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メンターとは?意味や役割、導入効果やポイントを徹底解説


 従業員に対して、先輩社員や上司が付いて精神的なサポートを行う体制をメンター制度と言います。多くの企業では、新入社員の育成のためにメンター制度が導入されていますが、活用の仕方によってはメンター自身の成長を促進する機会となります。本記事でご紹介する、メンター制度の意味や役割、導入のポイントなどをご参考にして、自社のメンター制度の導入や成果向上の工夫をご検討ください。


目次[非表示]

  1. 1.メンターとは何か?
    1. 1.1.メンター制度(メンタリング)とOJT制度の違い
  2. 2.メンターが求められるようになった背景
  3. 3.メンターの役割とは?
  4. 4.組織がメンター制度を導入するメリット
    1. 4.1.①人材を確保・定着させることができる
    2. 4.2.②自発的に行動できる人材の育成が可能
    3. 4.3.③社内のコミュニケーションを活性化できる
  5. 5.メンター・メンティーが得られるメリット
    1. 5.1.メンターが得られるメリット
    2. 5.2.メンティーが得られるメリット
  6. 6.メンターの適性や必要なスキル
    1. 6.1.コミュニケーションスキル
    2. 6.2.信頼構築力
    3. 6.3.一定基準での経験や業務スキル
  7. 7.メンタリングを受ける人の適性
  8. 8.メンター制度の導入方法
    1. 8.1.メンター制度の目的を明確にする
    2. 8.2.社内体制を整える
    3. 8.3.メンター制度の運用方法を決定する
    4. 8.4.メンターを選定する
    5. 8.5.事前の研修を行う
    6. 8.6.振り返りを行う
  9. 9.メンタリングを実施する際のポイントや注意点
    1. 9.1.メンターとメンティーのマッチングに気をつける
    2. 9.2.メンターが目的に共感できるようにする
    3. 9.3.メンターへのサポートを行う
    4. 9.4.メンティーの意思を尊重した関わりをする
    5. 9.5.成長は長期的なものであると理解する
    6. 9.6.言葉以外にも気を配る
  10. 10.メンター制度の導入による成功事例
    1. 10.1.キリン株式会社
    2. 10.2.富国生命保険相互会社
    3. 10.3.ネスレ日本株式会社
  11. 11.法人研修のことならリンクアカデミーへ
  12. 12.リンクアカデミーの研修導入事例
  13. 13.まとめ
  14. 14.メンターに関するよくある質問


メンターとは何か?

 メンターとは、「指導者」や「助言者」といった意味で使われている言葉です。ビジネスシーンでは、メンターは担当する従業員がキャリアを形成する中で生じた課題を乗り越えられるようにアドバイスを行い、成長を促進する人のことを指します。メンターが指導・助言をする人であるのに対して、指導・助言を受ける人をメンティーと言います。また、メンターがメンティーに対して指導・助言を行うことをメンタリングと言います。

 メンターはある程度業務の経験や社会人になってからの期間が長い人が担当することが多く、一般的には4年〜10年程度のキャリアを積んでいる人がメンターとして任命されています。しかし、企業によってはメンター自身の成長機会を設けるために、若手社員に対してメンターをしてもらう場合があります。メンティーは新入社員である場合が多いですが、新しい役職や役割を担うことになったタイミングで、メンターに付いて支援を受けることがあります。

メンター制度(メンタリング)とOJT制度の違い

 メンター制度と同様に、従業員に対して先輩社員や上司が担当として就いて指導を行う育成方法として、「OJT」があります。OJTはOn-the-Job Trainingを略したものであり、実際の業務の中で直接業務に必要な知識やスキルを教えることを指します。OJTは研修や講演会のようなOff-JTと併せて実施をされることが多く、従業員の即戦力化を目的として実施されています。

 OJTは一般的に業務上で必要なサポートや、問題の解決を行うことが多い一方で、メンター制度は業務のサポートよりも精神的なサポートに重きを置いています。指導方法についても、OJTはいわゆる「ティーチング」を行うのに対して、メンタリングでは「コーチング」を行うことが多いでしょう。


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メンターが求められるようになった背景

 業務上で関わりのある先輩社員や上司が実際の業務の中で後輩や部下を指導する体制が多く見受けられますが、近年は業務上の関係性とは別にメンターをつくることが求められています。

 少子高齢化の影響によって、労働人口が減少していることもあり、多くの企業は人手不足に悩まされています。その中では、新しく人を採用することと共に入社した人材にいち早く成長してもらい、ひとり立ちをしてもらう必要性が大きくなってきています。

 効果的な人材育成を実現するためには、業務で必要な知識やスキルの提供だけではなく、会社やチームに対する愛着心であるエンゲージメントや、心理的安全性を高める必要があります。エンゲージメントや心理的安全性を高めるためには、自身の悩みや課題を共有して、その解決をサポートしてもらえる存在が重要です。直接業務上の利害関係が発生しづらい、斜めの関係であるメンターが有効だと言えます。


メンターの役割とは?

 メンターはメンティーが抱えている問題や悩みに対して寄り添い、コミュニケーションの中でその解決を導くことが役割です。メンティーは上司ではないため、直接メンティーに対して業務を指示することは少なく、あくまで精神的なサポートを行います。

 メンティーの要望によっては業務上のアドバイスを行うことがありますが、基本的には上司や職場の中では言いにくいことを聞いたり、キャリア形成における悩みについてアドバイスを行ったりといったことが実際の関わり方になるでしょう。


組織がメンター制度を導入するメリット

 組織がメンター制度を導入することで、多くのメリットを得ることができます。代表的なメリットについて確認しておきましょう。

①人材を確保・定着させることができる

 人手不足に悩んでいる企業にとって、離職を防止することは経営上も大きな効果があります。メンター制度では、従業員が1人で悩みを抱えてしまう状況を未然に防いで、その解決をサポートすることができます。自身の悩みを打ち明けられる関係性があることで、従業員は組織に対する安心感を感じることになるため、離職を防いで人材の確保・定着率を向上することができます。


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②自発的に行動できる人材の育成が可能

 組織の成果を向上するためには、1人1人が自分で考えて自発的に行動することが重要です。メンタリングでは、メンティーが自分の強みや弱みを客観的に把握して、自分の行動を決定するトレーニングを行うことができます。自身で考えて行動する経験を重ねていくことで、仕事においても自発的に行動する人材を育成することが可能です。

 また、メンターの思考や行動を真似る人が多いため、企業として社員に身に着けてほしいスキルを身に着けている社内のロールモデルとなり得るメンターをアサインすることで、効果的な人材育成が図れます。

③社内のコミュニケーションを活性化できる

 成果を出す組織は、コミュニケーションを大切にしています。メンター制度では、従業員同士がメンターとメンティーになるため、コミュニケーションが活性化して相互理解が深まることが期待できます。コミュニケーションが活性化することで、業務上での連携度合いも向上して、業務効率化や生産性の向上に繋がるでしょう。


メンター・メンティーが得られるメリット

 メンター制度を導入することで、メンターとメンティーのどちらにもメリットがあります。

メンターが得られるメリット

 メンターが得られるメリットとして、1つは「メンター自身がキャリアを考えるきっかけになる」ということが挙げられます。日々業務に取り組んでいる中では、中長期的なキャリアについて考える機会が少なくなりがちです。

 メンタリングでメンティーにアドバイスする際には、自身の経験を思い出し、それに基づいたアドバイスをすることが多くなります。その過程の中で、自身のそれまでのキャリアを棚卸することができることに加えて、メンティーの悩みを自分に置き換えることで自身の今後のキャリアについても考えるきっかけになるでしょう。

 メンターのメリットとして、「メンターの成長機会になる」といったことも挙げられます。メンターはメンティーにとって、社内のお手本のような存在になります。そのため、メンターは「見られている」という意識が芽生え、自身の業務に対する責任感や積極性が高まることが期待できます。また、メンターとしてアドバイスをする際には、コミュニケーションスキルや物事を整理する力が必要となるため、ビジネスマンとして必要なスキルも磨かれていきます。

メンティーが得られるメリット

 メンティーが得られるメリットとして、「精神的な支えができる」ということが挙げられます。特に入社したてのタイミングや、新しい役割を担うことになった時には不安が大きくなります。その中で、自身の悩みや疑問を打ち明けることができる存在がいることは、精神的に大きな支えとなります。

 また、「人間的に成長できる」といったこともメリットとして挙げられます。メンタリングを受ける中で、客観的に自分のことを見つめつつ、自分の考えを整理して行動するようになります。その結果、コミュニケーションや考える力、意思決定をする力といったものを身につけることができるようになります。

 メンティーにとって、メンターは最も身近で頼れる精神的な支えとなり得ることが多いため、自分のなりたい人物像とメンターが合致する場合、メンターの思考や行動をまずは真似てみることで、自分の目指す人物像へ近づく近道となるでしょう。


メンターの適性や必要なスキル

 メンターの役割を担う人として、どのような適性やスキルがあると良いのでしょうか。主に必要なものをご紹介します。

コミュニケーションスキル

 効果的なメンタリングを行うためには、コミュニケーションスキルが求められます。コミュニケーションスキルとは、自分の考えを伝える、アドバイスをするといった「発信」だけではなく、傾聴する力や相手の感情を理解する力といった、「受信」のスキルも求められます。

 特に、メンタリングでは自分の考えを押し付けるのではなく、相手の意思を引き出すことが大切であるため、「ちゃんと話を聞いてくれている」といった意識をメンティーが持つことができる関わりが必要です。

信頼構築力

 メンティーが自身の悩みや考えを伝えることができるようにするためには、メンターとメンティーの間での信頼関係が必要です。信頼関係が無い場合には、メンティーは自分の思っていることを伝えにくくなると共に、メンターのアドバイスや助言が伝わらなくなります。

 メンターはメンティーの味方であること、あくまで対等な存在であることなどを伝えて態度でも示すことで、信頼関係を構築する力がメンターには求められます。

一定基準での経験や業務スキル

 メンターはメンティーの抱えている問題を解決に導くことが役割であるため、一定基準での業務の経験やスキルを持っていることが求められます。経験やスキルがあることで、メンティーからの疑問や課題に対して迅速に回答が可能になります。ただし、自身の現在のレベルとメンティーのレベルに大きく差があることを改めて認識したうえで、メンティーのレベルに併せて適切な道筋を提示できる経験やスキルがあることが望ましいです。


メンタリングを受ける人の適性

 メンタリングを受けた方が良い人として、「メンターからのサポートを受けることで、自身の悩みを払拭して成長が促進される人」が当てはまります。以下のような特徴がある人に対しては、効果的な育成を実現するために、メンター制度の適用を検討してみると良いでしょう。

  • 入社して間もない人
  • 社内の中であまり人間関係がつくられていない人
  • キャリアについて悩みを抱えている人
  • 経験が浅く、自信が無い人
  • 人間関係で問題を抱えている人
  • 業務で悩みを抱えている人


メンター制度の導入方法

 メンター制度を導入して、その効果を発揮するためには適切なステップを基にして進めることが大切です。以下でご紹介する6つのステップを意識して、自社のメンター制度をご検討ください。

メンター制度の目的を明確にする

 まずは、自社で実施するメンター制度の目的を明確にしましょう。目的が不明確なままメンター制度を始めてしまうと、形だけの制度になってしまう可能性があります。メンター制度を通じて、どのような成果を得たいのかや、どういったゴールを目指したいのかといったことを議論・決定します。この際、メンター・メンティーのそれぞれでゴールの状態を考えておくと良いでしょう。

社内体制を整える

 メンター制度は通常の業務に加えて行われるものであるため、社内の体制を整えておくことが必要です。上司や関係者に対して、メンター制度の目的やメリット、必要性を理解してもらうことで、メンター制度を実施するために必要なサポートを得ることができます。また、相談窓口や定期的なメンターとのコミュニケーション機会の設定など、メンターに対するサポート体制も検討しておきましょう。

メンター制度の運用方法を決定する

 メンター制度をどのような形式で行うかについても、しっかりと決めておく必要があります。メンター制度の運用方法を明確にしておくことで、メンターに対する期待値の調整も行うことができます。

 メンター制度の運用方法を考える際には、以下の点に気をつけましょう。

  • メンター制度の目的
  • メンターとしての役割
  • メンタリングの方法
  • メンターとしてどこまでサポートを行うか
  • メンタリングの頻度や回数


メンターを選定する

 メンター制度の目的や内容が決定したら、実際にメンタリングを行うメンターを選定します。メンターを選定する際には、その経験やスキルに加えて、メンタリングの対象となるメンティーのタイプと合うかどうかについても考慮することで、メンタリングの効果を向上することができます。基本的には直接業務で関わる人ではなく、斜めの関係でメンターとメンティーのマッチングを行います。

事前の研修を行う

 メンターが決まったら、いきなりメンタリングを始めるのではなく、メンターとメンティーに対して事前の説明や研修を行いましょう。特に、メンター側は自身の役割が曖昧なままメンタリングを始めてしまうと、適切な関わり方ができなくなる可能性があります。どのような目的でメンター制度を実施するのかや、それぞれの役割や心構えといった点について、事前に説明しておくことが大切です。

振り返りを行う

 メンター制度が開始した後にも、そのまま放置しておいてはいけません。定期的にメンターを集めて振り返り会や相談会を設けることで、メンター自身が悩んでいることや抱えている課題を解決することができます。また、メンティーの行動や仕事ぶりを確認して、メンタリングが機能しているのかについても把握できるようにしましょう。


メンタリングを実施する際のポイントや注意点

 実際にメンター制度を導入し、メンタリングを実施する際にはいくつかのポイントや注意点があります。

メンターとメンティーのマッチングに気をつける

 メンタリングが上手くいかなくなる理由として、「メンターとメンティーの相性が悪い」といったことが挙げられます。「メンターと性格が合わない」「メンティーの悩みに共感できない」といった場合には、適切なコミュニケーションを取ることができずに、望んでいたメンタリングの効果が得られない可能性があります。

メンターとメンティーのマッチングを行う際には、業務の経験だけではなくそれぞれの特性やタイプ、それまでの経験といった様々な材料を基にすることで、効果的なマッチングが実現できます。

メンターが目的に共感できるようにする

 メンターは通常の業務に加えてメンタリングを行うことになるため、メンター制度の目的や意義に共感できていない場合には、ただ負担に感じてしまう可能性があります。メンターの不納得感は、言動からメンティーに伝わることがあるため、配慮が必要です。

メンターが目的に共感できるようにするためには、「ラダー効果」を活用すると良いでしょう。ラダー効果とは、「抽象のはしご」とも呼ばれており、行動だけではなくその行動の目的、そして意義を伝える方法です。例えば、メンター制度についてはただ「メンタリングをする」だけではなく、「良い人材を育成する」といった目的や、「その人が良い人生を歩むことができるようにサポートをして、会社の未来をつくる」といった意義まで伝えると良いでしょう。

ラダー効果

(参考:ラダー効果)

メンターへのサポートを行う

 メンター制度が上手くいかない原因として、「メンターに任せきりになっている」といったことも挙げられます。メンタリングはメンターとメンティーの間で行われるものではありますが、メンターに全てを任せてしまうとメンターが感じる負担が大きくなってしまい、良い関わり方ができなくなる可能性があります。

 定期的にメンターが抱えているメンタリングへの悩みや疑問を解消するために、メンターとの面談や相談会を実施して、メンターに対するサポートを充実させるようにすると良いでしょう。

メンティーの意思を尊重した関わりをする

 メンタリングを上手く行うために、メンターはメンティーの意思を尊重した関わりを行うことが大切です。メンターが自分が言いたいことを優先したり、メンティーに対して説教を行ったりしてしまうと、メンティーとの間の信頼関係が損なわれてしまい、効果的なメンタリングができなくなることがあります。

 まずはメンティーの発言に耳を傾け、共感する姿勢を見せるようにしましょう。また、どのような行動をしたいのかについて、しっかりとメンティー自身に考えてもらってその意思を尊重するような関わりをすることが重要です。

成長は長期的なものであると理解する

 こちらも主にメンターが持つべき心構えですが、「成長は1日にしてならず」ということを念頭に置いておきましょう。肉体的なトレーニングが数日では効果が出ず、多くの場合長い期間がかかるのと同様に、人の精神的な成長にもある程度の時間がかかります。

 例えば、アドバイスしたことが次の日にすぐに反映されていなかったとしても、怒ったり落胆したりしてはいけません。あくまで人の成長は長期的なものであることを忘れずに、長い目で寄り添って導くような姿勢でいることが大切です。

言葉以外にも気を配る

 メンタリングを行う際には、「言い方」だけではなく「在り方」も大切です。特に、話を聞いている際の姿勢や非言語的なコミュニケーションには気を配る必要があります。

 アメリカの心理学者である、アルバート・メラビアンが提唱した「メラビアンの法則」によると、人がコミュニケーションの中で影響を受ける割合は、「言語情報(話の内容):聴覚情報(声のトーン):視覚情報(表情や姿勢)=7:38:55」だとされています。

 下図のように「話す内容」だけではなく、それ以外の態度や姿勢にも気をつけることで、メンタリングの効果を高めることができます。

面談の心構え

(参考:メンタリングを行う上での注意点)


メンター制度の導入による成功事例

 メンター制度は、実際に多くの企業で導入されています。ここでは、メンター制度を導入した企業の事例についてご紹介します。

キリン株式会社

 大手飲料品メーカーであるキリン株式会社は、女性の活躍推進のためにメンター制度を導入しています。

 同社は女性が活躍できる環境づくりや、女性のキャリア形成を支援するために、公募で選出されたメンバーによる委員会を組織しました。委員会を中心として、現場の課題に応じたボトムアップ型の人材育成プログラムを企画して、女性社員の意識改革を進めています。

 その中でも、中心的な役割を担っているのが「女性社員を対象としたメンター制度」です。女性総合職の継続的な就業と、女性経営職のキャリア支援を目的にスタートされたメンター制度ですが、特徴として「役員とのメンタリングを経験した女性経営職が次のメンターになる」というシステムが挙げられます。

 実際にメンタリングを経験した女性社員が自身もメンターとして活動をすることで、社内に女性活躍推進に対する共感者を増やして、支援の輪を広げています。取り組みの効果として、女性社員の離職率の低下や女性がいなかったポストへの盗用の実現などが表れています。

(出典:厚生労働省「メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル」)

富国生命保険相互会社

 生命保険会社である富国生命保険相互会社では、新入社員の育成と幅広い世代間交流による人的ネットワークの構築を目的として、メンター制度が実施されています。

 同社ではメンターとメンティーの関係を構築するために合同の研修を実施しています。研修実施後にもメンターに対してコーチング研修実施やカウンセリングを学ぶ機会の提供といったように、メンター制度の効果を高めるための取り組みが行われています。

 また、メンタリングの報告書をメンター自身が毎月作成・提出することで、活動状況を把握するだけではなく、メンター自身が気づきを得てメンタリングの目標を立てやすくする工夫が行われています。

 メンターとメンティーのマッチングについても、お互いの自己紹介シートを事前に提出してもらったり、出身地や趣味を加味したりすることで、コミュニケーションが円滑に進むようにしています。メンター制度で新入社員の育成と共に、メンターの成長やモチベーションの向上をおこなっている好事例だと言えるでしょう。

(出典:厚生労働省「メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル」)

ネスレ日本株式会社

 食品製造会社であるネスレ日本株式会社では、女性社員の成長をサポートするメンター制度を導入しています。

 同社では、ライフイベントと仕事の両立や見本となるロールモデルの不足といった課題により、女性社員の活躍がうまく推進されていませんでした。その中で、女性社員の活躍を全社的な取り組みとして推進するために、メンターは経営トップが任命するといった工夫が行われています。

 メンティー経験者の体験談を聞くランチ座談会の実施や、社内誌・ポスターの作成、イントラネットの活用というように、様々な角度で全社的な認知の拡大を行なっています。メンターとメンティーのマッチングについても、メンティーがどのような経験や職務経歴を持っているメンターがいいのかといった希望を確認しており、メンティーの要望に沿ったマッチングが行われています。

 お互いの自己開示を重視したメンタリングや、面談で得た情報の厳密な取り扱いといったことを行うことで、キャリアへの前向きさや自身の強みの発見といった成果に繋がっています。

(出典:厚生労働省「メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル」)


法人研修のことならリンクアカデミーへ

 メンター制度を上手く活用することで、企業の人材育成を効果的に進めることができます。

 そもそものメンター制度導入の目的とゴールを明確にすると共に、誰をメンターとして選出するかが成功を左右する重要なポイントとなります。

 先述した通り、メンティーにとって、メンターは最も身近で頼れる支えであり、思考や行動を真似る対象となります。そのため、メンターとして選出するメンバーが社内のロールモデルとなり得る人材である場合は、効果的な人材育成に寄与すると言えるでしょう。

 コミュニケーション能力をはじめとしたポータブルスキルはもちろんのこと、昨今必要とされているデジタルに対応できるようなITリテラシーを併せ持った人材をメンターとして選出し、戦略的なメンター制度の活用、ひいては企業の課題として昨今よく取り上げられているデジタル人材育成とを併せて考えてみてはいかがでしょうか。

 リンクアカデミーは「あなたのキャリアに、本気のパートナーを」をミッションに掲げて個人が「学び」を通じ自らのキャリアを磨き上げられる場を目指しています。

 そのために

  • ㈱アビバが提供してきたパソコンスキルの講座提供
  • 大栄教育システム㈱が提供してきた資格取得を支援する講座
  • ディーンモルガン㈱が提供してきた「ロゼッタストーン・ラーニングセンター」のマンツーマン英会話レッスン

といったキャリアアップに関するサービスをフルラインナップで展開してきました。

 この実績と経験を活かして、

  • 内定者・新入社員の育成
  • 生産性向上
  • 営業力強化
  • DX推進

といった幅広い課題に対してもソリューションを提供しています。


  課題別研修一覧 | 法人研修・IT研修ならリンクアカデミー 貴社の人事戦略を支援する研修プログラムがリンクアカデミーにはあります。 独自の診断サービスと幅広い形態での研修実績で貴社の問題を解決・支援いたします。 法人研修・IT研修ならリンクアカデミー


リンクアカデミーの研修導入事例

・ネットワンシステムズ株式会社様

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・東京建物株式会社様

  東京建物株式会社様 | 法人研修・IT研修ならリンクアカデミー 当社にあった研修プログラムのおかげでパソコンが苦手な社員のスキルが底上げできました! 法人研修・IT研修ならリンクアカデミー


・株式会社フロム・エージャパン様

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・株式会社トーコン様

  株式会社トーコン様 | 法人研修・IT研修ならリンクアカデミー スタッフ職のスキルを可視化し、成長の機会を提供 研修とともに描く従業員の新たなキャリア 法人研修・IT研修ならリンクアカデミー


まとめ

 主に新入社員の育成方法として行われるメンター制度ですが、上手く活用することでメンティーの精神的なサポートだけではなく、メンター自身の成長に繋げることができます。メンター制度を導入する際には、しっかりと目的を明確にして、メンターとメンティーの最適なマッチングに気をつけることが大切です。また、メンタリングを実施する際にもメンターへのサポートはもちろん、話す内容以外のコミュニケーション上の配慮や注意が必要です。


メンターに関するよくある質問

Q1:メンターとは?

A1:メンターとは、「指導者」や「助言者」といった意味で使われている言葉です。ビジネスシーンでは、メンターは担当する従業員がキャリアを形成する中で生じた課題を乗り越えられるようにアドバイスを行い、成長を促進する人のことを指します。メンターが指導・助言をする人であるのに対して、指導・助言を受ける人をメンティーと言います。また、メンターがメンティーに対して指導・助言を行うことをメンタリングと言います。


Q2:メンター制度を導入するメリットとは?

A2:企業がメンター制度を導入することで、以下のようなメリットを得ることができます。

■人材を確保・定着させることができる

メンター制度では、自身の悩みを打ち明けられる関係性があることで、従業員は組織に対する安心感を感じることになるため、離職を防いで人材の確保・定着率を向上することができます。

■自発的に行動できる人材の育成が可能

メンタリングでは、メンティーが自分の強みや弱みを客観的に把握して、自分の行動を決定するトレーニングを行うことができます。自身で考えて行動する経験を重ねていくことで、仕事においても自発的に行動する人材を育成することが可能です。

■社内のコミュニケーションを活性化できる

メンター制度では、従業員同士がメンターとメンティーになるため、コミュニケーションが活性化して相互理解が深まることが期待できます。


Q3:メンターに必要なスキルは?

A3:メンターはメンティーの悩みに寄り添い、その解決に導く役割があるため、以下のようなスキルが求められます。

■コミュニケーションスキル

メンタリングをスムーズに行うために、自分の考えを伝えるだけではなく、相手の話をしっかりと聞くスキルが重要です。傾聴する姿勢や、相槌など、話す内容以外でも気持ちの良いコミュニケーションを取りましょう。

■信頼関係構築力

メンティーが正直に本音を話したり、悩みを打ち明けられたりする環境をつくるために、信頼関係構築力が必要です。上から目線のコミュニケーションを取らない、メンティーに対して説教をしないといったことに気をつけましょう。

■業務経験やスキル

メンティーが業務で感じている悩みや課題に共感するためにも、ある程度の業務経験やスキルは必要です。

稲冨 健太
稲冨 健太
佐賀県出身。名古屋大学理学研究科にて物理を専攻。「伝統工芸」や「ものづくり」を応援したいという想いで、組織コンサルティング会社に就職し理念浸透・人事制度設計・人材育成・マネジメントなどに従事。独立後、中小・ベンチャー企業へのコンサルティングや商品開発の経験を基に精力的にライティング活動を実施。

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