eラーニングを研修に活用する効果や目的、比較ポイントを徹底解説!
人材育成の歴史の中で、集合研修やCDによる学習といったように、様々な方法が考案されてきました。その中で、近年注目を集めている研修方法がeラーニング研修です。eラーニング研修を行うことで、従来の研修の効果を高めることができ、より従業員の知識習得やスキル向上を促進することができます。一方で、eラーニングという言葉は聞いたことがあっても、その内容を具体的に知らない方もいるのではないでしょうか。本記事では、そんなeラーニング研修についてその効果や目的などをご紹介します。
目次[非表示]
- 1.そもそもeラーニングとは?
- 2.研修に効果的なeラーニングシステムとは?
- 3.企業研修でのeラーニングの活用シーン
- 3.1.①新入社員向け研修
- 3.2.②全社員向け研修
- 3.3.③実践型研修
- 3.4.④企業理念などの浸透教育
- 3.5.⑤社外パートナー向け研修
- 4.研修・学習にeラーニングがおすすめな理由・効果
- 5.eラーニング研修を行う目的
- 6.eラーニングの実施に必要なもの
- 6.1.学習者が用意するもの
- 6.2.管理者が用意するもの
- 7.eラーニングシステムの持つ機能
- 7.1.学習教材の管理や配信
- 7.2.受講者の管理
- 7.3.学習状況の確認
- 7.4.確認テストやレポートの配信
- 7.5.成績の管理
- 7.6.コミュニケーション
- 8.企業がeラーニングシステムを導入する際の依頼方法
- 9.自社に合ったeラーニングシステムの選び方
- 10.法人研修のことならリンクアカデミーへ
- 11.リンクアカデミーの研修導入事例
- 12.まとめ
- 13.eラーニング研修に関するよくある質問
そもそもeラーニングとは?
eラーニングとは、スマートフォンやパソコンといったデバイスを用いて、インターネット上で学習を行うことを指します。テキストや文書だけではなく、動画やアニメーションといった様々な教材・コンテンツを通じて学習をすることができます。
研修に効果的なeラーニングシステムとは?
eラーニングによる学習を実施するためには、多くの場合「LMS(Learning Management System)」と呼ばれるシステムを導入します。LMSはインターネット上での学習教材の配信や、受講者の学習状況の把握を行うことができるシステムであり、LMSを導入することでeラーニングの効果を高めることができます。
企業研修でのeラーニングの活用シーン
eラーニングは、様々な種類の企業研修で活用することができます。代表的な活用シーンをご紹介します。
①新入社員向け研修
新入社員向けの研修で扱われることが多い、ビジネスマナーの取得や社会人としてのビジネススタンスの形成といったテーマは、eラーニングを活用することでその効果を高めることができます。
ビジネスマナーやビジネススタンスといったものは、多くの場合知らないことを教える段階から始まります。そのため、集合研修やオンライン研修の場で1から説明するよりも、ある程度の内容を事前に学習しておくことでその理解度を高めることが期待できます。この際に、eラーニングによる動画の視聴やレジュメの確認などを行うことで、学習を効率化することができるでしょう。
また、新入社員に対する研修は毎年行われることが多く、内容も大きく変更されることは少ないでしょう。そのため、一度教材を作ると繰り返し活用することができるようになるため、研修の準備の手間を省くこともできます。
②全社員向け研修
働き方に対する意識やニーズの変化により、従来集合研修で行われることが多かった全社員向けの研修をeラーニングに移行する企業が増えています。特に、近年は新型コロナウイルスの蔓延により、オンライン研修と併せてeラーニングによる学習が広がっています。このように実際に講師と受講者が同じ時間に集まる形式の研修と、eラーニングを組み合わせる学習方法を「ブレンデッドラーニング」と呼びます。
全社員向けの研修としては、セキュリティ関連の内容やコンプライアンス、ウェルネスの促進といった全社員が共通で持っておくべき知識や情報を提供するものが一般的です。eラーニングを活用することで、事前の学習だけではなく研修実施後の振り返りや知識の定着を促進することができます。
③実践型研修
従来のeラーニングでは、座学による知識提供が中心として行われていましたが、近年ではより実践的な内容がeラーニング研修として実施されることが増えてきています。特に、飲食店や工場、医療機関といった現場で働く際に必要となる、サービスの仕方や機材の扱い方といったものを動画教材として、従業員・スタッフに対して公開することで知識やノウハウの標準化が図られています。
これまでは、こういった内容はOJTによって人が人に教えるといったスタイルが一般的でしたが、直接教えてもらうことができる一方で、従業員の負担の増加や人によって教える内容や基準にバラつきが生まれるといったデメリットもありました。eラーニングにより提供する知識やノウハウを標準的なものにすることで、それぞれが習得するスキルやその基準を揃えることができるようになります。
④企業理念などの浸透教育
業務知識やスキルの習得・向上だけではなく、企業理念や経営方針などの浸透教育としてもeラーニングは活用されています。企業理念の理解や経営方針への納得は、企業経営において非常に重要な要素であり、その浸透により企業ブランドや業績の向上が期待できます。
経営層からのメッセージや上司からの教育によって浸透を行うことができますが、eラーニングによる浸透教育も行うことで従業員の理解や共感をより生み出すことができます。例えば、企業理念にこめている想いやその背景、期ごとの振り返りや翌期の目標共有といったものを動画やスライド化して配信することで、従業員は繰り返しその内容を把握することができます。
⑤社外パートナー向け研修
eラーニングを活用することで、社内の従業員に向けた教育だけではなく、社外の人に対する情報共有や育成を行うことができます。特に、業務委託などで業務の一部を任せている社外パートナーに対して、eラーニングによりサービス内容の説明や自社の考え方・価値観の共有を行うことができると、その後のコミュニケーションをスムーズに行うことができるようになります。
社外パートナーに対して直接情報共有や教育を行うことに加えて、eラーニングを活用することにより、情報伝達のスピードや内容のバラつきを揃えることができます。また、社外パートナー側も自分の業務のタイミングに合わせて情報の振り返りや見直しを行うことができるようになるため、業務クオリティを向上することにも繋がるでしょう。
研修・学習にeラーニングがおすすめな理由・効果
eラーニングが様々な企業研修に活用できることをお伝えしましたが、実際にどのような効果があるのでしょうか。学習者と管理者側のそれぞれでご紹介します。
学習者側のメリット
学習者がeラーニングを活用するメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
■自分の好きなタイミングで学習することができる
eラーニングはスマートフォンやパソコンといったデバイスを持っていれば、インターネットに繋いでいつでも、どこでも学習を進めることができます。そのため、学習者は仕事の合間や移動時間といった、自分の好きな時間に好きな場所で学習をすることができます。
■学習効果を高めることができる
eラーニングによる学習を行うことで、学習者は自身の学習の質を向上することができます。動画教材やスライドといったコンテンツは、インターネット上でいつでも閲覧ができるため、自分で繰り返し学習をすることができると共に、LMSの機能によっては確認テストを実施することができます。分かりやすい教材で、繰り返し学習することで知識の定着度を上げることができるでしょう。
管理者側のメリット
管理者側がeラーニングを活用することで、以下のようなメリットを得ることができます。
■学習教材を一括で管理できる
eラーニングでは、一度作成した学習教材は基本的にLMS上で一括で管理することができます。そのため、1回1回教材を作成・アップロードをする必要がなく、受講者に対して必要な教材を提供することができます。
■学習状況を管理しやすい
従業員の学習を促進する上で重要な要素が、学習状況の管理です。適切にそれぞれの学習状況を把握することで、カリキュラムや学習内容を変更することができます。eラーニングでは、それぞれの進捗状況や理解度といった学習状況を一括で管理することができるため、管理者側は確認コストを大きく削減することができるでしょう。
eラーニング研修を行う目的
eラーニング研修を行う目的として、学習者と管理者のそれぞれで以下のようなものが挙げられます。
学習者側の目的
学習者側がeラーニング研修を行う目的として、以下のようなものがあります。
■自身のスキルアップを行うため
■キャリアアップをするために、必要な知識やスキルを身につけるため
■自社の価値観や考え方を理解するため
■業務で抱えている課題や悩みを解決するため
■受講した研修の振り返りを行うため
■資格の取得のために勉強をするため
■研修や授業の予習を行うため
管理者側の目的
管理者側がeラーニング研修を実施する目的として、以下のようなものがあります。
■従業員それぞれのタイミングに合わせた学習を促進するため
■研修にかかるコストを削減するため
■コンプライアンスやセキュリティなど、全員に知っておいてほしい知識を提供するため
■企業理念や経営方針を伝えるため
■新しい情報をいち早く伝えるため
■研修の効果を高めるため
eラーニングの実施に必要なもの
eラーニングを実施する際には、いくつか必要なものがあります。こちらについても、学習者と管理者のそれぞれで確認しておきましょう。
学習者が用意するもの
eラーニングは、基本的にインターネット上で動画やスライドといった学習教材を利用します。そのため、学習者側はスマートフォンやパソコンのような、インターネットに接続することができるデバイスと、インターネット環境が必要となります。
管理者が用意するもの
eラーニングを実施する際には、管理者側は「学習教材」「学習管理システム」「学習支援者」を用意する必要があります。学習教材としては、動画やスライドといったものを用意します。学習管理システムはLMSのように教材や受講者の管理を行うことができるものを準備しましょう。その際、より理解度や進捗を管理できる仕組みと、定量的な目標やゴール設定が可能なものやまた、必要に応じて受講者をサポートする学習支援者を用意することで、学習効果を高めることができます。
eラーニングシステムの持つ機能
eラーニングを実施するためには必須と言っても良いeラーニングシステム(LMS)ですが、どのような機能があるのでしょうか。代表的なものを把握しておきましょう。
学習教材の管理や配信
eラーニングシステムを利用することで、学習教材を一括でアップロード・管理することができます。また、受講者のカリキュラムやコースに応じて、必要な学習教材を配信してスムーズな学習を促すことができます。
受講者の管理
eラーニングシステム上では、学習教材だけではなく受講者の登録や管理を行うことができます。受講者の職種や年次、役職といった属性に合わせて整理を行うと共に、必要な学習カリキュラムで振り分けることができます。
学習状況の確認
受講者がどこまで学習を進めることができているのかといった、学習状況の確認をeラーニングシステムを使って一括で管理することができます。全体の進捗だけではなく、チームや部署ごと、個人ごとの学習状況を確認することができるため、様々な視点で進捗を管理することができるでしょう。
確認テストやレポートの配信
eラーニングシステムによっては、学習教材やテーマに合わせた確認テストやレポートの配信を行うことができます。確認テスト・レポートを活用することで、学習内容の振り返りや知識の定着度合いを測定することができるでしょう。
成績の管理
確認テストやレポートの配信と共に、提出されたものから成績の管理を行うことができます。全体の傾向を把握すると共に、それぞれの受講者の得意分野や苦手分野を把握することで、より適切な学習を促すことができるようになるでしょう。
コミュニケーション
eラーニングシステムを利用することで、受講者への連絡や受講者同士のコミュニケーションを行うことができます。受講する内容のリマインドに加えて、講師への質問の受付、受講者同士での情報交換といったことを行うことで、より学習への姿勢を前向きにすることができます。
企業がeラーニングシステムを導入する際の依頼方法
では、実際にeラーニングシステムを導入する際には、どのような方法があるのでしょうか。
提供会社が用意しているeラーニングシステムを利用する
eラーニングシステムを導入する方法の1つとして、既にeラーニングシステムの提供会社が用意しているシステムを導入するといった方法があります。様々な提供会社が、業界や職種、分野ごとに既にある程度のコンテンツを実装したeラーニングシステムを提供しており、それを導入・利用することができます。
既にあるeラーニングシステムを利用することで、導入までスピーディーに行うことができるため、学習スタートまでの期間を早めることができるでしょう。
提供会社にeラーニングシステムの制作を依頼する
既にあるeラーニングシステムを活用するのと共に、自社独自のシステムを制作してもらうことも可能です。提供会社のシステムを活用しつつ、自社なりのコンテンツやデザイン、機能を反映することで、より受講者の学習効果を高めることができます。
既存のeラーニングシステムを活用する場合よりも費用がかかることが多いですが、自社の世界観をしっかりと作りつつカスタマイズ性を高めることで、eラーニングによる学習を促進しやすくなるでしょう。
自社に合ったeラーニングシステムの選び方
実際にeラーニングシステムを選ぶ際には、「教材を重視する場合」と「運用を重視する場合」といった観点があります。それぞれのポイントを確認しておきましょう。
教材を重視する企業
自社内にeラーニング研修で活用できる教材やコンテンツが無い場合には、教材を重視してeラーニングシステムを選ぶと良いでしょう。例えば、スタートアップのベンチャー企業やあまり社内で研修のノウハウが無い企業が該当します。
この場合、既に豊富なコンテンツを有しており、企業側はそれを利用するだけで良いeラーニングシステムをおすすめします。その際には、導入を検討するシステムが「汎用的」なのか「専門的」なのかを確認しておきましょう。汎用的なeラーニングシステムでは、コンテンツが広い範囲の人に共通で該当するものが多くなっており、専門的なシステムでは業種や職種ごとに特化した内容が多くなっています。
コンプライアンスやセキュリティといった、一般的な知識を身につけてほしい場合には汎用的なシステムを選ぶことで、より広い知識を身につけることができます。一方で、業種や職種に特化した知識を身につけてほしい場合には、専門的なシステムを利用することで知識を深めることができるでしょう。
運用を重視する企業
既に自社内でeラーニングシステムで活用できる教材やコンテンツがある程度揃っている場合には、運用を重視してeラーニングシステムを選ぶと良いでしょう。「研修は何度も実施しているが、理解度が高まらない」「研修後のフォローにかける手間を削減したい」といったことを考えている企業は、運用を重視したシステムの導入をおすすめします。
運用を重視する場合には、「すぐに自社内の資料を教材化できるか」や「受講者に対して学習促進の機能は揃っているか」といった、教材の作りやすさと共に学習サポート機能の種類や豊富さを確認しましょう。
特に、eラーニングシステムは導入したとしても「中々受講者が学習を進めない」といった課題にぶつかりやすくなります。リマインド機能やテスト機能、コミュニケーション機能といったものが充実していると、受講者の学習意欲を高めることができます。
法人研修のことならリンクアカデミーへ
リンクアカデミーは「あなたのキャリアに、本気のパートナーを」をミッションに掲げて個人が「学び」を通じ自らのキャリアを磨き上げられる場を目指しています。
独自の「診断技術」と「変革技術」を用いて数多くの企業様を支援させていただいてきた実績を元に、企業のDX化を担うITリテラシー人材育成を共に行いたいと考えております。
eラーニングをより効果的にすすめるためのサーベイも有しております。サーベイを実施することで、個別のスキルにあわせた研修を実施することが可能となり、効果的なスキルの獲得が期待できます。
リンクアカデミーの研修導入事例
・ネットワンシステムズ株式会社様
・東京建物株式会社様
・株式会社フロム・エージャパン様
・株式会社トーコン様
まとめ
人材育成の1つとして、eラーニングによる研修は効果的です。eラーニング研修を行うことで、業務上の知識やスキルだけではなく、企業理念や経営方針への理解や共感を促進することができます。eラーニングを導入する際には、教材や受講者の管理をするためのeラーニングシステムを利用することで学習効果を高めることができます。自社の状況に合わせて、教材重視のシステムか運用重視のシステムかを検討するようにしましょう。
eラーニング研修に関するよくある質問
Q1:研修をeラーニングで行う学習者のメリットは?
A1:学習者がeラーニングを活用するメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
■自分の好きなタイミングで学習することができる
eラーニングはスマートフォンやパソコンといったデバイスを持っていれば、インターネットに繋いでいつでも、どこでも学習を進めることができます。そのため、学習者は仕事の合間や移動時間といった、自分の好きな時間に好きな場所で学習をすることができます。
■学習効果を高めることができる
eラーニングによる学習を行うことで、学習者は自身の学習の質を向上することができます。動画教材やスライドといったコンテンツは、インターネット上でいつでも閲覧ができるため、自分で繰り返し学習をすることができると共に、LMSの機能によっては確認テストを実施することができます。分かりやすい教材で、繰り返し学習することで知識の定着度を上げることができるでしょう。
Q2:研修をeラーニングで行う管理者のメリットは?
A2:管理者側がeラーニングを活用することで、以下のようなメリットを得ることができます。
■学習教材を一括で管理できる
eラーニングでは、一度作成した学習教材は基本的にLMS上で一括で管理することができます。そのため、1回1回教材を作成・アップロードをする必要がなく、受講者に対して必要な教材を提供することができます。
■学習状況を管理しやすい
従業員の学習を促進する上で重要な要素が、学習状況の管理です。適切にそれぞれの学習状況を把握することで、カリキュラムや学習内容を変更することができます。eラーニングでは、それぞれの進捗状況や理解度といった学習状況を一括で管理することができるため、管理者側は確認コストを大きく削減することができるでしょう。
Q3:eラーニング実施に必要なものとは?
A3:eラーニングを実施する際には、以下のように必要なものがあります。
■学習者が用意するもの
eラーニングは、基本的にインターネット上で動画やスライドといった学習教材を利用します。そのため、学習者側はスマートフォンやパソコンのような、インターネットに接続することができるデバイスと、インターネット環境が必要となります。
■管理者が用意するもの
eラーニングを実施する際には、管理者側は「学習教材」「学習管理システム」「学習支援者」を用意する必要があります。学習教材としては、動画やスライドといったものを用意します。学習管理システムはLMSのように教材や受講者の管理を行うことができるものを準備しましょう。また、必要に応じて受講者をサポートする学習支援者を用意することで、学習効果を高めることができます。
Q4:eラーニングのデメリットとは?
A3:eラーニングを実施する際のデメリットには以下のように必要なものがあります。
■途中で挫折しやすい。
eラーニングは、基本的には独りで学ぶ「独学」のスタイルです。そのため、進捗や理解度などの進捗管理をひとりで行わなければなりません。eラーニングにおける学習進捗が2極化してしまうのは、継続的かつ簡易的に管理できる仕組みを構築できるかどうか、つまり途中で挫折しない仕組みなどを工夫するなど環境を整えることが重要になります。
■学習のペースがつかみづらい
eラーニングのデメリットの一つとして学習のペースがつかみづらいという側面があります。「独学」ではゴールまでの逆算のなかで不安に陥ることが少なくありません。が 少なければ、必要に応じて客観的に評価・サポートをする仕組みがあれば、より学習効果を高めることができます。