人材を育成・採用するための指針である「DX推進スキル標準」の2種類で構成されています。
これは、全員が一律で全てのスキルを保有するのではなく、創る人材(推進者)と、創られたものを使う人材に分け、それぞれに必要なスキルを付与することで、会社全体としてデータ・デジタル技術を活用する組織風土を作っていくということを示しているのではないでしょうか。
どのように評価するのかを考える
スキルマップを用いて、どのように従業員を評価するのかについても考えておく必要があります。スキルマップは作成するだけではなく、実際に従業員が使えるようにすることが大切です。そのため、スキルマップをどのタイミングで、どのように使用するのかについてのイメージやルールを固めておくことで、活用を促進することができます。
昨今、急速且つ可変的なデジタル化に対応するために、大手企業を中心として、企業主導型のITパスポート取得促進や昇格要件に組み込むことで取得を義務化する動きが進んでいます。
今や、日常業務の中でITを活用しない人材はほぼ存在しないことを踏まえると、スキルマップの中にIT活用に関する内容を組み込み、取得した人材に適切な評価をする、という昨今の流れは頷けるものなのではないでしょうか。
管理の仕方を決める
スキルマップをしっかりと運用するためには、その管理方法を決めておくことが大切です。従業員それぞれで管理する方法もありますが、基本的には上司や担当者が全体の取りまとめを行なっておき、活用の促進を行うことをおすすめします。また、紙で運用する場合もありますが、Googleスプレッドシートのような共有ができるツールを活用することで、管理や共有が簡単になります。
修正のタイミングを設ける
スキルマップを作成したら、スキルマップを修正するタイミングを設けることをおすすめします。スキルマップは一度作成したら終わりというわけではなく、運用の中で見つかる問題点の解消や、事業環境の変化に応じた修正といったことをしながら、より良いものにしていく必要があります。定期的にスキルマップを見直して修正するタイミングを設けましょう。
先程から例として扱っているデジタルの活用という観点では、日々変化・進化が行われている領域であるため、スキルマップの作成においては修正が入ることを前提に、精緻すぎて前に進まない状況を避けつつ、変化に対応しやすいように、緩やかなスキルマップの作成をおすすめしています。
スキルマップのテンプレート(厚生労働省)
スキルマップを作成する際には、ある程度形式が固まっているテンプレートを活用することも有効でしょう。テンプレートを活用することで、1から考える手間を省きつつ、自社で必要なスキルを見つける際の参考にすることができます。ここでは、スキルマップのテンプレートの例として、厚生労働省が公表している「職業能力評価シート」の営業職(レベル1)から抜粋したものをご紹介します。
能力ユニット |
能力項目 |
職業遂行のための基準 |
自己評価 |
上司評価 |
コメント |
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ビジネス知識の習得 |
①ビジネスや社会経済の一般動向の習得 |
政治経済動向、一般常識などの基本的事項や関係するビジネス分野の知識習得に取り組んでいる |
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②会社の仕組みの理解 |
会社の事業領域や組織形態や組織構造について概要を理解している |
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③ビジネスマナーの習得 |
会社の経営理念や社是・社訓等の内容を理解し、可能な範囲で実践している |
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PCの基本操作 |
①PCの基本操作 |
PCの基本的な操作方法を身につけ、セキュリティに留意して適切な使用をしている |
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②ワープロソフト、表計算ソフト等の活用 |
ワープロソフト、プレゼンテーションソフト、表計算ソフト等を用いて、見やすい事務文書、表・グラフ作成を行っている |
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③情報の検索・加工と整理 |
電子メールの活用やインターネットを使った情報検索を支障なく行っている |
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企業倫理とコンプライアンス |
①諸規程、諸ルールの順守 |
担当職務の遂行において従うべき法令上の要請事項を理解し、必ずこれを守っている |
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②倫理的問題の解決 |
職務において自己の能力、権限を超える場合には、独断で判断を行うことなく上位者に相談し助力を求めている |
その他の職種のテンプレートについては、「職業能力評価シート(事務系職種)のダウンロード」からレベルごとのものをダウンロードすることができます。
職種別のスキルマップ作成例
スキルマップは、様々な職種で活用することができます。スキルマップを活用することで、職種ごとに必要なスキルの見える化を行い、それに応じた育成を行うことができます。また、一度に全ての職種のスキルマップを作成するのではなく、一部の職種からスキルマップの作成や運用を始めてみる方法もあります。ここでは、
■営業職
■技術職
■事務職
についてスキルマップの作成例を挙げています。
営業職のスキルマップ
営業職においては、営業活動の中で必要なスキルについて整理して、スキルマップを作成します。営業職で必要なスキルの例としては、以下のようなものが考えられます。
■コミュニケーションスキル
■提案スキル
■交渉スキル
営業職のスキルマップを作成する際には、営業プロセスでの難易度ごとにレベル分けをするという方法があります。例えば、新人の頃は自己紹介や会社紹介といったことを1人でできるようなスキルの獲得を目指し、経験を積むにつれて実際の提案内容の検討やクロージングといったことができるスキルを獲得することを目指す、といったようにレベルを分けることができます。
技術職のスキルマップ
技術職でスキルマップを作成することで、誰がどのような技術を持っているのかや、どのようなスキルが生産には必要であるのかといったことを把握できるようになります。技術職のスキルマップを作成する際には、以下のような観点でスキルのレベルを分類することができます。
■誰かが付いてサポートを受けながら業務を遂行することができるレベル
■適宜指導を受けながら業務を遂行することができるレベル
■ある程度1人で業務を遂行することができるレベル
■他の人に対して指導をすることができるレベル
事務職のスキルマップ
事務職は様々な事務業務を行うため、スキルマップを作成することでその全体像を整理して、必要なスキルを確認することができるようになります。事務職でのスキルマップを作成する際には、以下のような観点でスキルの分類を行うことができます。
■経理関連でのスキル
■人事関連でのスキル
■労務関連でのスキル
事務職のスキルマップでは、社内で整理したスキルだけではなく、資格取得に関する項目も盛り込むことで、より専門性を高めることができるようになります。
法人研修のことならリンクアカデミー
スキルマップの作成のポイントで触れたように、昨今の変化の激しいデジタル社会において、スキルマップを描くことは非常に難しいといえるでしょう。
業界や職種、対象者の経験や年齢によって、求められるスキルが異なることに加え、変化の激しい昨今において、精緻なスキルマップを描くことはハードスキルにおいては特に難しいのではないでしょうか。
弊社リンクアカデミーでは、人材の育成において、戦略的なマップを描くこと自体は非常に重要であると考えています。しかし、それと同時に、とりわけハードスキルにおいては、世の中の変化に対応できるように精緻に描きすぎないことをポイントとしてお伝えしています。
リスキリングやDXが叫ばれるようになった頃を境に、業界・規模問わずお問い合わせが急増し、弊社でも、ご要望に合わせたコンテンツも日々拡充し続けております。
また、先述している精緻すぎない緩やかなITスキルマップや、DX/リスキリング文脈での施策設計のポイント・ノウハウも有しておりますので、ご興味のある方は是非以下よりお問い合わせ下さい。
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定量的にスキル向上させるなら、リンクアカデミー
⇒ITスキル研修資料をダウンロードする
リンクアカデミーの研修導入事例
・ネットワンシステムズ株式会社様
・東京建物株式会社様
・株式会社フロムエージャパン様
・株式会社トーコン様
スキルマップに関するよくある質問
Q1:スキルマップとは?
A1:スキルマップとは、業務を遂行する上で必要なスキルを整理してマッピングしたものを指します。スキルマップは、従業員が身につけるべきスキルについて一覧化されており、多くの場合はレベルごとに段階分けして整理が行われています。
Q2:スキルマップは必ず必要?
A2:スキルマップは必ず作成するべきであるというものではないですが、スキルマップのように従業員のスキルを見えるようにしたものがない場合には、生産性の低下や業務効率の低下が生じることが懸念されます。スキルマップを作成することで、人材育成の効果を向上しつつ、人材配置の最適化を行うことができるため、会社全体の生産性や業務効率を向上することができます。
Q3:スキルマップを作成する際のポイントは?
A3:スキルマップを作成する際には、以下のようなポイントがあります。
■スキルの全体像を把握できる人が作る
ある程度経験やスキルを持っている管理職以上の人が作成チームの中に入ることで、必要なスキルについて網羅的に整理をすることができます。
■スキルの分類を考える
どのような種類のスキルが必要であるのかを確認するとともに、スキルごとに分類を考えましょう。
■どのように評価するのかを考える
スキルマップをどのタイミングで、どのように使用するのかについてのイメージやルールを固めておくことで、活用を促進することができます。
■管理の仕方を決める
基本的には上司や担当者が全体の取りまとめを行なっておき、活用の促進を行うことをおすすめします。また、紙で運用する場合もありますが、Googleスプレッドシートのような共有ができるツールを活用することで、管理や共有が簡単になります。
■修正のタイミングを設ける
スキルマップを作成したら、運用の中で見つかる問題点の解消や、事業環境の変化に応じた修正といったことをしながら、より良いものにしていく必要があります。
まとめ
スキルマップは、業務の遂行に必要なスキルを整理して一覧化したものです。従業員のスキルの獲得状況を把握することができるようになるため、効果的な人材育成や最適な人材配置を行うための重要な情報となります。スキルマップを作成する際には、ある程度形式が固まっているテンプレートなどを活用しながら、自社に合ったスキルの分類や運用方法を検討することが必要です。また、スキルマップは一度作ったら終わりというわけではなく、運用状況や環境変化に合わせて修正をすることでより良いものにすることができます。