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DX研修の進め方 目的や身に付けたいスキル、ポイントを解説

目次[非表示]

  1. 1.そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
  2. 2.DX研修を行う目的や必要性
  3. 3.DX推進を行う上で知っておくべきポイント
    1. 3.1.①自社のビジョンを明確にする
    2. 3.2.②経営層も一体となってDX推進に取り組む
    3. 3.3.③DX推進のための体制を整備する
  4. 4.DX研修で身に付けさせたいスキル
    1. 4.1.デジタルリテラシー
    2. 4.2.ビジネスリテラシー
    3. 4.3.プロジェクトマネジメント力
    4. 4.4.チームビルディングスキル
  5. 5.効果的なDX研修の進め方
    1. 5.1.全社でDXに関する理解を深め、自社のDXのゴールをつくる
    2. 5.2.部門や部署でDX推進の担当者をつくる
  6. 6.DX研修の成功事例
  7. 7.DX研修の選び方
  8. 8.法人研修のことならリンクアカデミーへ
  9. 9.リンクアカデミーの研修導入事例
  10. 10.まとめ
  11. 11.DX研修に関するよくある質問

 インターネットやデジタル技術の発展に伴い、企業の多くではペーパーレス化やeラーニングの実施など業務効率化や育成効率化が着手されています。その中で、更に広い範囲で企業経営を変革する「DX」が注目されています。DXを実現するためには、それを推進する人材を育成することが不可欠であるため、DX研修を実施することが必要となってきます。本記事では、DXを実現するためのDX研修について、その進め方や目的、身につけたいスキルなどをご紹介します。

そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

 DXは「Digital Transformation」の略称であり、「デジタルトランスフォーメーション」と読みます。DXとは、デジタル技術を用いて社会や企業などに変化を起こすことを指しており、ビジネスシーンではデジタルによるビジネスモデルや事業の変化を起こすことを意味します。

DX研修を行う目的や必要性

 近年は企業のDX推進が注目されており、経済産業省もDX推進の重要性を提唱しています。一方で、「DX」と一言で言ってもそれに必要な要素は様々です。DXを推進して、企業のビジネスモデルの変革や業績の向上を実現するためには、ITに関する知識だけではなくビジネスに関するノウハウやスキルも必要です。

 そのため、「企業として取り組むDXやDXの目的・ビジョンとはそもそも何であるのか」や、「DXを実現するために必要な要素や戦略は何なのか」といった全体像を知ると共に、必要な知識やスキルを実際に身につけるためのDX研修は重要な役割を担っています。DX研修を実施することで、従業員に対してITリテラシーやビジネスでの活用方法を考えてもらうことができるでしょう。

DX推進を行う上で知っておくべきポイント

 DX推進を行う上で、デジタル技術の知識を身につける以外にもいくつかポイントがあります。DX推進を行う上で知っておくべきポイントを確認しておきましょう。

①自社のビジョンを明確にする

 DXは業務の効率化や生産性の向上といったことだけではなく、企業の中でイノベーションを起こすことが目的です。そのため、DXを推進する際には、自社のビジネスモデルの変革や組織経営の変化を伴うことになります。この場合、闇雲にDX推進を実施するのではなく、しっかりと自社のビジョンや目指す方向性を明確にしないと、部分的な業務でデジタル技術の活用が行われるものの、費用対効果が上がらず、変革を進める動機も弱いため、DXは進みません。結果として、DXの取り組みは「上手くいかなかった」と失敗したという印象が組織内に広がり、再度DXに取り組むことが難しくなります。

自社のビジョンを明確にすることで、DXでどのようなことが実現できるといいかや、自社のDX推進で必要なことがなにか、が明らかになるでしょう。

②経営層も一体となってDX推進に取り組む

 DXを推進するためには、現場のみではなく経営層が一体となって取り組むことが大切です。DX推進をする際には事業全体の変革や組織変革といった、企業全体を巻き込んだ取り組みになるため、権限や大きな意思決定が必要となります。その際に、経営層が変革の主体者としてDX推進にコミットし、企業全体の推進力を与えることが重要です。

③DX推進のための体制を整備する

 DX推進を行うためには、それに応じた組織体制を整備する必要があります。現場でバラバラにDX推進に取り組んでいると、現場ならではのアイデアや変革が生まれることが期待できる一方で、変革のムラができる可能性が高くなります。DX推進を主導するための部門の設置や、各部署でリーダーとなる人材の配置を行うことでDX推進の効果が高まります。

DX研修で身に付けさせたいスキル

 DX推進のためには、様々な知識やスキルが必要です。代表的なものとして、「デジタルリテラシー」や「ビジネスリテラシー」、「プロジェクトマネジメント力」、「チームビルディングスキル」が挙げられます。それぞれどのようなものかを確認しておきましょう。

デジタルリテラシー

 デジタルリテラシーとは、デジタルに関する基本的な知識やスキルのことを指します。DX推進を行うためには、デジタル・ITに関する知識が必要であるため、デジタルリテラシーの習得は必須であると言えます。

 DX研修で身につけたいデジタルリテラシーとしては、基本的なデバイスの知識やインターネットの知見に加えて、IoTやAI、ビッグデータといった先端のデジタル知識が該当します。また、インターネットやデバイスの使い方だけではなく、コンプライアンスといったデジタルを活用する上で気をつけるべきことについても、しっかりと知識を身につけておくことが大切です。

 昨今では、上記内容を幅広く学ぶといった意味合いで、ITパスポート試験を受験する企業が増加しており、令和3年度の受験者数は211,145人と前年度比160%となっております。

 またデジタルリテラシーを高めるために、全員がプログラミングができるまでトレーニングを行うことも極端に言えばできますが、DX推進のためにはバランス良く知識やスキルを身につけることが必要であるため、基本的な知識をまずは身につけることを優先すると良いでしょう。

ビジネスリテラシー

 企業におけるDX推進は、デジタル技術の取得だけではなくそれを活用してビジネスモデルの変革や事業成果の向上を実現することが目的となります。そのため、デジタル技術をどのようにビジネスで活かすかを考えるために、ビジネスに関する知識やスキルであるビジネスリテラシーを身につけることが大切です。

 DX研修においても、デジタルリテラシーと共にビジネスに関する理解を深める内容を盛り込む必要があります。企業経営の基本的な知識習得やビジネスモデルの理解といった、一般的な内容の理解に加えて、自社の業務フローの把握や業務特性の把握といった自社なりのビジネス理解をDX研修で行うことで、ビジネスリテラシーを高めることができるでしょう。

プロジェクトマネジメント力

 DX推進を行うためには、デジタル知識やIT技術の習得や浸透だけではなく、ビジネスモデルの変革、組織風土の変革のように様々な要素を並行して進めることになります。そのため、DX推進をスムーズに行うためには、全体像を把握しつつ、目の前のプロジェクトを遂行することができるプロジェクトマネジメント力が必要になります。

 プロジェクト全体の目的を明確にして、各部署や人材と連携を取りつつ、必要に応じて軌道修正を行うことが、プロジェクトマネジメントには求められます。DX研修では、そもそもDX推進のためにはどのような種類のプロジェクトを推進することになるのかや、プロジェクトの要件定義の仕方、進捗管理や軌道修正の仕方などを伝達することが大切です。

チームビルディングスキル

 DX推進は個人で行うものではなく、組織やチーム全体で行うものです。そのため、1人で何かを推進する力だけではなく、チーム全体をまとめて、目的の方向へ導くチームビルディングのスキルが重要です。

 チームビルディングスキルとして、目標設定力やコミュニケーションスキルなどを身につける必要があります。特にDX推進は企業全体のイノベーションを起こすことが目的となっているため、オープンで提案や意見がしやすい風土づくりや、心理的安全性を高めるための工夫といった組織づくりが重要になってきます。

 自社の組織の特性を把握した上で、DX推進を効果的に行うことができるチームビルディングスキルを提供できるDX研修を検討すると良いでしょう。

効果的なDX研修の進め方

 効果的にDX研修を進めて、その成果を創出するためにはいくつかポイントがあります。代表的なものをご紹介するので、確認しておきましょう。

全社でDXに関する理解を深め、自社のDXのゴールをつくる

 まずは経営層を含めて、全社でDXに関する理解を深めましょう。デジタル・IT技術で実現できること、実現できないことを把握して、自社がどのようなゴールを目指すのかを設定します。この際には、システムの導入コストや運用方法などを学ぶことも大切ですが、自社の掲げているビジョンや会社として目指す方向性を基にしてゴールを考えることをおすすめします。

 自社が実現したいことは何か、目指す姿は何かといったことからズレてDXを推進してしまうと、結果として組織の疲弊や利益の喪失に繋がる可能性があります。全員が納得してスムーズにDXを実現するためにも、ゴールの作り方にはこだわりましょう。

部門や部署でDX推進の担当者をつくる

 全社のDX推進を実現するためには、各部門や部署でDX推進の「結節点」となる担当者をつくることが有効です。結節点とは、コミュニケーションの集約を行う立場であり、経営や本部と現場従業員との間を仲介する役割を持ちます。結節点であるDX推進の担当者をつくることで、経営や本部からの指示をスムーズに現場に伝えると共に、現場従業員からの意見や提案を収集しやすくなります。

 DX推進の担当者をつくる場合には、全社に先んじてDXの研修などを行うと良いでしょう。拠点や場所が離れている場合には、オンライン研修を活用することで、よりDXの必要性を身近に感じながら研修を行うことができます。

DX研修の成功事例

 DX研修、人材育成の事例として、大手空調機、化学製品メーカーであるダイキン工業株式会社の例をご紹介します。

 同社は、2017年12月から社内講座である「ダイキン情報技術大学」を開講しました。主に新卒社員を対象にして、2年間のカリキュラムを通して情報技術者を育成し、2023年までに1,500名の従業員をデジタル人材にすることを掲げています。

 同社はAIやIoTを活用することで、付加価値の高い商品・サービスの提供が実現できるといった、デジタル技術によるイノベーションや、デジタル人材の必要性をしっかりと伝えています。また、ダイキン情報技術大学の特徴的な点として、産学連携の講座であることが挙げられます。大阪大学と連携して講座の内容を設計・運営しており、DXに向けた人材育成を専門的な視点からも行っています。

 新卒社員は、1年目でAI・IoTの専門知識の習得や、空調技術をはじめとする同社のコア技術について学びます。2年目には開発・製造部門、営業部門などから募った80以上のテーマについて、実際に現場で研修生が取り組むことになります。

 また、新卒社員だけではなく一般社員や管理職向けにもプロジェクトマネジメントやデータ活用の方法を伝える講座を開講しており、網羅的にDX研修を行っている例だと言えるでしょう。

(出典:ダイキン工業株式会社「イノベーションを創出するダイキン独自のAI・IoT人材を育成」)

DX研修の選び方

 DX研修を選ぶ際には、以下のようなポイントを押さえておきましょう。

■自社の目的やニーズと合致しているか

 まずは検討しているDX研修で実現できることが、自社の目的やニーズと合致しているかを確認しましょう。自社がDXでどのような状態になりたいかや、DX研修を通してどのような成果を得たいのかについて明確にしておき、各研修サービスが提唱しているゴールや効果がそれに合っているのかを考えます。

■研修の難易度は適切か

 従業員の知識やスキルのレベルによっては、研修内容が難しすぎると効果が薄れてしまう場合があります。また、逆にあまり簡単すぎても効果的な人材育成には繋がりにくいため、適切な難易度があるのかを確認しておきましょう。

法人研修のことならリンクアカデミーへ

 昨今、「デジタルを使う人材」であるために、全てのビジネスパーソンが共通して身に付けるべきデジタルリテラシー範囲として、「ITパスポート試験」が非常に注目されています。

 「ITパスポート試験」ではストラテジ系と呼ばれる経営者の仕事に関する内容の学習だけでなく、管理職の仕事に関する内容を学習するためにマネジメント系、コンピュータの仕組みに関する内容を学習するためのテクノロジ系と幅広い分野について理解を深めることができます。

 弊社リンクアカデミーでは、ITパスポート試験を効率良く学習し合格へ導くための「SkiP講座」を展開しております。

 ITパスポート試験だけでなく、日頃行っている業務を効率化・自動化させるためのRPAソフト「Power Automate for desktop 講座」などもご用意しております。

 DX 推進には、ビジネスを変革するための「企業のDX」だけでなく、日頃の業務を効率化させるための「業務のDX」や様々なツールを使いこなすことで働き方を変革するための「働き方のDX」など様々あります。

 ビジネスの変革だけでなく業務の変革という点にも着目してみてはいかがでしょうか。

リンクアカデミーの研修導入事例

・ネットワンシステムズ株式会社様

・東京建物株式会社様

・株式会社フロム・エージャパン様

・株式会社トーコン様

まとめ

 企業がデジタル・IT技術を活用してビジネスモデルの変革や、業績の向上を実現するためには、DX研修を行うことが効果的です。DX研修では、デジタルに関する知識だけではなく、ビジネスリテラシーやプロジェクトマネジメント、チームビルディングといった事業・組織変革に必要な知識やスキルを提供することが大切です。まずは自社がDXでどのようなことを実現したいのかを考え、全社共通認識をとると共に、DX研修を活用して人材育成を行うようにしましょう。

ITスキル研修に関する無料相談・お問い合わせはこちら

DX研修に関するよくある質問

Q1:DX研修の目的は?

A1:DXを推進して、企業のビジネスモデルの変革や業績の向上を実現するためには、ITに関する知識だけではなくビジネスに関するノウハウやスキルも必要です。そのため、DXとはそもそも何であるのかや、DXを実現するために必要な要素は何なのかといった全体像を知ると共に、必要な知識やスキルを実際に身につけるためのDX研修は重要な役割を担っています。

Q2:DX研修を行うポイントは?

A2:DX研修を行う際には、以下のようなポイントを押さえておきましょう。

①自社のビジョンを明確にする
DXは業務の効率化や生産性の向上といったことだけではなく、企業の中でイノベーションを起こすことが目的です。自社のビジョンを明確にすることで、DXでどのようなことが実現できるといいかや、自社のDX推進で必要なことが明らかになるでしょう。

②経営層も一体となってDX推進に取り組む
DX推進をする際には事業全体の変革や組織変革といった、企業全体を巻き込んだ取り組みになるため、権限や大きな意思決定が必要となります。その際に、経営層が変革の主体者としてDX推進にコミットし、企業全体の推進力を与えることが重要です。

③DX推進のための体制を整備する
DX推進を行うためには、それに応じた組織体制を整備する必要があります。DX推進を主導するための部門の設置や、各部署でリーダーとなる人材の配置を行うことでDX推進の効果が高まります。

Q3:効果的なDX研修の進め方は?

A3:効果的にDX研修を進めるためには、「全社でDXに関する理解を深め、自社のDXのゴールをつくること」と「部門や部署でDX推進の担当者をつくること」が大切です。全社及び担当者同士で、自社のDX推進に対する共通認識を作ることができるように、コミュニケーションインフラを整えることをおすすめします。

稲冨 健太
稲冨 健太
佐賀県出身。名古屋大学理学研究科にて物理を専攻。「伝統工芸」や「ものづくり」を応援したいという想いで、組織コンサルティング会社に就職し理念浸透・人事制度設計・人材育成・マネジメントなどに従事。独立後、中小・ベンチャー企業へのコンサルティングや商品開発の経験を基に精力的にライティング活動を実施。

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