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リーダーシップ研修とは?ねらいや金額相場、研修内容を徹底解説

 多くの企業では、管理職やマネージャーに昇格するといったリーダーとしてチームを率いることになったタイミングで、リーダーシップについての研修が行われています。一方で、「リーダーシップ」といった言葉は様々な解釈が生じるものであるため、リーダーシップ研修についてもその目的に応じて対象や内容が変わってきます。本記事では、リーダーを育てるリーダーシップ研修についてその様々なねらいや内容をご紹介します。


目次[非表示]

  1. 1.リーダーシップ研修とは?
    1. 1.1.リーダーシップ研修の定義
    2. 1.2.リーダーシップ研修が注目されている背景
      1. 1.2.1.①インターネット技術の普及による変化
      2. 1.2.2.②成果主義の浸透
      3. 1.2.3.③人手不足・人材不足
      4. 1.2.4.④VUCA時代
    3. 1.3.リーダーシップ研修の対象者
      1. 1.3.1.管理職社員向けの研修
      2. 1.3.2.中堅社員向けの研修
      3. 1.3.3.次世代リーダー向けの研修
    4. 1.4.リーダーに必要な要素とは
      1. 1.4.1.業務遂行能力
      2. 1.4.2.専門分野に関する知識・スキル
      3. 1.4.3.育成や指導スキル
  2. 2.リーダーシップ研修の目的・ねらい
    1. 2.1.リーダーの役割を把握する
    2. 2.2.リーダーシップの基本を知る
    3. 2.3.リーダーとしての仕事の進め方を理解する
  3. 3.企業における人材育成の課題とリーダーシップ研修の現状
    1. 3.1.企業の人材育成の課題
    2. 3.2.リーダーシップ研修の実施状況
  4. 4.リーダーシップ研修の実施方法と期間
    1. 4.1.リーダーシップ研修の実施期間
    2. 4.2.リーダーシップ研修の実施方法
      1. 4.2.1.リーダーシップ研修の目的を明確にする
      2. 4.2.2.研修のカリキュラムを作成する
      3. 4.2.3.研修の形式を決定する
      4. 4.2.4.研修実施後のフォローや振り返りを行う
  5. 5.リーダーシップ研修の実施内容
    1. 5.1.リーダーとしての役割を学ぶ
    2. 5.2.リーダーとしてのコミュニケーションの仕方を学ぶ
    3. 5.3.モチベーション向上の方法を学ぶ
    4. 5.4.リーダーとしての仕事の進め方を学ぶ
    5. 5.5.リーダーシップ研修のカリキュラム例
  6. 6.リーダーシップ研修の実施にかかる費用・金額相場
  7. 7.リーダーシップ研修にお悩みならリンクアカデミーへご相談を
  8. 8.リンクアカデミーの研修導入事例
  9. 9.まとめ
  10. 10.リーダーシップ研修に関するよくある質問

リーダーシップ研修とは?

リーダーシップ研修の定義

 まず、「リーダーシップ」とはどのような意味があるのでしょうか。チームを牽引する力やコミュニケーション能力、意思決定の力強さなど、様々なものが思い浮かぶかと思います。多くの解釈や要素があるリーダーシップですが、「ある一定の目的に向けて人々に影響を与え、その実現に導く行為」とまとめることができます。リーダーシップを発揮するためには、目的をしっかりと捉えて周囲の人々を動かし、実現するまでの過程を実行し切ることが必要です。

 そのため、リーダーシップ研修は「目的を捉えて目標を立てる力」や「周囲に影響を与えるスキル」、「実行力や推進力」といったリーダーシップを発揮するために必要な要素を身につけるために行われます。

(こちらもチェック:「社員教育とは?重要性・メリット・おすすめの方法・事例まで」)

リーダーシップ研修が注目されている背景

 では、なぜリーダーシップ研修は多くの企業で注目されているのでしょうか。現在、私たちを取り巻く環境の中で起こっている変化を確認しておきましょう。

①インターネット技術の普及による変化

 現在は多くの人が自身のスマートフォンを持ち、情報の受発信を手軽に行うことができるようになっています。インターネット技術が普及する中では、これからも世の中に流れる情報の量は多くなっていくことが予想されています。情報を有効に活用することができれば、それまで以上に自社の強みとなるポイントを見つけることができたり、新しいビジネスアイデアを生み出すきっかけを作ったりすることができます。

 一方で、情報が溢れる中ではどの情報を活用するかといった決断のスピードと質の向上が求められます。その中で、リーダーシップを発揮して組織として目指す方向性をはっきりとさせて、情報の取捨選択を行う存在が必要となっています。

②成果主義の浸透

 高度経済成長期までの日本では、いわゆる年功序列型で終身雇用の組織運営が行われてきました。大量生産大量消費による、需要と供給のバランスが取れていた時代は成り立っていたものですが、現在は企業を取り巻く環境は変化し、企業は顧客から選ばれる存在になるための工夫が必要となっています。

 その中で、それまでの年功序列型の評価制度から、成果を重視する成果主義の評価制度が徐々に浸透してきました。成果主義では、個人やチームのパフォーマンスを高めることが求められるため、しっかりと成果に向けたマネジメントを行うことができるリーダーを育てるリーダーシップ研修も注目を集めるようになりました。

③人手不足・人材不足

 少子高齢化の影響により、日本の労働人口は今後減少していくと考えられています。現在でも、人手不足に悩まされている企業は多く、「新しく人材を確保する」といったスタイルから、「今いる人材を育てる」といったスタイルの重要性が高まっています。

 そのためには、しっかりと人材を育成できるスキルを持ったリーダーの存在が重要です。自社の価値観を理解して、必要なスキルやスタンスを身につけている社員をいち早く育てるためにも、リーダーシップ研修による教育は効果的です。

④VUCA時代

 VUCAとは、Volatility (変動性)、Uncertainty (不確実性)、Complexity (複雑性)、Ambiguity (曖昧性) の頭文字を取った造語であり、「予測が不確定な状態」を表した言葉です。現在はVUCA時代と言われており、政治や経済、環境といった世界の動きが予測しにくいとされています。企業においても、5年後、10年後の状態を予測することが難しくなっています。

 不確実性や不透明性が大きく、変化が多いVUCAの時代では、自社の目指す方向を示す事や、戦略の選択と集中を柔軟に変更することが重要となります。

 また、現在は「働くこと」に対する個人の価値観が多様化しているため、メンバーのモチベーションを高め、個人の能力発揮に対する意欲を高めることも、リーダーとして求められています。

 このように、不確実性が大きく、変化のスピードも早いVUCA時代においては、その時々で時代の流れを把握して全体を導く力が大切になるため、その力を養うリーダーシップ研修に取り組む企業が増えています。


  VUCAとは?意味や読み方は?VUCA時代に必要なスキルについて 昨今は新型コロナウイルスの蔓延や、世界情勢の大きな変化などこれまで予測していなかったことが起こることが多くなっています。そのような状況を表す言葉として、「VUCA」があります。VUCAは近年はビジネスシーンでも用いられるようになってきましたが、具体的な内容をご存知ではない方もいるのではないでしょうか。本記事では、現在の時代を表す言葉である「VUCA」について、その意味やVUCA時代に必要なスキルなどをご紹介します。 法人研修・IT研修ならリンクアカデミー

リーダーシップ研修の対象者

 リーダーシップ研修を受ける対象は管理職やマネージャーだけではなく、その目的によって様々な場合があります。ここでは、代表的な管理職、中堅社員、次世代リーダーといった対象者についてご紹介します。

管理職社員向けの研修

 リーダーシップ研修の対象者として、最も多いのが管理職です。特に、新しく管理職としての業務を行うことになった新任管理職に対しては、そもそものマネジメントの全体像、自社の求めるマネジメントスタイルの伝達などを目的として、リーダーシップ研修が行われることが多いでしょう。管理職に対してリーダーシップ研修を行うことで、管理職としての業務に対する不安を軽減しつつ、効果的なチーム運営を促進することができるようになります。

 一方で、ある程度管理職としての経験がある従業員に対しても、改めてリーダーシップ研修を実施する場合があります。マネジメントやリーダーシップに不安がある場合だけではなく、変化する環境の中で、自社として求める行動や成果などを再度伝え直すことは、組織全体の生産性やモチベーションを高めるために有効です。

中堅社員向けの研修

 中堅社員とは、ある程度業務経験を積んでおり、今後管理職になる可能性がある従業員のことを指します。リーダーシップ研修は管理職になってからではなく、中堅社員の段階で実施する企業も多く見受けられます。管理職やリーダーになって初めてリーダーシップ研修を行うと、しっかりと身につけるまでの間はチームに「リーダー不在」の状態を作ることになってしまい、組織としての安定感を失う可能性があります。

 早い段階でリーダーシップ研修を行うことで、スムーズにリーダーとしての業務を遂行してもらうと共に、より広い視野で仕事に取り組んでもらうきっかけを作ることができます。

次世代リーダー向けの研修

 次世代リーダーとは、将来経営幹部として経営を担う人材のことを指します。次世代リーダーに対しては、早い段階でリーダーシップを身につけてもらうことで、将来の組織運営をスムーズにすることができるようになります。加えて、リーダーとしての期待をかけることで仕事に対する姿勢も前向きになることが期待できます。

リーダーに必要な要素とは

 リーダーシップ研修を実施する際には、リーダーに必要な要素について把握しておくことが大切です。ここでは、代表的なリーダーに求められる要素についてご紹介します。

業務遂行能力

 リーダーには、部下の手本となることができるある程度の業務遂行能力が求められます。業務を遂行するためには、基本的には「コミュニケーションスキル」や「ロジカルシンキングスキル」、「セルフコントロールスキル」といったスキルが求められます。これらのスキルがバランス良く身についていると、業務をスムーズに遂行することができるようになり、部下からの信頼も厚くなりやすくなります。

 業務遂行能力を高めるためには、日々の業務の中での学びを蓄積することに加えて、研修やセミナーといったOff-JTによる育成を行うことが効果的です。

(こちらもチェック:「Off-JTとは?OJTとの違いや必要性・使い分け方について解説」)

専門分野に関する知識・スキル

 コミュニケーションスキルやロジカルシンキングスキルといったスキルは、持ち運びができるスキル(ポータブルスキル)とも言われており、ある程度職種や業種を跨いで活用することができるスキルです。一方で、専門的な分野に関する知識やスキルは、「テクニカルスキル」と言われており、その業種や職種の中で大きな効果を発揮するものです。

 実際に業務をスムーズに遂行したり、チームの中で生じる課題を解決したりするためには、テクニカルスキルを駆使する必要があります。そのため、リーダーはメンバー以上に専門的な知識やスキルを身につけておく必要があります。

育成や指導スキル

 リーダーは自分だけが仕事をスムーズに行うだけではなく、チーム全体の成果を向上することが求められます。そのため、部下やメンバーのパフォーマンスを最大限発揮するための関わり方を行うことが必要となります。育成や指導を行う際には、業務で必要な知識やスキルといった能力の向上だけではなく、1人1人のモチベーションや意欲を向上させる関わり方を意識することが大切です。

 そのため、リーダーは自分から意見や指摘を行う「発信」だけではなく、部下の考えや意見を聞く「受信」のスキルも大切になってきます。しっかりとそれぞれが「自分の考えを受け入れてもらっている」と感じることができる関わり方を行うことで、よりリーダーシップが発揮しやすくなるでしょう。


  社員教育とは?重要性・メリット・おすすめの方法・事例まで 企業が成長する上で、社員の成長は不可欠です。特に現代は少子高齢化社会により労働人口が減少しているため、入社した人材を適切に教育して育成することは多くの企業で共通の課題となっています。その中で研修やOJTなど様々な形で社員教育を実施している企業は多く、人事担当者や管理職の方は効果的な育成方法を日々模索しているのではないでしょうか。社員教育にはその種類ごとに特徴があり、実施の仕方にもポイントがあります。 本記事では社員教育の目的や方法、実施の際のポイントなどをご紹介します。 法人研修・IT研修ならリンクアカデミー


リーダーシップ研修の目的・ねらい

 ここまで、リーダーシップ研修やリーダーの役割の定義についてご紹介してきました。では、実際にリーダーシップ研修を実施する際にはどのような目的やねらいがあるのでしょうか。

リーダーの役割を把握する

 まず、リーダーシップ研修を実施する目的として、「そもそもリーダーとは何か?」が挙げられます。「リーダー」という言葉は知ってはいるものの、機会がないと考えないことが多いでしょう。リーダーシップ研修を通して、具体的に「リーダーとはどのような存在」で「どの様なスキルが求められているか」という役割共有を行うことで、全体で自社における「リーダー像」を共通認識としてつくっておくことができます。

リーダーシップの基本を知る

 リーダーとしての役割がぼんやりとしている状態では、「リーダーシップを発揮する」ということがどんなことであるのかについても不明瞭であることが多いでしょう。リーダーシップ研修では、リーダーとしての役割と共に、リーダーシップとは何か、リーダーシップを発揮するためにはどのようなことが必要であるかについても伝達します。

リーダーとしての仕事の進め方を理解する

 リーダーとしての役割や、リーダーシップの基本を伝えるだけでは実際の業務に活かすことが難しい場合があります。リーダーシップ研修では、実際に仕事をする中で「リーダーとしてどのような考え方をするか」「どのような仕事の進め方をするか」といったことも伝えます。

 例えば、それまでは自分の仕事を優先的に終わらせることが求められる立場だったところから、チーム全体の進捗や成果を管理する立場になります。その場合の優先順位の付け方、部下との関わり方といったことを身につけることも、リーダーシップ研修の大きな目的の1つです。


企業における人材育成の課題とリーダーシップ研修の現状

企業の人材育成の課題

 企業が抱えている人材育成の課題として、下図のように「業務多忙による育成時間の不足」に次いで「上長の育成能力や指導意識の不足」が挙げられています。ここから、多くの企業が社員のリーダーシップ開発に対して大きな課題意識を持っていることが伺えます。

 これまでは、拡大マーケットにおいて、決められたやり方を丁寧に追行することが、企業の拡大につながっておりましたが、現在の飽和状態のマーケットにおいて、勝ち筋が保障されていない先行きが不明確な状態にあります。その中で、企業を取り囲む様々な変化を乗り切るためのリーダーシップの開発は重要な人材育成のテーマとなっていると考えられます。

人材育成上の課題

(出典:厚生労働省「平成26年版労働経済の分析」)


  人材育成とは?人材育成の目標・考え方・設計方法を解説 多くの企業において人材育成は共通の課題になっているでしょう。どれだけ優れた事業戦略を描いたとしても、それを実行する人材が育っていない場合には絵に描いた餅になってしまう可能性があります。また、人材育成の理論やフレームは多岐にわたっているため、「どういった方法が自社に合っているかが分からない」「人材育成をどのように考えればいいのかが分からない」といった方も少なくないのではないでしょうか。人材育成のそもそもの目標や考え方、効果的な設計方法を確認し、自社の育成に役立てましょう。 法人研修・IT研修ならリンクアカデミー


リーダーシップ研修の実施状況

 では、実際にどの程度の企業がリーダーシップ研修を実施しているのでしょうか。厚生労働省が発表している「能力開発基本調査」によると、下図のように「実施した」ないしは「実施したい」Off-JTの内容として、新入社員に対する研修に次いで中堅社員や管理職に対する研修が挙げられています。

 一概にリーダーシップのみに焦点を当てた研修であるとは言えませんが、それに近いテーマの研修を4割程度の企業が実施していると考えられます。

OFFJT

(出典:厚生労働省「令和3年度 能力開発基本調査」)


リーダーシップ研修の実施方法と期間

 リーダーシップ研修を行う際には、その実施方法と期間を決める必要があります。一般的な期間や実施方法についてご紹介するので、ご参考にしてください。

リーダーシップ研修の実施期間

 リーダーシップ研修の実施期間は半日〜2日間が一般的です。実施期間を多く取ることでより実践的な内容やグループワークに取り組むことができますが、その分人員コストや現場の仕事の調整などに負担がかかることになるため、自社に合った期間を設定することが大切です。

 また、1回の研修自体は半日〜1日であることが多いですが、よりリーダーシップを身につけて実際の仕事で活かすためには、定期的な研修の実施が効果的です。プロジェクト形式で1ヶ月に1回、ないしは2ヶ月に1回といったペースで研修・実践・振り返りを行うことで、より深い理解や実践に繋がります。

リーダーシップ研修の実施方法

リーダーシップ研修の目的を明確にする

 リーダーシップ研修を行う際には、しっかりとその目的を明確にすることが大切です。目的が不明瞭なまま研修を実施してしまうと、参加者に対して伝えるメッセージも不明確になってしまい、実践に繋がりにくくなります。この研修を通してどのような状態になって欲しいのか、どのような成果を得たいのかといったことを話し合った上で目的を言葉にしましょう。

研修のカリキュラムを作成する

 リーダーシップ研修の目的が明確になった後には、実際の研修カリキュラムを作成します。目的に沿って、基本的な内容を多くするのかや実践的な内容、グループワークなどを多く取り入れるのかといったことを決めます。必要に応じて外部の研修サービスを活用することで、より幅広い視点でカリキュラムを考えることができます。

 加えて、企業の経営戦略と照らし合わせて、リーダーに必要なスキルを明確化し、カリキュラムを作成することで、より効果的な育成が期待できます。

 特に、あらゆるモノのデジタル化が進み、蓄積された膨大なデータをどのように活用するかが求められる昨今において、リーダーには、”勘や経験での判断”ではなく”データを基にした数値での判断”がより求められるようになっています。

 このように、企業戦略や外部環境の変化に併せて、リーダーに必要なソフトスキルとハードスキルを定義づけし、それに合った研修内容をデザインすることが必要です。

研修の形式を決定する

 研修の形式としては、実際に集まる集合研修やWeb会議ツールを活用するオンライン研修、eラーニングによる学習などがあります。それぞれにメリットやデメリットがあるため、実施するリーダーシップ研修のカリキュラムに沿って実施形式を決めましょう。

(こちらもチェック:「集合研修とは?オンライン研修との比較や、メリット・デメリットを徹底解説」)

(こちらもチェック:「オンライン研修とは?向いている企業や成功ポイント・注意点について徹底解説」)

(こちらもチェック:「eラーニングとは?導入背景やメリット・使い方・導入方法について解説」)

研修実施後のフォローや振り返りを行う

 リーダーシップ研修の効果を高めるためには、研修実施後のフォローや振り返りを行うことが大切です。研修をしただけでは、当日は盛り上がったとしても徐々に学んだことを忘れてしまいます。そのため、研修を実施した後に「業務で実践する内容を決める」「定期的に振り返りの機会を設ける」といった工夫をすることで、研修で実施したことの定着や実践度合いを上げることができます。


リーダーシップ研修の実施内容

 では、実際にリーダーシップ研修ではどのような内容を実施するのでしょうか。ここでは、代表的なリーダーシップ研修の実施内容をご紹介します。


  社内研修の内容はどうする?種類や面白いネタ、効果的な設計方法までご紹介 企業経営において人材育成は共通の課題であり、今後人口減少や働き方の変化などが進む中でより一層重要なものになっていくでしょう。その中で多くの企業が人材育成のために研修を実施しており、社内研修もそうした研修の1つの形式です。社内研修とは、外部の研修サービスを利用せずに自社内で設計〜実施まで行う研修です。外部に委託しない分コストを抑えることができ、より自社らしい工夫をすることもできます。本記事では社内研修の考え方や面白いネタなどをご紹介します。 法人研修・IT研修ならリンクアカデミー


リーダーとしての役割を学ぶ

 リーダーシップ研修を実施する上で、リーダーとは何かを伝えることは重要です。自社の中での「リーダー像」がぼんやりとしている場合は、従業員もどのような状態を目指せばいいのかが分からなくなってしまい、知識やスキルの定着が上手くいかなくなる可能性があります。

 まずはそれぞれが持っているリーダー像と、自社で求めるリーダー像、または求められるスキルと、現状のスキルの間にある差異を明確にして、リーダーに対する共通認識と、現状課題を把握する機会を作るようにしましょう。

リーダーとしてのコミュニケーションの仕方を学ぶ

 リーダーとして部下やメンバーをまとめる際には、コミュニケーションの仕方にも工夫が必要です。特に、部下の能力を向上するためには以下のような「シチュエーショナルリーダーシップ」を活用すると良いでしょう。

4つのマネジメント

(参考:シチュエーショナルリーダーシップ)

 自身の認識と、部下の認識に合わせて「任せる」「励ます」「教える」「正す」を使い分けることで、より部下の成長を促進することができます。このようなコミュニケーションスキルを提供することも、リーダーシップ研修の内容として有用です。

モチベーション向上の方法を学ぶ

 リーダーが部下と関わる上で、能力の向上を促進するだけではなくモチベーションや意欲を向上させる工夫も必要です。そのため、リーダーシップ研修においても部下のモチベーションを向上させる関わり方について、知識やスキルを提供する場合が多く見受けられます。

 特に、下図のモチベーションの公式を伝えることが効果的です。モチベーションの公式とは、モチベーションの高さを「目標の魅力(やりたい)」、「危機感(やらなきゃ)」「達成可能性(やれそう)」で整理したものです。

モチベーションの公式

(参考:モチベーションの公式)

 部下が現在「やりたい」「やらなきゃ」「やれそう」のどの部分が足りていないのかについて把握し、それを向上する関わり方をすると良いでしょう。

リーダーとしての仕事の進め方を学ぶ

 メンバーは自分に与えられた業務を遂行することが重要であるのに対して、リーダーはチームを管理してチーム全体の成果を向上させることが役割となります。そのため、リーダーはメンバー以上に仕事の優先順位を判断して、時間の使い方を変えることが必要です。この際に、リーダーシップ研修で伝える内容として効果的なのが、「やることと共にやめることを決める」というものです。

 「やること」のみを考えていると、結果的にやらなくてはいけないことが増え続けて時間が足りなくなってしまいます。そのため、業務の全体像を整理して、必要のないものがあるかを確認することが大切です。

 また全体のタスク管理を行う上で重要なのはタスクの見える化をすることです。

 社内ツールとしてGoogleスプレッドシートやExcelを活用し、タスクの見える化・納期までの時間管理や共有を行っている企業も少なくありません。

 このようなツールを活用することで、個々人のタスク量や所要時間を集計することが容易になり、必要に応じてグラフなどにより可視化することも可能になります。会議内で業務効率化に関する指標を管理する際にも有用であると言えるでしょう。

(こちらもチェック:「社内研修の内容はどうする?種類や面白いネタ、効果的な設計方法までご紹介」)

リーダーシップ研修のカリキュラム例

 リーダーシップ研修のカリキュラムとして、以下のようなものが挙げられます。あくまで一例ですので、自社の研修の目的に沿って組み替えて実施しましょう。

リーダーの基本
  • リーダーとは?
  • リーダーシップとは?
  • 自社のリーダー像とは?
  • チームの目的の把握
  • 様々なリーダーシップの種類
  • 自社のミッションやビジョンの把握
部下の能力向上
  • フィードバックの仕方
  • シチュエーショナルリーダーシップ
  • 指示の出し方
  • 指導やサポートの仕方
  • 部下の目標設定の仕方
部下のモチベーション向上
  • モチベーションとは?
  • モチベーションの高め方
  • 意欲を高めるコミュニケーション
  • 部下のキャリア設計の仕方
  • 部下のモチベーションタイプの把握
リーダーとしての仕事の進め方
  • 仕事の棚卸し
  • 「やること」と「やめること」の決め方
  • PDCAの基本
  • PDCAの回し方
振り返り
  • 実践の振り返りと評価
  • 相互アドバイス
  • 次の目標設定



リーダーシップ研修の実施にかかる費用・金額相場

 一般的に、公開型のセミナーや研修に参加する場合には数千円〜数万円程度の費用が必要です。また、会社ごとに独自のカリキュラムを設計する場合には、数万円〜数十万円の費用がかかる場合が多いでしょう。プロジェクト形式で長期間研修を行う場合には、更に費用がかかるため、自社の目的に沿ったものを選ぶようにしましょう。


リーダーシップ研修にお悩みならリンクアカデミーへご相談を

 昨今、「データドリブン経営」という言葉をよく耳にしますが、その実現のために必要な素養として「データを収集・加工・分析」する力が挙げられます。

 あらゆるモノのデジタル化が進み、蓄積された膨大なデータをどのように活用するかが求められる

 昨今において、リーダーは”勘や経験での判断”ではなく”データを基にした数値での判断”を、柔軟かつスピード感をもって進めることが必要となっています。

 弊社リンクアカデミーでは、基本から応用までExcelの正しい使い方を体系的に習得できる「基本研修・応用研修」から、業務効率化を実現させるための「Excel活用研修」、データから正しく根拠を導くための「データ分析・原因究明研修」など、幅広いソリューションをご用意しています。

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リンクアカデミーの研修導入事例

・ネットワンシステムズ株式会社様

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まとめ

 多くの企業が人材育成の課題として、「従業員のリーダーシップの発揮が十分でない」と考えています。その中で、管理職だけではなく、中堅社員や次の経営幹部候補である次世代リーダーに対して行うリーダーシップ研修が注目されています。

 リーダーシップ研修では、そもそものリーダー像のすり合わせやリーダーシップを発揮するための方法などを伝達することになりますが、企業ごとの目的に沿って内容や実施形式を考えることが大切です。


リーダーシップ研修に関するよくある質問

Q1:リーダーシップ研修とは?

A1:リーダーシップ研修は、リーダーとしてある一定の目的に向けて周囲に影響を与え、その実現に導くための方法を身につける研修です。そのために、部下とのコミュニケーションの取り方やモチベーションの維持・向上方法といったことを研修内容として実施します。


Q2:リーダーシップ研修の目的は?

A2:リーダーシップ研修には、以下のような目的があります。

■リーダーの役割を把握する

「リーダー」という言葉は知ってはいるものの、具体的にどのような存在であるべきかについては、機会がないと考えないことが多いでしょう。リーダーシップ研修を行うことで、全体で自社における「リーダー像」を共通認識としてつくっておくことができます。

■リーダーシップの基本を知る

リーダーシップ研修では、リーダーとしての役割と共に、リーダーシップとは何か、リーダーシップを発揮するためにはどのようなことが必要であるかについても伝達します。

■リーダーとしての仕事の進め方を理解する

リーダーはメンバーとは時間の使い方や、求められる役割が異なります。そのため、仕事の優先順位の付け方や「やること」と「やめること」を決める方法をリーダーシップ研修で伝達します。


Q3:リーダーシップ研修の対象者は?

A3:リーダーシップ研修は、主に管理職やマネージャーに対して実施されます。それ以外にも、次の管理職候補である中堅社員や、将来の経営を担う次世代のリーダーといった従業員に対しても、リーダーシップ研修を実施する場合があります。

稲冨 健太
稲冨 健太
佐賀県出身。名古屋大学理学研究科にて物理を専攻。「伝統工芸」や「ものづくり」を応援したいという想いで、組織コンサルティング会社に就職し理念浸透・人事制度設計・人材育成・マネジメントなどに従事。独立後、中小・ベンチャー企業へのコンサルティングや商品開発の経験を基に精力的にライティング活動を実施。

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