社員教育とは?重要性・メリット・おすすめの方法・事例まで
目次[非表示]
- 1.社員教育とは?
- 2.社員教育を行う目的・メリットは?
- 3.社員教育の主な種類
- 3.1.内定者・新入社員研修
- 3.2.中堅社員研修
- 3.3.管理職社員研修
- 4.社員教育のおすすめの方法は?
- 4.1.OJTトレーニング
- 4.2.Off-JTトレーニング
- 4.3.オンライン研修
- 4.4.通信研修
- 4.5.社員面談
- 5.社員教育のプログラムの立て方
- 6.社員教育の具体的なカリキュラム例
- 6.1.内定者・新人研修のカリキュラム例
- 6.2.中堅社員研修のカリキュラム例
- 6.3.管理職研修のカリキュラム例
- 7.質の高い社員教育を行うには?
- 8.成果を創出できる人材育成ならリンクアカデミー
- 9.リンクアカデミーの研修導入事例
- 10.記事まとめ
企業が成長する上で、社員の成長は不可欠です。特に現代は少子高齢化社会により労働人口が減少しているため、入社した人材を適切に教育して育成することは多くの企業で共通の課題となっています。その中で研修やOJTなど様々な形で社員教育を実施している企業は多く、人事担当者や管理職の方は効果的な育成方法を日々模索しているのではないでしょうか。社員教育にはその種類ごとに特徴があり、実施の仕方にもポイントがあります。
本記事では社員教育の目的や方法、実施の際のポイントなどをご紹介します。
社員教育とは?
社員教育とは、社員に業務を遂行する上で必要な知識・スキル・スタンスを身に付けてもらう機会を提供することです。
厚生労働省が発表している「我が国の人口について」を参照すると、日本の人口は減少傾向にあり、2065年には総人口が9,000万人まで減少するのに対して高齢化率は上昇して38%に達すると予測されています。そのため、企業においても事業の安定化や成長に向けて採用と共に生産性の向上や育成の仕組みを整える必要があります。それに伴い、社員教育の重要性は今後も高まっていくと考えられます。
(出典:厚生労働省「我が国の人口について」)
また、「社員教育=研修」というイメージを持たれる場合もありますが、研修のみが社員教育の手段ではありません。研修の他にOJTによる現場指導やeラーニングを用いた自主学習の促進なども社員教育の手段として挙げられます。
社員教育を行う目的・メリットは?
社員教育を行う目的・メリットには、主に下記の3つが挙げられます。
・企業の理念・ミッションを社内に浸透させることができる
・スキル・生産性を高めることができる
・企業イメージを下げるリスクを減らす
社員教育は業務の効率化や生産性の向上にスポットが当たりやすいですが、様々な目的・メリットがあるため、それぞれ確認していきましょう。
企業の理念・ミッションを社内に浸透させることができる
社員教育を行う目的・メリットとして、「企業の理念・ミッションを社内に浸透させることができる」ことが挙げられます。企業の理念・ミッション、行動指針などが社員に浸透していないと、社員ごとの行動にバラつきが出たり、会社として大切にしてほしいことがないがしろにされてしまったりする可能性があります。
また、業務を遂行する中で判断に迷うことが出てきた場合には、1回1回上司や先輩が教えることが多くなると、その分時間や労力がかかるため、全体の成果があがりにくいことにもなります。
社員教育を通してしっかりと企業の理念・ミッションの意味や背景から伝えて理解してもらうことで、社員は自分達に求められていることを理解した上で、自社らしい判断軸を持つことができます。そのため、何か判断に迷った時には行動指針に即して自主的に判断をすることや、一貫性のある行動により企業のブランド自体も向上することなどが期待できます。
スキル・生産性を高めることができる
社員教育を検討・実施する企業の多くは「スキル・生産性の向上」を期待しているでしょう。基本的に人材育成への投資は業績が悪い場合には特に「コストカット」の対象になることが多く見受けられますが、根本的な業績の改善や持続的な成長のためには人材育成への投資こそが解決策であると言えます。
経済産業省が公開している、「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書 ~ 人材版伊藤レポート ~」では、企業の成長に対する人材戦略について下記のように言及されています。
「持続的な企業価値の向上を実現するためには、ビジネスモデル、経営戦略と人材戦略が連動していることが不可欠である。一方、企業や個人を取り巻く変革のスピードが増す中で、目指すべきビジネスモデルや経営戦略と、足下の人材及び人材戦略のギャップが大きくなってきている。」
新型コロナウイルスの影響や、働き方の変化など、企業を取り巻く環境が変化している現在ではビジネスモデルや経営戦略の出来栄えだけではなく、それに適応する人材の育成が必要不可欠であることが分かります。
社員教育により自社の方針にあったスキルアップや生産性向上は大きなメリットになるでしょう。
企業イメージを下げるリスクを減らす
社員教育はプラスアルファを生み出すだけではなく、マイナスを無くすためにも重要です。近年ではコンプライアンス違反により大きく企業イメージがダウンするだけではなく、場合によっては経営危機に晒される可能性があります。このようなリスクを減らすためには、経営層だけが気を配ればいいのではなく、従業員1人1人の意識や知識が大切です。個人情報の取り扱い方や情報発信で気をつけることなどを社員教育を通して理解してもらうことで、リスクを減らすことが期待できます。
社員教育の主な種類
社員教育には様々な種類がありますが、ここでは企業で行う社員教育として主な種類をご紹介します。
内定者・新入社員研修
内定者・新入社員研修とは、入社前や入社直後に内定者や新入社員を対象にして行う研修のことです。社会人として基本的なマナーや自社で大切にしていることなど、働く上で最初に理解しておくべき知識や意識を教える機会です。
内定者・新入社員研修を実施しないことで、
・顧客先でふさわしくない振る舞いを行う
・職場の他の社員との関係性に困る
・業務で必要な知識やスキルが中々身につかない
などの問題が発生することがあるため、最初の段階で実施することをおすすめします。
リンクアカデミーの内定者・新入社員研修についてはこちら
※更新日:2022/07/29
中堅社員研修
ある程度経験を積んだことで自分の力で業務を遂行できるようになった社員に対しては、中堅社員研修を行うことが多いでしょう。中堅社員になると、それまで上司や先輩の元で業務を教えてもらっていた立場から、後輩や他の社員への業務指導やリーダーとしてのチーム牽引を求められる立場になります。
中堅社員研修による教育ができていないと、
・いつまでも後輩意識が抜けない
・責任者としての意識が生まれない
・チームをまとめることができない
・自身のキャリアに悩んでしまう
などの問題が発生する場合があります。職場を引っ張る存在として活躍してもらうためにも、中堅社員に対する教育・育成の機会を実施することは重要です。
※更新日:2022/11/14
管理職社員研修
社内でキャリアを積んで部署や部門をまとめる存在である管理職は頼りになる存在である一方で、教育の対象となることは少なくなりがちです。しかし、企業を取り巻く環境が変化をする中で経営の旗振りを経営層のみで行うのには限界があります。その中で現場をまとめて自社の未来を一緒に創り上げる存在が管理職となります。
・現場社員のモチベーションを向上する
・PDCAを責任を持って回して成果創出をする
・自社の戦略を充分に理解して伝えられるようになる
・自社のビジョンや目指す姿を理解して未来を考える
などの役割を担えるように、管理職に対する教育を実施することが大切です。
また、昨今の企業のDX戦略推進やリモートワークの普及により、これまでのキャリアで使わなかったデジタルツールを使わざるを得ない状況が増えてきています。そのためデータ活用やリモート会議システムなど新しいデジタルツールへの適応を目的とした研修を実施する企業が増えてきています。
※更新日:2022/11/14
社員教育のおすすめの方法は?
社員教育の種類は様々ありますが、その実施方法もいつか存在します。1つだけではなく、複数の方法を組み合わせることで社員教育の効果は向上するため、それぞれの特徴をしっかりと理解しておきましょう。
OJTトレーニング
OJTは「On the Job Training」を略したもので、普段の職場で行う教育・訓練を指します。多くの企業で社員教育の施策として採用されており、入社して間もない社員は先輩社員と一緒に業務を行うことが多いでしょう。
実際の業務の中で直接指導を受けられるため、より実践的な知識やスキルを身につけることができます。また、社員間でのコミュニケーションも促進される効果もあるため、関係性が深まり業務を行う上での連携もスムーズに行くようになるでしょう。
一方で、教育・訓練をする社員にとっては通常の業務に加えて指導やサポートを行う時間が増えることになります。そのため、指導社員に対するサポートや支援体制が整っていない場合には社員の負担が大きくなり、育成効果が高まらない可能性があります。
※更新日:2022/08/30
Off-JTトレーニング
Off-JTとは、「Off-the-Job Training」を略したものであり、普段の職場から離れて教育・訓練を行うことを意味します。外部会場で研修を実施することや、社外で開催されている講習やセミナーに参加することが一般的です。
Off-JTでは対象となる社員に同じプログラムを通して教育することができるため、OJTで起こりがちな「教える人によって教え方や提供する知識・スキルにムラが出る」ことを抑えることができます。また、Off-JTはOJTの振り返り機会としても活用できるため、日々の業務で困っていることや共通で感じている課題などを解消・解決することもできるでしょう。
Off-JTではある程度基本的・一般的な知識やスキルを教えることになるため、実際の業務で活かすためには工夫が必要になります。業務の中でOff-JTで学んだことを基にして振り返る機会や定期的な研修機会を設けるなどOJTや通常業務と関連付ける施策を検討しましょう。
※更新日:2022/07/20
オンライン研修
オンライン研修とは、講師や受講者が同じ場所に集まるのではなく、Web会議ツールを活用してオンライン上で実施する研修です。近年は新型コロナウイルスの蔓延に伴って、集合研修が開催できなくなったことで特に注目されるようになりました。
オンライン研修は受講するために研修会場に直接出向く必要がないため、場所を選ばずに開催・参加をすることができます。研修の度に会場費や移動費がかかっていた企業にとっては費用の削減になり、社員にとってもより受講に伴う労力やストレスが軽減されることになります。また、オンライン研修ならではの機能や内容も活用されているため、集合研修と共に社員教育のスタンダードになってきています。
オンライン研修の実施にはネットワーク環境が必須であるため、社員の自宅や受講する場所の通信環境を整える必要があります。通信環境が悪い場合には映像が止まったり、画面の内容が見えなかったりと集中力を削いでしまうことになるため、注意が必要です。
※更新日:2022/07/29
通信研修
通信研修とは、テキストや教科書を使用して個人で学習を進める学習方法です。自主学習だけではなく、課題の提出やテストの受験を行うことで講師からの添削やフィードバックを受けることができます。英会話やプログラミング、資格取得などテーマは様々なものがあるため、自身に合ったものを選ぶことができるでしょう。
業務で空いた時間での学習や好きな場所での受講が可能であり、自分のペースに合わせて学習を進めることができます。一方で、強制力は働きにくいため、学習意欲の高い少数の方は利用しますが、多くの方は利用しない現状が多くの企業の悩みの種になっています。受講に関する期限やテストの実施を管理側からも設けていくことが学習の促進には重要です。
社員面談
社員面談は主に1対1で業務の進捗確認や、働く中での相談などを実施する施策です。直接の上司や先輩と実施することが多いですが、社員の精神的なサポートやモチベーション向上を目的にする場合は、直接業務上は関係がない社員同士で実施する形式もあります。
比較的導入しやすい社員教育であり、面談を受ける側だけではなく実施する側の育成にも繋がります。一方で、内容がクローズになりすぎると自社の批判になることもあるため、面談の目的やある程度の内容を指示することも大切です。
社員教育のプログラムの立て方
実際に社員教育のプログラムを立てる場合には下記のようなステップを参考にしてください。
ステップ①:自社の現状を把握する
まずは自社がどのような状態であり、課題がどこにあるのかを把握しましょう。一般的な社員教育を自社で適用することもできますが、企業や組織によって取り組むべき課題の内容や優先順位は異なります。
現場社員へのインタビューやスキルを把握するサーベイなどを実施することで、定性的・定量的な情報を集められるようにします。課題を特定する際には、自社の事業上影響が大きいものや問題として挙がる頻度が高いものなどを抽出すると考えやすいでしょう。
ステップ②:目的やゴールを明確にする
ある程度自社の現状や課題が把握できたら、社員教育を通してどのような状態になりたいのかという、目的やゴールを明確にしましょう。目的に合わせて社員教育が単発で終わるのか、複数回に分けて長期的に行うのかも変わります。また、目的を考える際には「現状の問題解決」だけではなく、自社の目指す姿や求める人物像といった「未来に期待すること」も含めて戦略的に考えることをおすすめします。
ステップ③:実施からフォローまでの内容を決める
具体的に社員教育でどのようなことを実施するのかを考えます。1回の研修内容を考えることも必要ですが、全体を通してOJT、Off-JT、振り返り機会などを組み合わせたプロセスにストーリーを描くことが重要です。「研修を実施して終了」としてしまうと、多くの場合は知識定着や態度変容には繋がりにくいため、事前・事後を含めてプログラムを考えましょう。
社員教育の具体的なカリキュラム例
社員教育のカリキュラムを考える際にどのように考えればいいのか迷う場合もあるかもしれません。ここでは、社員教育の具体的なカリキュラム例をご紹介します。
内定者・新人研修のカリキュラム例
内定者・新人研修のカリキュラムとしては、社会人として基本的なマナーや仕事をする上で必要な姿勢のように、意識を学生から社会人として変える研修が一般的です。また、デジタルネイティブ世代といわれている昨今の新入社員ですが、スマートフォン操作は得意とする一方で、社会人として必要なITスキルが高くないというデータがあるため、これを導入時に補うIT系のスキル研修を行うことで早期の価値発揮を促すことが出来ます。これを踏まえると下記のような例が挙げられます。
・ビジネスマナー研修
・スタンス研修
・Excel、PowerPoint研修
・ロジカルシンキング研修
・コンプライアンス研修
中堅社員研修のカリキュラム例
中堅社員は求められる役割が「教えられる側」から「教える側」に変化するタイミングであるため、その変化をサポートするための研修が効果的です。これまでとは違う役割が与えられると同時に、求められる業務スキルも変化する為、それに適応出来るスキルを獲得することが求められます。そのような研修には、一般的には下記のようなものが挙げられます。
・セルフコントロール研修
・課題解決力向上研修
・コミュニケーション研修
・リーダーシップ研修
・キャリア研修
・データ活用研修
・ITナレッジ研修
管理職研修のカリキュラム例
管理職はより広い範囲で自社や自部署の管理や成長を担う立場になります。また、管理職の役割を与えられたから管理職としてのスキルが生まれるわけではないため、これまで目に触れることのなかった膨大なデータや業務効率化の観点など、管理職として必要なマネジメントのやり方や事業の考え方などの知識を研修を通して付与することが必要です。主に下記の研修が一般的です。
・メンバーマネジメント研修
・PDCAマネジメント研修
・ビジネスモデル理解研修
・事業立案研修
・ビジョンマネジメント研修
・データ分析研修
・ITナレッジ研修
質の高い社員教育を行うには?
社員教育の質次第では、その理解度や成長スピードに大きな差が出る場合があります。自社内で社員教育の設計から実施までを行うことはできますが、より質の高い社員教育を実現するためには外部のプロフェッショナルな研修サービスを活用することも有効な手段です。費用はかかりますが、その分多くのメリットがあるため事業成長や組織変革のためには必要な投資とも言えるでしょう。
外部の研修サービスを利用するメリット
社員教育で外部の研修サービスを利用することで、下記のようなメリットを得ることができます。
・社員が通常の業務に集中できる
自社内だけで社員教育の設計や実施を行うことは、担当者にとって大きな負担になる可能性があります。適切に外部サービスを活用することでその工数を削減し、より通常の業務に集中してもらうことができます。
・自社の課題の特定やそれに応じた研修サービスを一緒に考えることができる
自社の中だけでは見えにくい課題を指摘してもらうことができます。また、目的に即した研修サービスの選び方や組み合わせ方についてもアドバイスをもらうことができるため、より効果的な研修を設計できるでしょう。
・研修運営自体のノウハウを活用できる
研修の運営自体にもコツがあります。経験が豊富な研修提供者のノウハウを活用することで円滑な運営を行うことができます。
※更新日:2022/11/14
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記事まとめ
人口の減少や働き方の意識変化、顧客ニーズの多様化など企業を取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。その中で、自社の経営理念や経営戦略、ビジネスモデルなどに即した人材育成を行うことは、経営の安定や成長に大きく影響するでしょう。社員教育はそのような背景の中で今後より重要なものになってきます。研修だけではなく、OJTや自主学習、面談など複数の施策を組み合わせることで社員教育の効果を高めることができます。適切に外部研修サービスも活用しながら、自社の現状に合った社員教育を実現しましょう。